そこにいるのは紛れもなく「アイドル」であった アイマスクエストⅣ 122話 「ラストコンサート」 感想


「総容量が減って投稿できなくなった」という件を聞いて、もしかしたら一か月延びるのかな……と考えてたら、ておくれベスPが代わりに投稿してくれたw

一ヶ月待つくらいなら十分慣れてるんだけど、
おそらくアイマスエストという物語の大きな区切りとなるであろうこの回はどうしても今年中に見たくて、
これを見ないことには僕の2012年は終われない様な気がしたのよね。
今回にかける意気込みの漏れっぷりなんかを見ると、ておくれPもそうだったんじゃないかなーと邪推してみたり。

(以下ネタバレ含みます!)

最終決戦前の思い出作りであり、各々の決意表明であり、そしてこの世界に生きた証を刻む回であった今回のコンサート。
これまでの物語を彩ってきた楽曲たちが次々と続いていくその様は、まさに「楽曲が織りなす物語」の本領発揮という感じでした。
ドット絵芸による演出もいつもながら力入ってましたねー。バックのNPC演奏陣が力入りすぎであるw

1周目はアイドルたちの素敵っぷりにただただ惚れ惚れと魅入るのみだったんですが、
2周目になると、気がつけばごまえーを、iを、悲しみはこんにちはを、彼女たちと一緒に歌っていました。
自分でも意味不明な反応だと思うんですが、何故かそうせずにはいられなかったのよね。

ともかくそんな調子で見ていたラストコンサート、セットリストに従って振り返っていくとしましょうか。

01.迷走Mind(真)
02.inferno(千早・雪歩)

いきなり2大マスクエソングである。まさに最初からクライマックス。
この2つはもう聴いていると自然にマスクエの情景が思い浮かぶレベルなので、個人的にはもう別格って感じですね。

真は相変わらず凛々しいなぁ。
彼女の決意については既に分かっていたことだけど、この曲をバックに述べられると改めていろいろ感じさせられるものがありますね。やはり6章は偉大である。

千早のはしゃぎっぷりがとにかく素敵。infernoでこんなパフォーマンスやっちゃうのがここの千早なのだw
雪歩の言うように、誰よりもこの世界の記憶を無くしてほしくないアイドルですねこの子は。
でも雪歩にも無くしてほしくないよぉ(´;ω;`)
2章組は是非3人一緒に記憶を持ち帰って、思い出話に花を咲かせ、そして願わくば3人一緒に歌を……。

03. 隣に…
04. マリオネットの心


美希の決意と「強さ」が実に心震わせますね。
最近はあずさが美希を支えているような形が多かったけど、今回は美希があずさを引っ張った。
こういう支え支えられの関係がこの姉妹の魅力でしょう。
きっと美希の方がお姉さんというポジションだからこそこういう関係になれたんだと思う。ホント絶妙な配役だったんだよなぁ。

05. フタリの記憶


ヒ○の無い伊織は新鮮というか、ちょっと違和感が付きまとうなぁ……なんて思ってたらこの台詞がw
フタリの記憶はやはり伊織の優しさが滲み出た名曲でありました。
ヒ○が生えたジ○イになったとしても、やっぱりいおりんは熱くて優しくて仲間想いでマジ最高なのです。

06. 魔法をかけて!

千早とパノンの悪戯心にワロタw というのもあるけど、
それ以上に、律子が活き活きとしているのを見ると心から嬉しくなりました。
よりにもよって馬、それも神の化身なんて面倒なものと融合して、物語のうちでも外でもいろんな秘密と気苦労を抱え込んで。
マスクエ律子に思いを馳せたとき、どうしても困り顔や仏頂面が先に浮かんでしまいます。
そんな彼女が、この世界に生きた証を残そうとしたことが何より嬉しいんですよね。
律子にとってこの世界にきたことは、決して「ただの面倒事」ってだけでは無かったんだなぁと。

だからマスドラには、絶対に律子の歌声を胸に刻み込んでもらわねばならないのです。忘れたりしたら無限トロッコの刑だぞ……。

そうそう、律子&マスドラといえば、2人が閣下の正体を前から知っていたということが今回名言されてすっきりしました。
知らずに彼女をああいう風に扱っていたのか、知ったうえであえてああしていたのか、何気にずっと気になってモヤモヤしてたのよねw

07. GO MY WAY!!

この辺りから僕の涙腺が脅かされてくるw

エンドールのステージでやよいがごまえーを歌う」というのは今までの積み上げからして格別だなぁ、と思っていたら観客のあの反応である。

そりゃやよいも泣くわ。そしてそれを見た僕も当然泣くわ。

もうね、この光景を見ていたら、やよいだけは何があっても絶対にこの世界を裏切らない・愛し続けると確信できました。
そしてずっと歌と踊りにこだわり続け、最後の最後でこのステージを作り上げたやよいは、この世界においてはほかの誰よりもアイドルだったと思うのですよ。

もうやよいの物語としては今回の時点で大満足なんだけど、
まあせっかくネネさんが強力装備を用意してくれたことだし、これからの戦闘回でも見せ場があるとなお良しですねw

08. i

「i」といえば78話の真を中心としたオールスター歌唱はマスクエ屈指の名シーンですが、
改めて、今度は真美メインで披露というのもいいものですね。やはりこの歌詞と6章の重ね合わせは反則である。

あと亜美真美のアイコンタクトにキュンときました。
「おそらく元の世界では2人1組で活動しているであろう2人が同じステージに立てるのは、この世界だからこそ」そう意識すると、この表情にいろんな意味を見出しちゃって……。

09. まっすぐ


もう亜美は8章の間にどれだけ株をあげれば気が済むのか。ルーシアがピアノを弾いているのも合わせてグッときた。
かけてあげたい言葉は数えきれないほどあるけど、とりあえず「春香にバトンを繋いでくれてありがとう」と、そう言って頭を撫でてあげたいですね。

この歌と表情にこめた亜美の祈りが、
アイドルたちに、ピサロと魔物たちに、そしてこの世界に生きるすべての人に届きますように。

10. 花

うおおこの流れでこの曲は反則やでえ……。
自然と小鳥さんの去り際がフラッシュバックして、

無人のはずのステージ上で小鳥さんが立ち、歌っている姿が浮かんでくるのです。
ライブの中にこの歌を取り入れてくれたのが凄く嬉しかったし、
視聴後に後書きを見たら、ておくれPがこの曲もセットリストに数えてて痺れました。
やっぱりロザリー小鳥もアイドルだったんだよなぁ、うん。

そして視点は、春香の物語へと。

賑やかなライブの、その裏側で。
「隣に…」の愛に、「マリオネットの心」の激情に、「フタリの記憶」の優しさに、「花」の慈悲に合わせて語られていった、春香の心の行く末。
滅びた村で一人寝転がる。
地獄の帝王の苦しみを思い出す。
「作戦:いのちのだいじに」。
スタンシアラ住人との会話。
その一つ一つが僕の心を締め付けてきました。


しかしホント、NPCの台詞の拾い上げが憎らしいほど上手いなあ。
この言葉、この問いかけが今の春香にどれだけ重くのしかかってくることか。

「『世界か、プロデューサーか』ではなく、『全て救うか、逃げるか』」という春香の発言には疑問符が浮かんでいたんですが、

うっわー、そうくるのか……。
世界とPのどちらかを選んでしまうよりは、春香の心情的に楽な結論なのかもしれません。
でも、でもそれはあまりに残酷な決着の仕方ですよ……。もうどんだけ僕の心をかき乱せば気が済むのか。

そりゃそうだ。怖いに決まってる。まして地獄の帝王の苦しみを知っている春香ならなおさら。
春香が今どれだけの恐怖と、孤独と戦っているのか、想像するだけで胸が痛いです。でも見ないわけにはいかないよね

というかこの春香の姿を見ていると、多少事情が違ったとはいえ、この選択を実際に遂行した美希がどんだけトンデモなかったのかを再認識しちゃいますね。
あのときの彼女も、やっぱり見えないところでいろんな負の感情と戦っていたんでしょうか。

そんな春香を突き動かしたのが、名脇役の暗躍により届けられた一通の手紙。
ここであの子を拾い上げてくるのがまた憎いですよね、うん。

55話のこのシーンは、5章の間ずっと閣下の陰に隠れ、闇の中でもがいていた春香が、
初めてグッと前面に出てきて、そして勇者としての第一歩を踏み出した名シーンでした。
しかし今になって改めて振り返ると、「このとき光を使っていなければ、今こんなに苦しまなくて済んだのに……」なんてことを正直考えちゃいます。
でもそうじゃない。このとき1/3の光を消費したのは、一人の子供を助けたのは、ちゃんと意味があったんですよね。
ルビスの光は、春香が心から思ったときにだけ出せるもの。
それを「名も知らぬ一人」を救うために使ったというのが、勇者かっかの、天海春香の全てなのでしょう。
うん、美しい着地だと思います。

11. 悲しみよこんにちは

そして勇者はきらめく舞台へ。

「勇者様」コールの中、満面の笑みで歌い踊る春香。

アピールなんかも決めちゃったりして、その姿はまさにアイドルそのものでした。

しかしずっと公式曲できておいて、ここで「悲しみよこんにちは」を持ってくるかー。

八章は春香のこの歌のために。

と、ておくれPがおっしゃっているように、この歌を春香に歌わせるために今までの春香の物語があり、そしてここが一つのゴールだったんでしょうね。


その内容はまだ春香の胸の中だけど、けれど今回できっと決意の方向は固まったのでしょう。
さあ、これでいよいよルビスの光を放つ準備は整った。整ってしまった、とも言える。
次回の・来年以降のマスクエは、いよいよ厳しく辛い最終決戦へと突入してしまうわけですね。
ルビスや大魔道の思惑。
まだ未回収のさまざまな対決・死亡フラグ
予言と世界が向かう先。
そして春香とアイドルたち、それにピサロが迎える結末。
気にせずにはいられない、恐ろしい案件がまだまだたくさん残っています。
けれど、今このときは、もうちょっとアイドルたちの歌と踊りに浸っていたいです。
だってシリーズ開始から5年経って、ようやく全員で、全力で「アイドル」となったステージ上の彼女たちは、眩しいほどの輝きを放っているのだから。