君のためのラブソング


ここ最近、ブロガーさん数名の間で話題になっていたふぁるP。
存在そのものは認識していたし興味もあったんですが、実はこの前の動画はちょっと再生したところで見るのを止めちゃったんですよね。
なんでかというと、「アイドル愛が溢れすぎている動画」の香りがしたからでして。
僕も一人のアイマスファンだし、二次創作には原作への愛があってほしいと考えているので、作品やキャラへの愛を感じる動画そのものは大好きです。
ただ、中には特定アイドルへの愛があまりにも強く、前面に溢れすぎていて、作者とアイドル2人だけの世界を作り上げているようなものがあるんですよね。
そのこと自体は素晴らしいと思うんですが、個人的には「もうこれは何者も立ち入れない、閉ざされた世界だ」というように感じてしまって、どうも苦手意識が先走ってしまうんですよね。
ふぁるPの作品についても、動画の雰囲気や周囲の評判からそのようなタイプのものなのかなぁと受け取ってしまったわけです。

そして、今回の新作についてですが……いやー、もう何と言うかねぇ。
ここまでのものを見せつけられると、愛が溢れすぎだとか苦手意識だとかもうそんなことどうでもよくなっちゃってw
いろいろ思うところはあるんですが、つまるところ「世界でいちばん頑張ってる君に」を自分で歌って届けるというアプローチが究極すぎたのかなあと。

やっぱりね、これは「春香に送ってあげたい歌」だと思うわけですよ。
そもそもニコマスの歴史的にも、この歌はそういう存在だったはず。
ただ、MA2で春香がこの歌を、よりにもよってカバー曲屈指の名作になるレベルで歌ってしまったことで。
アニマスでみんなに優しくみんなが大好きで、みんなのために一生懸命な春香が描写されたことで。
その影響がアイマス公式、ニコマス双方に広がっていったことで。
いつのまにか僕の中で、みんなに向けて無償の愛を送る、「世界で一番頑張ってる君に」を歌う、清廉潔白マジ天使な側として春香のイメージが強くなっていったような気がします。

天海春香は、特にニコマス上において、他の誰よりも「彼女への愛を表現した動画」というのが目立つ子だと思っています。
ときにその熱さに濃さに深さにたじろぎ震えて呑まれてしまうほどに。
しかしそれでも、僕の中にある春香はここのところずっと「世界でいちばん頑張ってる君に」を周囲に向けて歌う側でした。まあこれは今気づいたことなんだけど。
そんな中、春香のカバー版でも、原曲でもなく、自らの歌声と手でこの歌を春香に送るというふぁるPの行為が、
「愛される存在」としての、ラブソングを贈られる側としての春香というのを思い出せてくれたんですね。
するともうね、前述のようにいろんなしがらみがどっかに飛んでっちゃったわけです。
それくらい純愛全開すぎる、僕にとってこれ以上のものがあるのだろうかというくらいのアプローチだったわけですよ、はい。
そして視聴後に胸を満たした思いを果たしてどう表現したらいいのやら。
感動というのも幸福というのもちょっと違う気がする。強いて言えば「尊敬」になるのかなー……。