「逆転裁判5」クリア後感想まとめ

逆転裁判5 - 3DS

逆転裁判5 - 3DS

先日のエントリーに引き続き、逆転裁判5の感想を。
こっちはシナリオやキャラクターについてネタバレ全開で書いているのでお気をつけください。

※8/16 DLCエピソード「逆転の帰還」と「クイズ逆転推理」の感想を追記しました。

システム・仕様

「◎=非常に良い、○=良い、×=悪い、△=微妙・どちらとも言い難い」で簡単に評価していきます。

インターフェイス
逆裁は昔から「ゲームに慣れてない人でも、説明書を見ずにプレイできるように」と配慮していますが、
今回も分かりやすく快適にプレイできるよう上手いこと整理されていたんじゃないかなと。
プレイ中ストレスを感じることはほぼ皆無でしたし。
具体的な例を挙げると、探偵パートの「調べる」の時のアイコンがチェックマーク付きになったのなんかは良い改変じゃないかな。

バックログ
めちゃくちゃ使いました。ホントありがたかったです。
むしろなんで今まで導入してくれなかったんだというくらいw

◎初回から台詞スキップが可能に
おかげでかなりサクサク快適なプレイができるように。
勢いあまって台詞を飛ばしちゃっても、同時に導入されたバックログで挽回できるのがまた大きいですね。

◎探偵パートの移動がどこからでもできるように
これも何で今までやらんかったんやって話ですね。
まあ今までの仕様でもそこまで手間が増えるわけでもなかったですし、
あの微妙なめんどくささもある種「逆裁らしさ」って感じで染みついてたんですがw

◎カンガエルート
これは意外にもかなりの良システムなんじゃないかなと。
今までプレイキャラが勝手に組み立てていた論理に参加できるようになった感じだし、
正しい選択肢を選んだときのSEや演出も爽快でなかなか気持ちいい。
主人公3人に各一回ずつという、ここぞの場面だけに出番が限られていたのもGOODかな。

○セーブスロットが2つに
2つ使う機会は無かったですけど、まあ無いよりはある方がいいよなとw
クライマックス付近のデータなどは時々見たくなるから残しておきたいですし。

○ココロスコープ
今回の目玉新システム枠。
正直逆裁のシステムは2のサイコロック導入まででもう完成されていると思うんですが、
まあ商品としてはやっぱり何らかの追加要素が無いといけないんでしょうね。
「感情の矛盾」を見つけるというシステムは逆裁の趣旨に合ってますし、
矛盾だけじゃなく感情の大小で見分ける、暴走などバリエーションも豊かで、
今までの追加システム(「みぬく」など)に比べるとよく出来ていたんじゃないかなと。
相手検事の理解があったからとはいえ法廷であっさり受け入れられすぎな気がしますが、
そこをツッコムのはまあ野暮ってもんかな。
ただ、ココロスコープの登場頻度が多いせいで、
「証拠で証言の矛盾を暴く」という逆裁の本来の楽しみがちょい割を食っていたようにも感じたので、もうちょい出番抑え目の方がよかったかも。

○「みぬく」の仕様変更
前作の不満の一つにこの「みぬく」が気に入らなかったというのがあるんですが、
今作は簡素化され、さらに探偵パート中心のシステムになったという改変のおかげで悪くなかったなと。
探偵側だとこれが適度な刺激になってくれるのよね。

×「調べる」が特定場所でしか出来ないように
わりと作業感の強い探偵パートにおいて、
いろんな場所を調べて愉快な掛け合いを楽しむことは最大の楽しみだと思っていたので、この仕様変更は大変残念。
恒例のキャシゴ論争とかは流石に抑えてくれてたけどね。
せっかく新ヒロインのココネも魅力的なキャラになって、
背景もいつも通り遊び心を感じさせてくれるものがあったから*1、やっぱ調べれないのは寂しいなと。
事務所や妖怪横丁、学園廊下辺りはいろいろ調べてみたかったのう……。

×アニメーションの導入
アニメ自体があんまり肌に合わなかったというのもありますが、
特に本編の途中に挟まれるとテンポが悪くなるし、
劇的に強調しようとしているもののかえって滑っているように思えてこりゃないわーって感じでした。
入れるにしても、せめて各話の最初と最後だけにしてほしいです。

△探偵パートの完全作業化
探偵パートが毎回、「次は○○に行ってみよう」「あの証拠品をつきつけてみよう」と指示されるようになったことで、完全に作業をこなすだけみたいになっちゃったなーと。
おまけに探偵メモなんていう攻略本までありますしw(ほとんど使わなかったけど)
まあでも元々作業感のあるパートでしたし、
余計な悩み時間を削ってこれくらいサクサク進ませるのもこれはこれで悪くない気が。
突きつける物の指示まで完璧に指定されちゃうのは流石にやりすぎな気もしますが。

△キャラクターのポリゴンモデル化
なかなかよく作られていましたが、
静止画状態でどっちが魅力的かというと、やっぱりまだ平面のイラストの方が上かなと。
でも動かしてみるとポリゴンもなかなか魅力ありましたし、
演出の幅も広がるので、変更したことによる利点があったのもまた事実。
まあどっちがいいかっつうと、結局今までの2Dイラストの方を取っちゃうんですが……。

成歩堂・御剣らのボイスが本職声優に変更
アニメが入った兼ね合いでの変更なんでしょうかね。
あの慣れ親しんだタクシュー・岩元声じゃないってのはちょっと寂しいですが、
いい具合に「歳を取って成熟した2人」という感じがでていたので、そんなに悪い気はしませんでした。
王泥喜君とかは正直あまり昔の声が印象に残ってなかったので、特にいいとも悪いとも言えない……。

シナリオ

何と言ってもよかったのは成歩堂王泥喜・心音の3者視点によるトリプル主人公制ですね。
もうあまり掘り下げようのない成歩堂一人よりもこっちの方が間違いなく正解だったんじゃないかな。
他の主人公の視点から客観的に見ることで、それぞれの魅力もより深まりましたし。

全体を通して、「4」を上手いこと処理しつつ綺麗にまとめたというだけでも絶賛ものなんですが、
ラストエピソードの盛り上がりが今一つ及ばず、
1・2・3や検事2に比べるとやや評価は落ちる
というのが正直なところかな。
あと、4話と5話が実質一つのエピソードだったこともあって、
ここ最近の作品に比べると何だか少しボリューム不足な気もしました。
ただ、これは難易度低下と台詞スキップのおかげで今までにないくらいサクサク進んだというのがあるから、
実質的なボリュームは従来と変わってないのかもしれませんね。ちゃんと検証したわけじゃないから分かんないやw

「検事2」では「親子」というテーマが全面的に押し出されていましたが、
今作でそれにあたるのはおそらく「親友」かな。
王泥喜と葵。心音としのぶ。そして成歩堂と御剣。
主役3人にそれぞれ幼いころからの友だちが登場しており、
他にも3話の3人組や真理とかぐやなんかもありましたね。
また、準テーマとして「師弟」というのもあるかもしれません。
成歩堂王泥喜・心音。真理と夕神。
3話の教師と生徒の関係なんかもこれを暗示しているかな。
こういうテーマに沿った作劇は検事2でも非常に良いものでしたし、
山崎氏のシナリオの一つの武器と言えるんじゃないかな。

しかし山崎さんのテキストについて触れると、仕方ないとは分かりつつも、
やっぱり巧さんの熱さとコミカルさが絶妙に同居した台詞回しに叶わんなぁと。
「検事」側ではフォーマットが違うし、
「検事2」でそれを跳ね飛ばすシナリオ構築力を見せたのもあってそこまで気にしてなかったんだけど、
同じ「裁判」シリーズの土俵だとどうしても比較しちゃいますねえ。
加えて、特にクライマックスで少々説教くさい言動が目立つのが気になる。
ラストの黒幕に対して、「絆が〜」と3人がかりで語り始めたのはちょっとだけ冷めちゃった。
言葉よりも、証拠品による矛盾・真実の指摘で真犯人を追い詰める方がやっぱり気持ちいいです。

あと、これは難易度を抑えようとした故なのかもしれないけれど、
テキストのなかにヒントを散りばめすぎで、「自分で謎を解く快感」が少々薄れているような。
例えば、肝心要な最終話の真犯人を指摘するシーン。
①「真犯人はそこにハシゴがあることを知っていた人物?」と成歩堂が考えた後、
②「“刑事”に指示されてハシゴを下した〜」という回想が入るんですが、
ここまで言っちゃうと、もうヒントが具体的すぎてほぼ強制的に気づかされちゃうし、
これよりも前に気づいていたとしても、
ここまで直接言われちゃうと、「俺が考えて解いた!」感が薄れて萎えちゃうんだよね。
①の時点で十分なヒントになっていると思うので、ここで止めておくくらいのバランスが丁度いいんじゃないかなと。

全体についてはそんなところで、後は各話についての個別感想を。
・「逆転のカウントダウン」
宣伝でも散々使われた「法廷爆破」のインパクトを押し出した感じでしたが、
後はまあいつも通り、このシリーズの1話らしいシンプルなエピソードでしたね。

ただ、いきなり体験版とは違う心音視点での驚きのスタート。
そして、ピンチになったところで劇的な成歩堂復活・登場演出。
既に怪我していたオドロキ君が、襲われてさらに負傷するというビックリ展開。
ココネは「幼馴染の親友を弁護」、
オドロキは「殴られて記憶喪失」と、どちらも成歩堂が過去の1話で通った道を辿る。
などなど、適度な衝撃やファンをニヤリとさせてくれる要素も盛り込んで、
後の話に繋がる要素も含んでいるなど、ツカミとしてはかなりよく出来ていたんじゃないかなと。

一つ気になったのは、成歩堂登場の前ふりとなるココネが絶望するシーンかな。
プレイ時はのちの展開への伏線なんだろうなーと思っていたけど、
今になって振り返ると、3話で同様の展開を克服していた心音がまたこういう状況になるのはちょいと違和感が。
まああの時と違って隣に頼りになる先輩がいない、孤独な状態だからってのがデカいのかもしれませんが。

・「逆転の百鬼夜行
「トノサマン」や「サーカス」的なはっちゃけ枠エピソードだと思うんだけど、
それらに比べると今一つ奇抜さが足りなかったような。う〜ん何でだろ。
「妖怪」って題材に僕がどこかジメジメとしたような印象を持っているからか、
村の風習とか合併問題とか背景があんまり明るくなかったからか、
オバチャンやトミークラスの愉快なキャラがいなかったからか……。

しかしまあ、グレート九尾の正体や登場人物の位置関係など、
最初から犯人が分かっていたエピソードの割には思いのほか逆転展開が多くて、
それなりに楽しめるエピソードには仕上がっていたんじゃないかな。
「市長=グレート九尾」と判明することで合併問題に関するイザコザも解消されそうで、後味のよい終わり方なのもいいね。
ただ、ゆめみちゃんの夢遊病が解決されないままなのは引っかかった。あれはあのままでいいんだろうか。

あと、美葉院さんが悪い意味で生理的に不快なタイプのキャラでちょいキツかったですw
まあそういうのもいてこその逆転裁判、って感じなのかもしれませんが。

・「逆転学園」
いつかは来ると思っていた学校舞台のエピソード。
1話と同じ被告人、「暗黒時代」のフレーズなどから、
「これはシナリオの根幹に大きく関わる話に違いない!」とプレイ前は思い込んでいたんですが、
終わってみれば結局これ一つでまとまった、独立感の強い話でしたね。
とはいえ一つのエピソードとしての完成度はなかなかのもので、
最終話系を除けば、歴代でも「逆転サーカス」に次ぐくらいのお気に入りになった気がします。

全体的に明るさはやや欠けた感じのエピソードでしたが、
その分シリアスでは学生3人の友情などなかなか感動的だったし*2
何より暗い雰囲気を撥ね退けるほど登場人物皆に魅力があるのが素晴らしかったですね。
報告係・性別・留年かつ不正とそれぞれ秘密を抱えた三人の学生、
特にまさかの7浪生静矢零くんは今作屈指の良キャラだったなとw
外野お騒がせ枠のアツメちゃんも面白い子だったし、
被害者の道葉さんも謎アートというさり気ない個性を出している。
犯人の一路も、あの滲み出るような腹黒さが何とも不気味で、最終話の「亡霊」以上におっそろしいキャラでしたw
豹変後あっという間に分かりやすいキレキャラになっちゃったのはやや残念でしたが、
黒板を使ったアクションは今作の犯人で一番面白かったのであれはあれでアリかな。

シナリオの展開も、
模擬裁判を利用して自然に被告人に凶器を握らせ、絶体絶命の展開に追い込まれる巧みさ。
3人の学生の秘密が次々明かされていく楽しさや、
疑念を抱かせた彼らの友情が確かなものであったと判明するときの感動。
シリーズ定番の実は現場は違う場所だったよトリック。
「コラシヅヤレイ」やナルホド像再現のくだりなどの、いい意味での逆裁らしいムチャクチャ感。
などなどいろんなエッセンスが詰まっていた実に濃いものでした。
山崎氏のシナリオの魅力は、
「検事2」のような個々のエピソードを上手く全体に結び付けることにあると思っていたので、
一つの独立したエピソードでここまでのものが作れるというのはいい意味で予想外、嬉しい収穫でした。

・「星になった逆転」
これまでの前ふりで楽しみにしていたオドロキ君の親友キター!
と思ったら死体としての登場だったでござる……。

話としては、5話と合わせて一つのエピソードって感じだからあんま語ることないなぁ。
(明らかに「はやぶさ」をモチーフにした話なのは、山崎さん辺りの趣味なのかな……とかくらい?)
被告人の無罪を立証するまでで終わって、
真相解明は次の話に持込みってのはちょっと斬新だったかもしれません。
というか本来の裁判なら被告人の無罪が決まればそこでもう終わりなんだけどw
これとはまた別のエピソードとして5話があるだろうと思っていたから、
てっきりこの事件の犯人は大河原か賀来のどっちかかと予想してました。

あと、何故か星成さんのため息が台詞スキップできない仕様だったのがスゲーうざかったです。
キャラそのものは嫌いじゃないけど、このせいでやたら悪い印象が付きまとってしまったw

・「未来への逆転」
まさか一日分だけで終わるとは思わなかったからすごくボリューム不足感がしたんだけど、
4話と合わせれば歴代最終話と同じくらいになるのかな?

爆破された法廷での裁判、っていうシチュエーションは最終話らしいドラマチックさでした。
このために法廷を爆破した面もあったんでしょうかw
(後はたぶん番が狙撃されるオチをやりたかったってのもあるかな。)
そこでココネ・ユガミという中心人物2人の過去を解き明かしていくのも熱かったです。
ロリココネちゃんの「お母さんが壊れちゃった。修理しなきゃ……」は、
その内容も、ココネちゃんのサイコな表情もインパクト抜群でゾクゾクしましたわ。
あそこから、ココネとユガミ2人の無実を同時に証明するところはまさに最高潮
しかし、そこをピークとして真犯人との対決に向かうにつれやや盛り下がっちゃったかな。
番刑事も指摘する瞬間自体は盛り上がったけど、
因縁渦巻く事件の犯人としては少々キャラが弱かったのが痛かったかなあ。
「感情」をテーマにしていたからああいう無感情キャラになったんだろうけど、
んーでもやっぱ戦っていてあんま楽しいキャラでは無かったかな。
でも過去の事件に一つ決着がついたところで、
オドロキ君をもってきて現在の事件の審議に持ち込む流れは悪く無かったかな。
別の事件の裁判を同じ裁判内で行うのがおかしいとか、
そもそも非公認の裁判で決着つけちゃっていいのかとか思うけど、
まあその辺は「逆裁だから」で済んじゃうというのがこのシリーズよねw

あと、事件解決後のやり取りがやけにあっさりしていたのもちょっと消化不良感が。
ユガミとココネのやり取りとかかなりグッと来たんだけど、
それだけにガッツリやってくれたらもっと感動できたんじゃないかなーと。
歴代恒例の集合図や、最後の証拠突きつけも無かったしなあ。
というか確か3話もそうだったけど、なんで事件解決後の証拠突きつけ無くしちゃったんだろう。
1話と2話ではちゃんとあったのになあ。よく分からん……。

そんなわけで、最終話にちょいと不満が残っちゃいまして。
最終話の評価はかなり作品全体に関わるイメージなので、
逆裁5は1〜3や検事2には劣るかなあという結論になっちゃいました。
でも、所々に「これぞ逆裁の最終話」という盛り上がりがあったのも事実で、
まあ及第点には達していたと言えるんじゃないかな。

・「逆転の帰還」
こういうシナリオを分割してDLCで売り出すやり方には賛否あるでしょうが、
その辺の話はまあ置いといて、とりあえず本編の感想だけを。

百鬼夜行」が今回のはっちゃけ枠かなーと思ってましたが、完全にこっちだったみたいですね。
シャチを弁護というとんでもシチュエーションに、
とにかく愉快で一癖ある各登場人物、
陽気な歌が鍵を握る展開等、これでもかというくらい遊び心の強いエピソードになっていて、「やっぱこういうのが一つあるといいよなー」と嬉しくなりました。

シナリオ展開も、
2日目の被告人(シャチ)交替。
後から出てくるキャラ(巣古森)が真犯人という定番パターンと思わせての……というひっかけ。
一日目でボツったシャチへの尋問が2日目で行われる。
シャチは実は二匹いたというドデカい逆転。
被告の無罪確定後、真犯人が実は殺人してなかったという新パターンのどんでん返し。
などなどいろいろと面白い作りになっていてかなり満足な出来でした。
ラストで、「帰還」がナルホドだけのことを指しているわけじゃないと分かるのも上手いなーと。
というか、この話って明らかに2−3(逆転サーカス)をオマージュした作りになってますよね。一年前に動物絡みの死亡事故。その秘密を抱える芸能集団。犯人が悪人じゃない+本来の標的とは違う、リーダー的人物を殺してしまう……等々共通点だらけですし。
そのうえで今回は実は事故死だった+姉のシャチも殺処分を免れていたとして、エピローグも含めサーカスよりも幾分救いのあるオチになっているのもたぶん意図的なものでしょうね。
個人的にサーカスは最終話系を除けば歴代最高傑作というほどのお気に入りで、それは悲劇性的な部分も含めての評価なんですが、この前向きで後腐れのない締め方もこれはこれでいいかなと。

キャラもみんな魅力的でよかったですね。
ぶっきらぼうだけど優しい+スナイパーが可愛い学とか、
歴代犯人一イイヤツ+「ディスリスペクト成歩堂」で笑わされた育也とかもよかったですが、
浦鳥さんが逆裁のマスコミ系らしからぬプロフェッショナル的真摯さを持った人で、最初の印象とのギャップも相まって凄く気に入りました。
あと、涼海さんが逆裁女性キャラ屈指のツボビジュアルで育也君マジうらやましい。
でも一番ドキッとしたのは、育也とぶつかったときの一枚絵のハミちゃんでした。立ち姿だとあんまり昔と変わってない感じだったけど、こうしてみるとだいぶ大人びた体格になったんだなーとw

ただ、一つひっかかったのが翔子と涼海どっちも心臓病ってのはちょいと都合よすぎじゃね? と。
2人が姉妹で、遺伝要素的なものだったとかにしとけば違和感減ったんじゃないかなー。
あと、5話クリアした後に番刑事を見るとやっぱり微妙な気分になっちゃうよねw

ともあれ、ボリュームも中身も十分で大満足な出来栄えでした。
これくらいのものが遊べるなら、400円どころか1000円オーバーでも余裕で出せますわ。
たぶん今回の一話だけでもう打ち止めでしょうけど、
もしもう一・二本遊ばせてくれるのなら次はオドロキorココネメインでお願いしたいな。
ライバル検事も夕神は見飽きてきたけど、他の候補が亜内・牙琉くらいしかいないのよね……w
まあ本編じゃないから牙琉検事でも構わないんだけど。

・「クイズ・逆転推理」
「帰還」用に買ったプリペイドポイントが余ってたので、ついでに買ってやってみました。
まあ暇つぶし程度には楽しめたけど、逆裁キャラじゃなきゃわざわざ時間を割いてやろうとは思わんかなーという感じ。クイズの内容にちょこちょこ逆裁要素を入れてくれるのはニヤリと出来てよかったかな。吾童山でどんだけ事件起きてんだよ、とw
本編の探偵パートで調べられなかった背景のいくつかを調べられたのもちょっと嬉しかったです。

キャラクター

全員について書くのはしんどいので、メインキャラを中心に書いておきます。
全体的に、宣伝でプッシュされていた旧作キャラがあんまり出しゃばってなくて、
成歩堂王泥喜・心音・夕神の4人を中心に展開されてたのがよかったなーと思います。
ただ、あれなら春美と牙琉辺りはサプライズとして伏せてくれてもよかった気が。
まあのちに配信するらしい外伝エピソードとの兼ね合いなんかもあるんでしょうが。

成歩堂龍一
あの「4」の後で主役復活と聞いて、
何事も無かったかのように昔のキャラに戻るんじゃないかなーと邪推していたんですが、
王泥喜・心音視点からは落ち着いた頼れる大人になっていてよかったです。
34にもなって全く進歩してないナルホド君とか嫌だしねw
本人の視点からはあんまり昔と変わってなかったけど、まあ許容範囲かな。
そうそう、夕神検事に、「あんたもう34のオッサンだろ」って弄られてたのはたぶん今作で一番腹抱えて笑ったやり取りでしたわ。

王泥喜法介
成歩堂視点からは成長を見守る弟子、弟分。
心音視点からは頼りになる先輩。
加えて親友や想いを寄せる女の子なんかも加わって、
「4」の頃が嘘のように凄く魅力的なキャラになったなあと。今作で一番株を上げたのではw
やっぱり「4」は本人そのものよりも、
完全に存在を喰いにいってる上司、敵対心の無いライバルなど、周りの環境が悪かったんですね。

事務所離脱やあの恰好の理由も上手く説明がつけられていてよかったです。
まさかジャケット、眼帯、体の包帯が全部別の理由だったとはw
特に眼帯の理由は親友殺しに関する疑念を抱えて苦しみつつ、
真実を追うことと仲間を信じること両方を守ろうとする彼の人柄が表れていてグッときました。ホンマ5のオドロキくんは男前だわ……。
親友との過去エピソードはちょいあっさりしすぎ感があったので、もうちょい掘り下げてほしかったかなー。
その方が、彼がカプセルを必死に守ろうとしていたことに対する感動なんかもより深まったと思うんだけど。

4での未回収伏線もあるし、ナルホド君よりはまだ彼の方が掘り下げ甲斐がありそうかな。

希月心音
弁護士として主人公にもなれる新感覚ヒロイン。
逆裁ヒロインにしてはスタイルが良く、見た目はちょっぴり大人っぽいけど、
今までの誰よりも激しい顔芸を披露してくれるというのも面白かったです。
まさか冥、牙流弟系列の「10代で法曹に〜」なエリートキャラがこんな風になろうとはw
モニ太が本音を付け足すのも本人の可愛らしさを引き立てていてよかったなぁ。
歴代ヒロインの中でも、真宵ちゃんに次ぐお気に入りになるくらいの良キャラでした。
ただ、「let's Do This!」のキメ台詞だけはちょっと外してるような気も。

強いて言うなら、オドロキ君と同様彼女のおとなしかった時代のことや、
過去の母親・ユガミなどとのやり取りももうちょいじっくり描写してほしかったなと。
その辺が最終話のあっさり感にもつながってるのかなあ。

かなり好きなキャラになったので、次から単独主人公にしてもそれほど悪くない気はするんですが、
逆裁ファンの客層的には女性主人公オンリーはちょっと厳しいかなw

夕神迅
「物凄く手強い検事」と謳っていたわりには大したことなかった印象ですが、
まあ逆裁のライバルなんて負ける結末しかない以上格落ちは避けられないからしゃーないかな。そもそも最初っから悪人じゃないタイプだしなあ。
歴代でもホントに手強いと感じたのは狩魔豪
後はギリギリ御剣と冥くらいだけど、まあその次くらいの厄介さはあったかな。
2話一日目裁判の妖怪騒ぎを利用しようとする下りとかはなかなか感心させられたし。

キャラとしては、最終話で見せた希月母子に対する忠臣っぷりがカッコよかったですね。
だからこそ2人との過去をもうちょっと掘り下げてほしかったかなー。

そういえば「法の暗黒時代」のきっかけとして、
彼の殺人と成歩堂の不正が挙げられていましたが、
今までも散々法曹関係者が不正だの殺人だのやってたやん!とツッコみたくなったw

・番轟三
ネタ成分が強すぎて糸鋸のような「ダサカッコよさ」は無いけれど、
3話探偵パートの窓から顔出すところで爆笑させられたり、
夕神検事に対する思いやりとか良い感じの関係で、
そこそこ魅力的な新刑事が出てきたなー……と思ったらまさかの黒幕w
一年前に死んでいたという本物もこういうキャラだったのかなやっぱり。

真犯人としては前述の通り、
シナリオのテーマとも合わせてこういうキャラになったのは分かるけれど、
イマイチ敵対心を抱きづらい微妙なキャラクターだったなと。
マスクを剥いで星成さんの顔が出てきたときは、
「まさか、ここからもう一展開あるのか!?」とビックリ仰天させられちゃったけどw
ちなみに僕が正体に気づいたのは、過去の事件の犯人が大人の男性と判明した辺りかな。
ここらでもう残ってる候補は彼と大河原くらいで、
第一死体発見者が大河原では無さそうだったから、もう番刑事以外あり得ないと消去法で気づきました。
意外性はありましたしそれなりに驚いたけど、
検事2という前例があったからまさかまさかの衝撃展開ってほどではなかったかな。

・森澄しのぶ
山崎氏の脚本は毎回、
黒幕候補としてプレイヤーが疑うようなカモフラージュ役を用意している印象なんですが、
今作ではおそらく彼女がその役だったんじゃないかなと。
2回も被告人になって4・5話にも出て来るとなれば、
そりゃもうこいつは重要なところに関わってるんじゃないかなと思っちゃいますよね。
7年前の事件と今回の事件の犯人が同じってところで流石に彼女の線は消えましたが、
それでも長いこと彼女に疑いのまなざしを向けてました。
あと、同じく黒幕候補として、
「無感情」というキーワードから導かれるロボット犯人説なんてのも考えたな。
調べてみると、自分のほかにも多くの人がしのぶとロボットを疑っていて、
みんな上手いこと脚本の掌の上で踊らされちゃってるなーとw

オドロキ君に好意を寄せるという面白いポジションも獲得しましたし、
この世界観を引きづって次作を出すのなら、次もまた見てみたいキャラクターですね。

御剣怜侍
この歳にしてまた黒化したらどうしようかと思いましたが、
成熟して安定感抜群のナイスミドルになっていて一安心でした。
夕神に対する上司っぷりなんかも何気に素敵で、いやー大きくなったなあと。

でもだからこそ、先日の記事でも書いたように、
やっぱり成歩堂と御剣にはもうこれ以上発展のさせようがないよなーと。
ここらでもうこの2人は一線から引くのがベストだという思いは変わりませんね。
御剣は検事2が綺麗にまとまりすぎていたから、
あれ以上彼の物語を盛り上げるのはもう不可能な気がするというのもある。

成歩堂みぬき
成歩堂の養女」という設定上出ないわけが無かった彼女ですが、
終始事務所でお留守番でほとんど見せ場無かったですね。
パンツマジックが可愛かったことくらいしか印象に残ってないですw
まあ今作のメインヒロインはあくまで心音だし、あんまり出張られても困るので仕方ないね。

牙琉響也
改めてみるとやっぱり普通に「イイヤツ」なんだけど、
でもやっぱライバルポジションとしては映えないなーというのが正直なところ。
彼と王泥喜が対決していてもワクワク感とか特になかったし、成歩堂と御剣のようにはいかんね。

綾里春美
んー、まあ順当に成長したなーと。
中身は元々おませさんだったから、歳取ってもあんまり変わってなかったですねw
あとはみちゃんのテーマはやっぱり名曲ですね。
流れた瞬間懐かしさやら何やらで胸がいっぱいになりました。

彼女を登場させたのは、単なるファンサービス以上に、
「綾里姉妹と成歩堂には今も繋がりがある」ことを改めてしっかり描写する意図があったのだと思います。
「4」でこんな状態の成歩堂に対して仲間たちは何をやってるんだーと言われて、
なかでも最も近しい御剣と真宵を描写してフォローを入れる必要があったから、
今作でこの2人を登場させて1〜3ファンに対するけじめをつけたんじゃないかなと。
26になった真宵ちゃんはあまり見たくなかったので、春美を代理にしてくれたのもありがたい。
やっぱり真宵ちゃんはあの無垢でかわいらしい少女のイメージのまま止めておきたいよね、うん。

とりあえずこの辺でだいたい書き尽くしたかな。
こうして見ると、なんだかんだでけっこう文句言ってますねえ。
そこそこ不満があるうえでなお今作を絶賛しているのは、
やっぱり「4」でゴタゴタの状況を処理しつつ、それなりに面白い作品に仕上げてくれたという理由からですね。
でも次はこうはいかないでしょうから、
「6」が今度こそ、「1〜3」に並ぶ・もしくは超えるような作品になることに期待を寄せるとしましょうか。

*1:「調べる」が無いということで少々オブジェの数が減らされてるようにも思えましたが

*2:アニメでちょっと台無しになっちゃったようにも思えたけどw