クライマックスが見えてきた!? アイマスクエストⅣ 118話 「 魔王 対 勇者 」 感想


サムネの雪歩が大天使すぎる件もそうですが、
それ以上にサブタイトルにまず驚かされました。何だこの最終回みたいなノリは!?…って感じでw
そんなわけで、視聴前から既にドキドキを隠せない一話でしたとさ。

(以下ネタバレ含みます)
前回の引きから続き、前半中盤10分ほどはひたすらバトルシーンの連続。
毎度当たり前のようにバトルシーンで長時間持たせてくるのは何気にめっちゃ凄いですよねえ。
マスクエの戦闘描写の面白さについてはいつか語ってみたいので、そのうち何か記事書くかもしれません。

千早・やよい・雪歩組は、「inferno」が流れる瞬間の高揚感がやはり素晴らしい。
真登場時の迷走Mindといい、美希登場時のrelationsといい、やはり専用BGM的なものには否応なしに熱くさせられますね。

そしてそのinfernoに合わせて、千早が次々と敵を屠っていく様が実に爽快。
マスクエだとどうも真に比べて劣る感がでちゃう千早ですが、
こういう魅せ方はスピードアタッカーの彼女ならではですね。

やよいは相変わらずの勇者に対するまっすぐな信頼が心地よい。
戦闘面でも強化版破邪の剣で大幅に強くなっていて嬉しかったです

冒頭のステータス画面を見る限り、破邪の剣(ベギラゴン)の攻撃力は95ってことでいいのかな?
FC版だと呪い武器を除けばはぐれメタル剣・強化版天空の剣・奇跡の剣に次ぐ数字ということで、割と無難な落としどころですかね。
しかしこめた魔法で攻撃力も変動するのなら、ギガデインのときはどのくらい攻撃力だったんだろうか……

雪歩のベホマラースクルトの後に見せる千早のこの笑顔、たまらん。
顔グラの演出はやはりマスクエの肝ですね。


ソロでギガモン相手に持ちこたえる春香さん。
vsマーニャのときといいコーミズ防衛戦のときといい、最近こういうの多いですねー。
マホカンタルカナンを防いでから、防御とベホマを巧みに織り交ぜる耐え方とか見てると春香の成長っぷりをひしひしと感じますね。
閣下なら避けてからライデインで反撃くらいやってのけるのかもしれませんがw

ギガモンのアクションは何かもうやりすぎだろって感じ。チームておくれのドット絵班は化け物か……ってもう何度言えば済むのやらw


亜美真美の相手はまさかのベリアル。
亜美の「ベホマ詐欺」が、亜美とベリアルが100話で戦ったときにMP切れでベホマ使えなかったのが由来だってことに気付いて無さそうな人がチラホラいてちょっとビックリ。
ベリアルはホント今回なんのために出てきたんでしょうね?
大魔道に明確な目的があったのか、
それとも単なる足止め+ておくれPの遊び心だったのか……w


各サイドがピンチに陥ったところで、満を持してベホマズンのお披露目。
この演出自体は凄く良かったんですが、乙女大使の選曲にはどうも違和感が残りました。
バトルの中で積極的にコメディ的ノリを絡めてくるのはいつものことなのに、なんでだろうなーと考えていて、
ここの春香さん(特に最近)に、乙女大使の明るく弾ける感じが個人的に今一つそぐわないのかもしれないという結論に行き着きました。
まあコメントでツッコミとか入ってるわけじゃないので、引っかかってるのは僕くらいかもしれませんが。

ベホマズンは超強力ですが、消費MPの多さを見るといざというときだけの切り札って感じになるかな。
マスクエの戦闘はMPにかなり気を使っていますし、
さらに勇者はデイン系やニフラムみたいな光魔法(?)を要求される場面も多いですし。
やっぱり回復の核としてはこれからも雪歩のベホマラーが主となりそう。
ってか雪歩が魔法封じられるだけで緊迫感が物凄く増すんだよなぁ……。


今回何気にかなり嬉しかったのがこのタッグを見れたこと。
2人組の戦闘シーンは割と多いマスクエですが、たぶんこのペアは初めてのはず。
後見てみたいのは美希と伊織の魔法使いタッグくらいかなー。
役割が被る分、2人だけの状況になる可能性は低そうですが……。

でも相手がギガモンだと知らず、容赦なくメラゾーマをぶっ放す美希の姿はやはり見ていて悲しいものが。
(コメ有りで何度も見返していたときに「ギガモンと美希の戦いが野球に見えてきた」ってコメントでちょっとだけ吹いたけどw その発想は無かった。)

そしてこれ以降一言もしゃべらず、ドット絵もほとんど動かなくなるのがなー……
ドット絵が足踏みを止めて固まる演出はもうマスクエの定番って感じですが、何度見てもグサッときますね。

そしてここからのピサロと春香の会話が今回一番の注目所ですね。
今のマスクエにおいて、最も強く深く物語の手綱を握っているこの2人。
たぶんこうも勇者・魔王という立場を意識して深く話し合うのは初めてのはず。
というかもしかしたら会話自体初めてな気も!?
ピサロは閣下とは何度か話してるけど、春香と言葉を交わしていたところは全く思い出せない……w
(5章1話で、春香が目覚める前のかっかと詩人に扮したピサロの会話はありましたが)


ピサロの行き着いた結論自体は前回・前々回で示唆されていたのでまあ順当なものですたが、
ここでゾーマのセリフをもってくるのは鳥肌もの。
画面が暗くなる演出も相まってめっちゃドキッとして、たぶん画面の向こうの春香と同じような表情をしてたかとw

何度繰り返しても悲しみと不幸の連鎖を繰り返す人間の姿に対し、
人間を滅ぼすことでそれを断ち切ることが善でないかと説くピサロ
それでもいつか人間が変わっていける可能性を信じて戦う勇者。
このシーンでどちらが一方的に間違っているともいえない、どちらにも感情移入できるのが、
ここまでの物語の積み上げの上手さを示していると思います。
もしこれが逆の立場だったら、Pが一方的に叩かれそうな気がしないでもないけどw
やっぱこういう愚直に希望を信じ続ける役目は未熟な子供だからこそって感じが。

そんな2人の立場の違いを象徴するピサロの台詞。
エスターク物語の閣下とアークがダブったのは自分だけじゃないはず。
サブタイトルの「魔王対勇者」は、対の存在としての魔王と勇者ってことなのかなーとここで気づきました。
ところで勇者よりも魔王の方を先に表記したのは何か意図があるんだろうか?


今回一番度胆を抜かれたのは間違いなくこのセリフ。
「閣下を消して、ピサロを討ちに行く……ってえええ、それもうクライマックスじゃん!」みたいなw
8章ももう22話まできたけど、なかなか落としどころが見えてこないな―と思っていたんですが、
ここに来て急にクライマックスへの道のりが照らし出された感じでした。
確か当初の予定では8章は全27話くらいでしたっけ。
流石に後5話で風呂敷を畳むのはかなりキツそうなんだけど、う〜んどうなることやら……。

それに、「最終決戦前に閣下を消す」というのも衝撃でした。
何せこれは「閣下列伝」なわけですから、
どういう形にしろ、最後は春香と閣下の絡みで〆るものだと今まで当たり前のように思ってたんですよね。
しかしこの発言を見て、クライマックスで閣下が完全に不在なんていう状況になる可能性もあるのかと。
この直前に、「春香のやろうとしていることは、閣下を超えるということだ」という話が出ています。
それを本当に実現するためには、閣下を完全に断ち切ってしまうというのもあり得ないことではないよなあ……
というか春香が閣下を超える展開って、よく考えるまでもなく凄い話ですよね。
だってこれはDQⅣ」の二次創作で、春香は「DQⅣの勇者」で、閣下は「DQⅢの勇者」なわけですよ
本来ドラゴンクエストシリーズはⅢ-Ⅰ-Ⅱのロト三部作、Ⅵ-Ⅳ-Ⅴの天空三部作という風に分けられて、
ⅢとⅣは完全に別の軸で展開される話だというふうに区切られています。
しかしマスクエはⅤ以降の作品を物語に全く絡めず、Ⅰ〜ⅢとⅣをつなげて物語を作っている。
そして発売日順では最新、かつロト三部作の根本に位置する存在である「Ⅲの勇者」を、
ロト三部作の続編であり新たなシリーズの幕開けである「Ⅳの勇者」が超える展開。
本来は途切れていたものをこういった形で繋げてくるというのは、
1人のDQファンとして物凄く素敵なことだなあと。
ほんとマスクエはDQの二次創作としても秀逸な作品なんですよねえ。

そして実際問題、Ⅳ勇者春香が閣下を超えるにはどうすればいいのか……。
そのアンサーに繋げるために、114・115の前後編が必要だったんじゃないかと今になって思います。
あそこら辺の話を踏まえると、なんとなくておくれPの用意したアンサーが見えてくる気がするのです。

今回は一先ずこんなところで。素敵な結末を祈りつつ、次回以降も楽しみに待たせてもらいます。