“彼”とこの世界を結ぶもの アイマスクエストⅣ 116話 「ピサロの夢」 感想


週刊マスクエがまだしばらく続く予定のようで、
めちゃくちゃ嬉しい反面、こんなにも幸せでいいのだろうかなんて考えたりw
そりゃ昔週刊ペースだったこともありましたけど、あの時とは一話当たりの時間もかかってる労力も違う訳ですしねぇ……
製作陣の方々のリアルの無事を祈りつつ、毎週楽しみに待たせてもらうとしましょうか。

※ネタバレ含みます!

前回で物語的にも一つ区切りがつき、さらにエスターク時代の話を挟んでから迎えた今回。
クライマックスに向けて徐々に収束していくカタルシスと、それでいて未だ先の見えないドキドキ感……その両方の味わいが実に格別でした。

今回は亜美がよかったね、うん。
いつものお気楽なノリでいたところに、「このままでは律子が帰れなくなるのでは……」という話を聞いて様子が変わり、

みんなの話の輪から外れて律子と向き合っていたところからずっと気になっていて、
その後一人になってから律子に話しかけるシーンでグッときました。

この顔グラチョイスも台詞回しも実に素晴らしい。
マスクエアイドルの中で一番かちこさも、おそらく精神年齢も低い亜美。
そんな彼女の、幼い子供らしいこういう姿が大好きです。
寂しさや思いやる気持ちを表に出そうとはしなくて、でも純粋ゆえに全然隠しきれてなくて……w
にしてもフラグは立ってたし、天空の剣強化のためにも亜美覚醒イベントは必要不可欠だったわけですが、
そのトリガーになるのが律子の危機だったというのはなるほどなぁという感じ。
春香&やよい、真&真美、千早&雪歩&伊織、美希&あずさ……とパーティ間に特別強い結びつきがあるマスクエですが、律子&亜美という繋がりもあったんですね。
原作ドラクエⅣだと特に接点も無いような組み合わせですが、マスクエだと新旧マスタードラゴンという要素があるからなー。

でもやっぱりシリアスに徹し切れない、そんなところがまたいいのです。
ああ、ホンッと亜美かわええなー。マスクエ界の太陽ですわこの子。
ギガモンとの間に生まれた絆は、マスクエだからこそやはり何か意味ありそうですね。
怪獣対決の予感が……w


勇者サイドでは、破邪の剣がやよいに渡ったことも注目点ですね。
一瞬美希がさらにチート化するのかと思いましたが、マーニャは剣を装備できないという当たり前の答えがw
春香→天空の剣、真→奇跡の剣、千早→キラーピアス、雪歩→はぐれメタルの剣という具合に他の物理攻撃キャラには既にイメージの強い武器がありましたし*1
残ったやよいに行き着くというのは妥当ですね。
それに、以前破邪の剣に関する美希の説明を聞いていたのもやよいだったし、
武具の効果を使った戦い方が上手い子だったし、
奇跡剣、はぐメタ剣、皆殺し剣を除けばトルネコ最強の武器だし、
何より破邪の剣に関わった閣下・真の両者と繋がりが深い子だったりと、いろいろと納得できる要因があります。

真がこの剣をやよいに託す形になるのもいいんだよなぁ〜。
2人の関係もそうだし、今まで春香や真に武器防具を渡す側だったやよいが受け取る側に回るというのもいろいろ感慨深い。

そんなやよいの姿に真は83話などで影響を受けていましたが、それが今回のシーンなどにも繋がっているんでしょうね。

追加効果はギガデインベギラゴンと変更になりましたが、武器の攻撃力がどうなっているのも気になるところ。
閣下が使っていたときは攻撃力+45どころではないように見えたんですが……w
いくら追加効果が強力とはいえ、少し攻撃力が物足りないからボーナスがついてるといいなぁ。

あ、あと成敗されたイムルの宿屋の話はマスクエイズム全開で笑いましたw
あれを破壊にしたのってギャグのためだけじゃなく、春香たちにピサロザリーの現状確認をさせないようにする目的もあったのかな?

勇者サイドはそんな感じで、後は今回の主軸だったピサロサイドの話かな。

何といっても、ピサロがエージェント訪問→ロレンスと会話の流れはビックリ。
「魔王すら頼るエージェントマジパネェ!」
「いろいろフラグ立ってはいたけど、直接会話に持ち込んだロレンスヤベェ!」みたいな感じでw

でもそれ以上に、2人の会話内容が今回最大の衝撃でした。

マスクエではアイマスキャラとドラクエキャラの人格が融合しているわけですが、
僕は特に意識せずとも、自然とそれぞれを「春香」「美希」などアイマス側の名前で表記しています。
でも、プロデューサーと小鳥さんだけは「ピサロ」「ロザリー」という表記になるんですよね。
それにはいくつか考えられる理由がありまして。
例えば、彼らが現実世界で親しいアイドルたちと距離を置いてまで、
「魔族の王・ピサロ」「ピサロを癒すエルフ・ロザリー」というそれぞれの世界での役目を果たそうとすること。
(社長は自然体だったのであんまり気にならなかったです)
それから、彼らを取り巻く周囲の環境。
アイドルサイドだと千早なんかはアリーナ側の影響が強くでているキャラですが、
彼女は雪歩や伊織など親しい者たちに「異世界の住人・千早」として扱われています。
一方ピサロはエビやヘルバトラーなどの関わりが多いキャラから「魔族の王・ピサロ」として扱われている、その違いが大きいのではないかと思います。
Pに関しては、元の性格がアイドルたちほどハッキリしていないというのもあるかな。
マスドラや閣下に対するトンデモ戦法や、時折見せる変態っぷりなど彼ならではの個性もいくつか描かれてはいるんですがw
……そんなこんなで僕はピサロもプロデューサーも一緒くたにして「ピサロ」と呼んでいたんですが、
しかし今回は、「プロデューサー」としての彼の心情が取り上げられたわけです。

よく考えると、原作ピサロならエージェント=人間の手を借りるなんてことはしないだろうし、
そもそも、魔物を抑えて人間との共存を目指すなんて発想が出てくるはずが無い。
ロザリー死亡前から、彼は人間を根絶やしにすることを目論んでいたわけですし。
そんなわけでマスクエピサロの行動には非常に「プロデューサー」人格の影響が強く表れているはず。
しかし彼がどういうことを考えているのかというのは、実のところあまり意識したことがありませんでした。
人間との共存を図るのも、「元の世界では『人間』である彼が人間を滅ぼす選択肢をとれるはずがないだろう」なんて当然のように考えていました。
だから今回、「彼とこの世界の人間との間に接点が無い」という事実を突きつけられて呆然としました。
言われてみればその通りであり、そして元々この世界をゲームのように捉えていた彼が、
アイドル以外の人間たちに義理立てする理由はなんら無かったわけです。
そしてだからこそ、きっかけがあれば人間に対して容赦なく非情になれるという……。
ホントなんで今まで気づかなかったのかな〜。盲点だったなぁ……。
何にせよ「プロデューサー」という人格に、
そして彼と、魔物でもアイドルでもなく「ドラクエ世界の人間」との関係に焦点が当たったというのは僕にとって衝撃的だったのです。

そんなプロデューサーと人間との懸け橋となる大役として、まさかあのロレンスが選ばれることになるとは……。
NPC勢で唯一8章でもキーパーソンであり続けた彼ですが、いやもうどこまで出世するんだよw

社長からその役目を託された、というのはなかなか痺れますねぇ。何だかんだで社長が一番のピサロの理解者だったんだろうなぁと。
「居なくなられてはもう、断れないじゃないですか」と言い放ち、
「荷が重すぎますよ」と嘆きながらも当たり前のように約束を果たす気でいる、そんなロレンスはやっぱいいキャラしてます。
そりゃ社長もティンとくるわけですよ。
しかし想像してみるとロレンスPは普通に敏腕そうですね。
美希をトラックから庇い、ハニーと呼ばれつつ一緒にトップアイドル街道を駆けあがるところまで想像できてしまうw


魔物の凶暴化がロザリー捜索の妨げになっていることから、ついに腕輪の力を使ってしまったピサロ
ドット絵の禍々しいオーラが恐ろしくもカッコいいです。
ヘルバトラーすら退却した中でエビがこの距離まで近づいているというのが、「エビ>ヘルバトラー」いう力関係を表していますね。
ヘルバトラーもマスクエ界トップクラスの強さなだけに、エビの本気がどれほどのものか気になるところ。

闇で魔物を抑えたピサロの目的に、かつてのエスタークの行為の再現があるというのはまた絶妙です。
エスターク外伝で「エスタークは魔物を抑えた」→「失敗に終わった」という風にやたらと端折られ気味だったのが初見時は引っかかったんですが、
なるほど現代でその展開をするための布石になっていたとはな〜。
ピサロが魔物の抑制のために腕輪を行使する可能性は示唆されてはいたので、勘の鋭い視聴者ならもしかしたら気づいていたりしたのかな?
そしてこの先の展開が、「プロデューサー」から「ドラクエ世界の人間」への感情に影響を及ぼすことになるんでしょうね。
正直なところ、悪い意味でのいろんな想像ができてしまうのが怖いところだなぁ……。

*1:そもそもアリーナとクリフトは、たぶん破邪の剣を装備できないんですがね