週マスpts記録更新に際して、ニコマスの現状を再考してみたり


僕も即日更新しなかった程度には鈍っているのだけれど、

5年越しで週マスの歴代pts記録が更新されたというのに、イマイチ騒がれてない感がしないでもない。
今でもそこそこ再生数回ってるから、週マス自体が全く見られなくなったというわけでもないしなー。
最近の週マスはなぜかちょくちょくコメント消してるときがあるから、それで盛り上がりが見えづらくなっているってのもあるかもしれないけど。

ところで、このリヨさんの動画が新記録を打ち立てたというのは、ある種今年のニコマスを象徴する出来事であるように感じるんですよね。

この画像は、週マスデータwikiから引用させていただいた12月27日現在までの歴代のpts記録順位。
順位の左にマークがついているものは、なんと全て2012年に投稿された動画なのです。
さらに年度別のランクイン回数に分けてみると、

07年…2回 08年…7回 09…3回 10年…0回 11年…1回 12年…7回

となり、いかにこの2012年のニコマスがなかなかとんでもないことになっていたかが窺い知れるのではないでしょうか。
そしてそれを決定づけたのが、5年以上もの間誰にも破れなかったまこにゃんダンスの記録を、
かつて非常に近いところまで迫ったリヨ氏の新作が圧倒的大差で更新したというこの年末の出来事だと思うのです。

10、11年辺りの歴史的大ヒット作が出てこなくなった時期には、
「もうまこにゃんダンスの牙城を崩しうる動画なんて現れないだろう」と、そう僕は考えていました。
何せそれまでの長い週マスの歴史において、3万ptsの壁を超えたのすらまこにゃんとシビれの2作だけだったのですから。
それが12年に入ってこんな状況になろうとは誰が予想できただろうか……少なくとも僕には読めてませんでしたw
しかし、かなり主観混じりの話にはなりますが、
ベスト20に入ったものをはじめ2012年に大ヒットを記録した動画たちが皆ニコマス史を揺るがすほどの大傑作であったかというと、失礼ながら僕にはそう思えません。
ドリ音PのUtauyo!!MIRACLEがヒットした際にも似たようなことを書いたのですが、
・ランキング改訂によりかつてのアイマス動画が隔離されていた状況が解消され、再び全ての動画が同じランキング上に並ぶようになった。
アニマスなどの影響により、「アイマス動画を見かけたらクリックする」ようなライト視聴層が大幅に増加した。

というような感じで、総合ランキングで見かけたアイマス動画を視聴・マイリスする人が増え、 
結果的に、主にニコマス内部だけで動画を共用していたころよりも一部の動画が爆発的に伸びるようになったのではないかと。
「プロデュースしてあげるよ」にしたって、
再生時間が短い分回りやすいという利点はあれど、「シビれさせたの、は誰?」と1万ptsも差がつくほどクオリティの開きは無い気がします。そこを分けているのはやっぱり環境の違いではないでしょうか。

歴代トップクラスのヒット動画がガンガン生まれるようになった。
ではニコマスは全盛期の興隆を取り戻したのか? 幾度も囁かれてきた衰退論を撥ね退けたのか?
……おそらく今のニコマスを知る人なら、ほとんどは首を縦には振らないんじゃないかなー。
確かにアニマスMADや人力ボカロをはじめ、一部の作品は物凄い規模で見られるようになった。
でも一方で、PVや架空戦記・ノベマスといった旧来のニコマス主流文化は、少なくとも全盛期ほどの勢いがあるとは考え難いです。
特にPV界隈については、アイマス2発売や大規模イベントがあった昨年よりも大きく衰えが見られ、
ニコマスの歴史において最も活気が無かった一年であったように感じられました。あくまで個人的な意見ではありますが。
ともあれ自分のように、こういった旧来のニコマス文化を中心としている立場からすると、「ニコマスが盛り上がっていた一年だった!」とはなかなか言いづらいです。
ただ、物凄い数字を叩き出す動画が次々と現れているのもやはり軽視してはならない事実でして。
例えば、今までは主にニコマス内部ですげーすげーって言ってたアイマス人力ボカロ動画がニコニコ全体に広がっていったことなどは明らかに良い傾向のはず。
「今までのニコマス」はやはり勢いを落としてしまったのかもしれないけれど、
同時にそこから抜け出た一部の動画はかなりの広範囲にまで波及していって、全盛期をさらに凌ぐほどヒットし得る可能性がある。
何とも奇妙な状況ではありますが、少なくともただ衰退の一途を辿るだけではなくなったのが今のニコマスではないかなー、と。