水瀬伊織とツンデレーション


アイドルのダンス等の映像と、そのアイドルのものではない様々な歌とを組み合わせるニコマスMAD文化の中で、
いくつか、「この曲と言えばこのアイドル!」もしくはその逆で「このアイドルと言えばこの曲!」という、アイドルマスターの楽曲では無い曲とアイドルとの特別な結びつきが出来上がっていると思います。
例えば亜美と「ワンダーモモーイ桃井はるこ)」、あずささんと「太陽の花(島谷ひとみ)」とかがそうでしょうか。
そして、その中でも特に僕の中で特別な位置づけとなっているのが、
水瀬伊織と「カプチーノともさかりえ)」、そしてこの「Puppy love(perfume)」の2曲の組み合わせです。

この2曲はそれぞれの曲を使った伊織動画そのものの中に大のお気に入り作品があるのはもちろんのこと、
さらにそれ以外にも多くの作者によって扱われ、様々な形の作品を見てきたことが僕の中での地位を高める要員となっています。
カプチーノと伊織を組み合わせた動画は今パッと思い浮かぶだけでも7作、
Puppy loveの方もこの動画内で挙げられた4作+これ自身で5作、メドレー合作内のものとかも入れると更にもう1,2作ほど増えるんじゃないかと。
これだけ何度も扱われたアイドルと楽曲の組み合わせは伊織だけに限らず、全アイドルを含めてニコマス史上ほとんど無いのでは。
しかもこの2曲の場合、使用作品のうちの多くがヒット作だったりしますからね。
近いレベルのものは思いつく限りだと春香と「亡國覚醒カタルシスALI PROJECT)」「One man live(RAD WIMPS)」の2組くらいかなぁ……。

そんなわけで、カプチーノとPuppy loveの2曲は僕の中で「二大ニコマス伊織ソング」として崇め、
伊織のことを考えるとき常に少なからず意識させられるような存在となっており、
また、ニコマスという場所そのものをアイドルたちがファン(視聴者)に向けて活動している空間という風に考えている僕にとっては、
伊織本人の歌ではないし歌声も別に似ていないのに、ある意味「伊織の持ち歌」であるかのように感じさせられ対象だったりもします。


そういう歌が、トップレベルの人力ボカロによって実際に伊織の声で歌われるというのは、聴いていて凄く不思議な感覚に陥りました。
伊織ではなくperfumeが歌っていても、ニコマス上では既に「伊織の歌」として認識していたこの曲が、
実際に伊織に歌わせることで、真の意味での「伊織の歌」として聴こえてくるのはいろいろと衝撃的で感慨もひとしおでした。
昔一度だけ、野暮かなーと思いつつカプチーノの方をカバーリクエストしてみたことがあったんですが、
公式が動かない限り形になることはあり得ないと思っていたものが、一ユーザーの二次創作としてこれだけのクオリティで堪能できちゃうなんて、
やっぱりニコマスの人力ボカロは奇跡の代物だよなーと思っちゃいますね。もうこれ何度も言ってるけど…w


また、相変わらず人力ボカロだけじゃなくPVとしても非常に秀逸な出来映えでして。
ツン・デレの二面性表現をはじめ歌詞に忠実な王道演出で伊織の魅力が弾ける様に、いかにこの曲と伊織のタッグが強力であるかを証明していて。
ラストの台詞をはじめとした随所の過去作リスペクトからは、この曲と伊織がニコマス上でどれだけの歴史を積み重ねてきたかを物語っていて。
やっぱりこの歌はニコマスでの伊織にとって特別な曲…そう最早「持ち歌」と呼べるほどの存在だよなあと改めて感じ入ったのでした。