奇跡の少女たち





輝きの向こう側でキラキラしていたアイドルたちも素敵だったけれど、
僕が一番愛している765プロのアイドルの姿はこの動画の中、つまるところニコマスの中にあるんだろうなと改めてハッとさせられた気がしました。

モバマスグリマスが台頭してきたり、オリジナルメンバーがそろそろやることが無くなりつつあったりで、
世代交代とか旧メンバーの引退とかそういうことに思いを馳せずにはいられない昨今のアイマス界隈。
個人的には、HD画質ポリゴンモデルによる歌と踊り、それにプロデュースのゲームコンテンツであり続けてくれるなら世代交代には賛成派なんですが、
仮に新しくアイマスの看板を引き継ぐ子が出てくるとしたら、やっぱり765の子たちに負けないくらいの魅力を求めたくなります。
でもそれはおそらく僕にとって、相当難しいことだと思われます。
まだ21年しか生きていない若造ではありますが、これまでの生涯で「作品」単位ならまだしも、「キャラクター」という面でここまで入れ込んだコンテンツはアイマス以外無かった。
しかもそれが雪歩や伊織など特定の贔屓キャラ1,2人だけじゃなく、765プロ全員に向けられているんですよね。
765にはいろんなタイプの子がいるから、中にはビジュアルや性格が自分の好みとは対極の位置にあるような子もいます。
普通そういう子たちには見向きもしないはずなのに、アイマスだと彼女たちにまで尋常ならざる関心と愛着を寄せているわけです。
キャラクターという括りでこの先ここまで没頭できるコンテンツとは、もしかしたらもう出会えないんじゃないかという気すらします。

しかしそもそも、何で僕はここまで765の子たちにここまで惹かれているんだろうか。ある時ふと立ち止まって考えてみたことがありました。
確かにあの子たちは皆アイデンティティが確立されてて、個性や役割の棲み分けもそれなりになされている。個人で見ても集団で見てもよく出来たメンバーのように見えます。
だからと言って、彼女たちが他のコンテンツのキャラクターや、アイマス内の他のキャラ達と比べて圧倒的に優れているのかというと、別にそこまででも無いんじゃないかなあと。
例えば、アニマス初見組でふらっと入ってきたり、前情報無しでちょっとゲームを触ってみたりして、それで今ほど765を好きになっていたとは絶対思えないんだよね。
元々アイドルにもギャルゲーにも育成シュミレーションにもそんなに関心があった方じゃないし、見向きすらしなかった可能性だって考えられる。
アンテナに引っかかったところで、雪歩や伊織をちょっといいなと思うくらいで今ほどのめり込まず、
好みじゃない子たちに至っては「どうでもいい存在」で終わっていたんじゃないかという予感がします。
では何故……と冒頭の問いに立ち返ったところで、でてきた結論がニコマスで彼女たちを見続けてきたから」というものでした。

箱○を持ってなかった僕が初めて公式のアイドルマスターを触ったのは09年発売のSPで、
それまで1年半くらいは、ニコマスが僕にとってのアイドルマスターであり、その中にいるのが765のアイドルたちでした。
とはいえ、ニコニコにもノーマルPVやらコミュ動画やらがあがっていたから公式のアイマス・公式の春香たちを知らなかったわけではないし、
春閣下やら痴早やらフヒ歩やらといった無茶苦茶な改変キャラを、そのまま春香や千早や雪歩として受容していたわけでもありません。
ただ、まずある程度しっかりした個性や人格を持ち、一方で設定の隙間や妄想の余地も残したアイドルたちがいて。
そこから製作者ごとに性格や設定が分化していき、
その作品の中でカッコよかったり可愛かったり美しかったり、
時には道化じみた振る舞いをすることもあり、そして時には想像を超えるほどの輝きを見せることもある。
そういう様々な姿を見せてもらっているうちに、僕はここまで彼女たちに魅力を感じ愛情を抱くようになったんじゃないかなと。
中には好みじゃない、どころか不快に思うようなキャラ改変や汚れ仕事の押し付けもあるけれど、
それも全部ひっくるめて、物凄くたくさんの可能性とそれに伴う感動を見せてくれるニコマスで出会えたからこそ、今の765プロ大好きな僕がいるんだと思います。

ぶっちゃけて言うと、765メンバーの中でもニコマス初期からいた美希までの11人と、
旧メンバーと肩を並べての本格参戦は11年からだったひびたかとではやや思い入れの強さに差を感じることがあります。
だからといって響や貴音が他の11人に魅力で劣るかというと、公式の人気模様等を見れば決してそんなはずは無いわけで。
つまり765のメンバー、特に箱版無印アイマスの11人というのは僕にとって、
ニコマスの文化や全盛期の熱狂の中に浸かっていた中でそれぞれの膨大な可能性や魅力を拾いあげていって、ようやく今ほどの愛を抱くに至った。
そんな、ある種奇跡的な存在とも呼べるキャラクターたちだったのかもしれません。

モバマスが流行り始めてあそこのアイドルたちが765に代わる次世代だと言われ始めた頃、それは勘弁してほしいと愚痴ったことがありました。
けれどそれは当時のモバマスのキャラ扱いや、一部のイロモノ臭強いキャラが目立っているのに抵抗感があったからで、別に春香たち以外のアイマスなんて認めないとか考えていたわけではありません。これは本心です。
新しく中心を担うのは出来れば新規の少数キャラであってほしいけど、わりとまともそうなミリマスのキャラや、モバマスでも凛などの個性リアリティ共に十分なアイドルが中心ならそれほど悪くはないかなと思っています。これも本心です。
ただ、公式がどんなに理想的な次世代アイドルを、
そして彼女たちを活かす素晴らしいゲームを用意してくれたところで、ニコマスの介入が無ければ僕の中で765と肩を並べるまでには至らないんじゃないか。
逆に公式では微妙なアイドル、微妙なゲームが出てきたとしても、
ニコマスが弄り回していろんな姿いろんな可能性を見せてくれたなら、再び奇跡が起こって765に匹敵する魅力を見出せるんじゃないか
もしかしたら、僕にとっては公式のアイドル設計がどうかなんてあくまで二の次なのかもしれない。
そう思い至ったとき、いろいろと吹っ切れたような気がしたことを覚えています。

なんかやたら長くなっちゃいましたが、
改めてこういう考えを思い起こさせて言葉にする機会をくれたこの動画と、
様々なアイドルの姿と可能性を見せてくれて、僕をここまで765プロアイドルのファンにさせてくれたニコマスPたちに感謝を。

そして何より、僕自身が作った動画に出演してもらったことも含めて、
時には体を張ったり泥を被ったりもしながらずっと僕を楽しませ続けてくれている愛すべきアイドルたちに、改めて感謝をしたくてキーボードを叩いたのでした。

こちらこそありがとう。これからもよろしくね。