これもまた一つのみきりつの形


「完結したらまとめて見る」つもりだったので、弓削Pの作品だと知ったうえでの視聴になってしまいました。
知ってからだと、「これはどう見ても弓削Pだろーw」ってなっちゃいますが、
もしリアルタイムで追っていたら、連想することはできても断定するところまでいけたかどうかは怪しいかなw

台詞回しとか画面構成なんかもそうですが、何より律子の描き方が実に弓削Pらしいなぁという感じでした。
あくまで青雲シリーズの話ですが、確か前に弓削Pが律子を765プロで1・2を争う未熟なキャラとして挙げていたと記憶しています。
たぶん、弓削Pの中の律子像がそういう感じなんだと思うんですよね。
んで、この動画からもそういう様子がふんだんに感じられということです。

物語の趣旨は、「SPでゲームオーバーになった後のみきりつ」。
SPクリア後のみきりつを描いた「律子の部屋」と見比べてみるといろいろ面白いですね。
あの作品を作った時点で、こちらの構想があったのかどうかが気になるところ。
みきりつスキーの弓削Pとしては、SPのストーリーは向き合うべき至上命題だったりしたのかな?

このシリーズで良かった点といえば、僕としては何といっても最終回を挙げたいところ。
予想していなかった角度から、しかし最適解と思われるものが飛んできて実に気持ちのいい読後感でした。
ジャンケン大会決勝前に物凄い混沌とした心理戦を期待していたら、超クオリティのハイスピードバトルが出てきたときのことを少し思い出したりw

「辛いことも多かったけど、私はこの3年間を否定したくありません」っていう美希の台詞が全てです。
例えゲームオーバー・BADエンド後の道であっても、そこから見つかる新しい幸せがある。
そしてこれもまた、一つのみきりつの形であることは間違いない。
「りつこのへや」に比べたらずいぶん遠回りしちゃったかもしれないけど、
これまで、そしてこれから、この2人はこの世界ならではの固くて強い絆をはぐくんでいくのです。
そういう希望を感じられる素敵なラストでした。ゆえに名作。