尊い日々は まだ終わらない


少年Pと汁粉Pの助力を得て、トカチPの竜宮小町を巡る一連のストーリーが完結しました。


アイマス2が発売され、竜宮小町の扱いが「噛ませ犬」と称され騒がれ始めてから、
早々にそういった部分に切れ込んでいったのがこのシリーズ。
昨年多く見られた竜宮小町の「再起」「栄誉」を描いた動画の先駆けともいえる存在で、僕も注目を寄せていました。

ところが三作目「Defection」の後に、長い空白が生まれてしまいました。
それが当初の計画通りだったのか、それとも何か事情が変わったのかは分かりませんが、
どちらにせよトカチPが他の動画を制作しているにも関わらずこのシリーズが更新されないので、
「もしかして打ち切り、もしくはあの時点で完結なんだろうか…?」なんてことを考えてました。


そんなある日、この動画が竜宮小町のマイリスに入っているのに気づいて驚きました。
この3人がPの担当ユニットで、小町とぶつかることになるのだろうかなんてふうに予想して、
同時に竜宮小町の物語にまだ続きがあったということに喜びを覚えました。

そして今回、ついに発表された完結編。
それは律子視点でこれまでの物語を振り返ると同時に、彼女のその先を描くものでした。
ここまではサムネも三連続いおりんで、律子はあまり前面に出てこない感じだったんですが、
やはりというかなんというか、この物語は律子のためにあったんだなぁという安堵感のようなものを覚えました。
もちろん伊織や亜美やあずさのためって部分も無かったわけではないでしょうがw

話の流れとしては、
律子が竜宮小町をプロデュース開始(SMOKY THRILL)

あまとうに負けた竜宮小町がPの手を借りて再起(放課後オーバーフロウ)

竜宮小町、ジュピターにリベンジを果たす(Defection)

IA大賞をかけて、Pのユニットナムコエンジェルと頂上決戦(君の神話+今作)
ってとこでしょうか。
ぶっちゃけたところ、ここまでは僕としては「そうでもない」感じなんですよね。
ここからは偏屈者の戯言程度に受け止めてほしいんですが、
実はPS3版で公式にも取り入れられた、プロデューサーによる竜宮の救済ってシチュがあんまり好きじゃないんです。*1
僕はゲームをプレイするときもそれほどPを自分の分身としては捉えていなくて、
まして動画に登場するPなんてのはほとんどが全くの他人として見ているので、
「こいつの力がなきゃ竜宮小町は輝けないのだろうか」なんてことを考えちゃうんです。
竜宮には既に秋月律子というプロデューサー、しかも一応彼の先輩に当たる人物がいるわけで、
僕としては彼女と伊織たちだけの力で竜宮小町に立ち上がってほしいのですよ。
まあ公式で現にそれが叶わなかったわけだし、あの時点ではこういう形になるのが妥当なのかもしれませんが。

ただ、最後の竜宮765決戦の前に、Pを竜宮小町から切り離してほしかったなぁと。
彼にとっての第一はやはり765エンジェルであってほしいし、竜宮小町のプロデューサーは律子であってほしい。
だからDefectionと君の神話の間に、竜宮小町がPの手を離れ、彼が純粋に765エンジェルのプロデューサーとして立ち上がる……そういうパートが欲しかったです。
その方がきっと僕好みの展開だったなぁ、なんて。
同じPがいたから並べた、そこに律子が加わったから超せたっていうアンサーは嫌いじゃないんですがね。

でも別にこんな嫌ごとが言いたいから記事を書いたわけじゃなくて、
むしろここまでで終わっていたら、きっと「綺麗にまとめてくれました」なんて一言を添えるだけだったと思います。
じゃあなんで積み動画を崩す手を止めてまでこうしてキーボードを叩いているのかというと、
栄誉の「その先」に続く未来に心奪われたからなんですね。

律子に「もう大丈夫だから」と告げ、去っていく伊織たち。
「最高のお手本」であるPに、ハリウッド研修を断る旨を告げる律子。(流れ的にPが行くのが妥当な気もしますがw)
彼女は言う「やり残したことがあるんです」と。
そして歌う。
尊い日々は まだ終わらない
 そしてまた……」


次の瞬間、この3人が視界に飛び込んできたとき、全身がゾワ〜っと震えたのを感じました。
そこでそうくるのか、そこでその3人なのかと。
最近多用されすぎてるせいで逆に陳腐な言い方に聞こえそうですが、
「あぁ、これがいわゆる『鳥肌が立つ』という体験なんだな〜」なんてことを実感しましたね。
一年数か月にわたる竜宮小町の物語、
それだけではなく、秋月プロ律子ユニットが動き始めた「chace to shine」や、
さらにはそこに繋がる「ありったけの愛を込めて」シリーズ。
合わせて5年以上もの間トカチPの積み上げてきたものが、あの一瞬には宿っていたのです。
それはもはや未知の領域ですよ。それなりに長くニコマス見てきたけど、こういう種類の感動と出会ったのはきっと初めてでしょう。
だからこそ、あの瞬間にこの作品は新たな世界を見せてくれた傑作へと昇華したのです。

また、この展開に「空色デイズ」の歌詞が絶妙にマッチしているんですよね。
物語が始まった当初はこのカバー曲は存在しなかったでしょうに、
ここまで上手く歌と物語を噛み合わせてきたのはホントお見事としか。
「走り出した想いが今でも
 この胸を確かに叩いてるから
 今日の僕がその先に続く
 僕らなりの明日を築いていく」

トカチPのブログでの解説に、これまで律子をステージMADで使えなかったこと、
そして、これからはアイドル秋月律子の動画を作っていきたいということが綴られていました。
「律子とトカチPが築いていく明日を、これからも見続けていきたい」強くそう思います。

答えはそう、いつもそこに。

*1:エクストラエピソード自体はまだ未プレイなので、中身についての評価はできませんが