とってもロマンティックな夏のお嬢さん


冬が一番似合うアイドルと言えば?と問われれば、
「そんなの雪歩に決まってるだろ!」と他の12人+αのプロデューサーを殴り倒してでも(誇張)主張する僕ですが、
一方それが夏となると、
「う、うんまあ夏の雪歩も超かわいいんだけど、他にも夏が似合う子はいっぱいいるよね」とやや謙虚にならざるをえなかったり。
そんなわけで、あとりえPがあの3人の中で「一番夏が似合う子」として雪歩をプロデュースしたのは意外だったくらいなのですが、
見終わってみればなるほど納得の雪歩チョイスだったと深く頷いたのでした。
「夏」というテーマが雪歩をとっても美しく鮮やかに彩っているのですよ。

とにかく一番感動したのが、冒頭とラストの対比構造でして。
2周目に入ってからようやくそれに気づき、思わず唸り声をあげそうになりました。


冒頭、一人ビーチステージで俯く雪歩。そしてそれをぶち破る真美、美希の登場シーン。



一方ラスト。今度は雪歩のそばに二人がいて、雪歩は顔をあげてこんないい顔をしてみせる。
この対比が実に上手いと思うのですよ。
要は冒頭の雪歩がラストのあの表情に至るまで、というのがこの動画の本旨だったんだなあと。
神SUMMERラストの日差しに手をかざすポーズは非常に印象的なので多くの人が覚えているだろうと思いますが、
その直前、一瞬だけ憂鬱気味な表情になるのをピックアップしてこういう構成にした。その着眼点が素晴らしいですね。

そしてこの変化に至る道筋として動画の中で語られるのがアイマス2のコミュシーンなわけですが、





ここで、アイマス2の夏服→冬服→夏服という衣替えの順序が絶妙に活きてるんですよね。
おかげで「夏に始まり夏に終わる」この作品と綺麗につながって、
駆け出しの夏。いろんな思い出を築いてきた冬。そして一つ大きくなって次年の夏へ……みたいストーリー補完がすんなりできるというものです。


ステージパートで特に素晴らしかったのは、3:07〜のアロハステージ。
雪歩が真美美希と一緒にこの常夏のステージに立った時の、これを待っていたんだというような胸の高鳴りに震えました。
なるほど誰よりも「冬」のイメージが強い彼女だからこそ、この瞬間のカタルシスが一層強くなるのかもなぁ。
それまでの真美・美希のデュオステージシーンや
2番に入ってからの冬服コミュシーンの数々なんかも、ここを盛り上げるための見事な“溜め”になっていたよう思えます。

あとはそうだなー。「ロマンティックあげるよ」という歌について。
コミュのシーンだと雪歩へと向けられているようなのに、一方ステージパートでは逆に雪歩が歌いかけてくれているように見える。
1周目の時点ではそんな何ともチグハグな印象を受けていたのですが、全貌を把握してからは、
「一つ成長したラストの雪歩が、冒頭の雪歩に向けて歌っている」そんな風に感じられるようになりました。

「もっとワイルドに もっとたくましく 生きてごらん」

「思った通りに叫ばなきゃ 願いは空まで届かない」

ロマンティックあげるよ ホントの勇気見せてくれたら ホントの涙見せてくれたら」

「トキメク胸に キラキラ光った夢をあげるよ」
……うん、こうして見ると実にナイスな選曲だったと言わざるを得ない。
昔の自分宛として捉えると、ステージの雪歩がちょっぴりお姉さんな感じに見えてくるのもミソですね。
僕は妹っぽい雪歩よりも姉っぽい雪歩の方が好みなので、いつも以上にその笑顔が輝いているように映ったのでした。

何より雪歩自身がとっても魅力的で、そんな雪歩に至るまでの成長(プロデュース)の過程もしっかり見せてくれる。
これぞまさに一級品のプロデュースって感じで、雪歩派としてはもう大満足な作品でした。
それに、雪歩の話しかしてなかったですが、美希と真美もよかったですよね。
雪歩の憂鬱顔を吹き飛ばす陽気な登場から、最後の3人ステージに至るまで
映像作品としても、雪歩の導き手としてもこの2人の果たした役割は相当デカかったはず。
彼女たちがいなけりゃ雪歩はきっとラストの表情には辿り着けていない。一人の雪歩ファンとして2人に感謝するばかりです。