「英雄伝説 閃の軌跡Ⅲ」感想①(総評)

(過去の閃シリーズ感想記事)
・「英雄伝説 閃の軌跡」感想①(総評)
・「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」感想①(総評)

英雄伝説 閃の軌跡III - PS4

英雄伝説 閃の軌跡III - PS4

閃の軌跡Ⅲクリアしました。
NPCとの会話は極力コンプリート、
釣り・料理・VM・各種ノート等のやり込みはとりあえず抑えていく方向性で、プレイ時間95時間ほど。
過去のシリーズでここまで時間がかかった記憶はないので、おそらくボリュームはシリーズ最大級ではないかなと。

今作の出来としては、非常に面白いし、"良くなった"ゲームだったと思います。
閃Ⅱシナリオのマイナスポイントだった、学生物語故のこじんまりした感じとか、味方キャラが機能してない問題とかが改善されてたし、
閃2作や空・零碧も通じて過去作の遺産を存分に発揮したオールスター群像劇は破格の面白さ。
相変わらず完結はしなかったけど、まあそれは元々織り込み済みだったし、
何だかんだ多くの伏線が回収されて、クライマックスに収束していくカタルシスもありました。
ゲーム面でいえばロード時間のストレス短縮や、グラフィックが(当社比で)かなり進化したのも非常に大きい。
戦闘バランスが最低だったのを差し引いても、閃シリーズでは一番の作品と言っていいのではないかと思います。

……なんだけど、ラストの展開がどうにも後味悪すぎて、ウキウキ気分で感想書けないのが辛いところ。
クリア直後は、「ええっ…、なんやこれ……」ってめっちゃ萎れてて、
そこから日が経つにつれ、「いやでも、振り返ると今作めちゃくちゃ面白かったよな」と持ち直してきて、ようやく感想書き始めたというのが現状ですねw
感想巡りしてると、同じように
・「終わり方酷すぎ」、というネガティブな意見
・「でも面白かった(少なくとも閃ⅠⅡよりは良くなった)」、というポジティブな意見
の2つが多かった気がするので、まあそんな感じの作品だったのかなと。

ともあれそんな閃Ⅲの感想をダラダラ書いていこうかなと思います。
※以下ネタバレ全開

過去7作の積み上げを活かした群像劇

閃Ⅲのシナリオで一番の長所としては、なんといっても群像劇としての圧倒的な面白さだと思います。
元々軌跡シリーズ、とりわけ学院生徒達の細やかな描写に優れていた閃シリーズはこの点が大きな売りでしたが、
今作ではさらに、ちょっととんでもないくらいその側面がパワーアップしていたなあと。

新キャラ・分校生徒達の描写がⅠⅡの旧本校生徒よりもさらに優れていたというのも大きいのだけれど、
それ以上に、これまで登場してきた過去キャラクター達のドラマの上積みが素晴らしかったですね。


今作って、ずっと七曜暦1204年の話を描いてきた碧〜閃Ⅱから久々に時計の針が進んだわけですが、
その2年間に何をしてきたか、どう成長してきたかみたいな物語が膨大な旧キャラクター達皆に用意されているわけです。
メインの舞台である第Ⅱ分校からして、
成人して学生を導く・支える立場になったリィンにトワやミント、リンデ、ベッキーら。
クロスベルの現状をなんとかしようと足掻いてるランディ。
身も心も成長し、零の後レンと良い関係が続いていることも伺えるティータ。
…と、時を重ねた全シリーズキャラクター達の"続きの物語"が堪能できるオールスターっぷりですしね。

こういう"続きの物語"に立ち会える機会が至るところに散りばめられていて、
その度にめちゃくちゃ楽しくてテンション上がっちゃうので、今作は1章の時点でもう異常なくらい盛り上がってました。
卒業・就職した旧Ⅶ組メンバーとの再会というメインディッシュ以外にも、
ジンゴやヴィヴィ、アランといった再登場脇役NPC達の新しい姿が見られたり、
果ては空のモブキャラ・オーヴィッドさんを発見しただけでもちょっと嬉しくなったりして。
そして極めつけには、頼もしきA級遊撃士になったアガットの口から"ハーメル"が語られるという、空ファンにはドラマチックすぎる展開ですよ。
ちょっともう、あまりにもドラマの密度が濃厚すぎて胸焼けしそうで。
「これ今、とんでもない物語を味わってるんじゃないか…」とゾクゾクしてしまいました。
一歩引いてみると、今作のシナリオってけっこうパターン化されて単調な感じもするのだけれど、
この100人超のキャラクター達の、膨大な物語の物量でテンション途切れることが無かったなと。

加えて今作のストーリーは、ランディ・ティオ・アガット・ティータといった過去のメインキャラを本格登場させたうえで、
言わずもがな占領国としての関係で零碧のクロスベル組、
さらにオリビエ関連や"ハーメル"への更なるスポットで空のリベール組のドラマも密接に物語に関わってくるから、
まさに軌跡シリーズ過去7作の積み上げを活かした、オールスター集大成としてのワクワク感も非常に強かったですね。
7作ものタイトルの物語が重なり収束していく面白みは、
次作につながる種を散りばめつつ長らくシリーズを続けてきたから。
過去のメインパーティキャラだけじゃなく、無数の脇役の時間経過にもいちいちドラマ性を持たせられるのは、
膨大かつ丁寧なテキストでモブに至るまで一人一人の細かな物語を積み上げてきたから。
閃Ⅲの群像劇はこのシリーズだから、このシリーズをずっと追ってきたファンだからこそ味わえた、
ものすごく特異で、ハチャメチャに楽しい最高のプレイ体験だったと思います。ホントここは手放しに絶賛したい。

第Ⅱ分校、という舞台

閃ⅠⅡでトールズ士官学院の物語をひとまず描き、
次はどうするんだろうと思ったら、なんとまた学院が舞台・メインは新たなⅦ組の生徒達という展開に。
これについてはいくつか引っかかった点があって、一つずつ順番に語っていくと…。

①まず、「学院生徒を戦力、それも対"結社"要員として動員する」っていう設定がどうなの? と。
今作では帝国正規軍は対カルバード共和国に割かれているから、
暗躍する結社の対抗要因には第Ⅱ分校をぶつける…という設定でしたが、
最初に聞いたときは「え、まさか学生で結社に対抗する気なの!?」とビックリでした。
ⅠⅡ時代の本校生徒よりは見るからに武闘派っぽいのが揃えられていたけれど、
それでも、結社や赤い星座みたいな後編で出てくるタイプの組織とやり合えるようにはとても見えなかったし。
あくまで"捨石"扱いと言われてましたが、
にしては学校の設備や機甲兵、専用列車等かなり投資してますし……(いくらかは分校長の私費で賄われているということだったけど))
実際、1章の演習一日目でいきなり結社の襲撃にあうシーンを見てると、
「やっぱこの設定、無理があるんじゃ…」と思わずにはいられませんでした。

しかし、その後「灰色の騎士」に政府から要請がくだるという展開を受けて、なるほどなあと。
分校の生徒云々はあくまでおまけとか建前とかそんな感じで、
宣伝的にも戦力的にも価値のある「灰色の騎士」と、
後は化物分校長や、旧Ⅶ組等の学外協力者たちをメインとして見込んでいるのなら分からんでもないなと。
素直に軍属はしてくれないリィンを利用するために、
"教官"という仕事で、"生徒を守るため"戦わざるをえない状況を作るのは上手いことできてるし、
こんな少数戦力で仮に結社攻略が上手くいかなくても、
「そしたら貴族勢力にダメージがいくから、それはそれでOKだよ」みたいな逃げ道も用意されている。
どういう結果になっても、オズボーン側にはメリットあるような仕組みになっているのは結構感心しました。
あと、終章を見る限り"Oz"アルティナの育成の場として分校が利用できるってのもあったのかな。
ちゃんと意図が理解できたおかげで鉄血の株は下がらなかったし、
でも代わりにリィンの「相変わらずこいつ掌の上で転がされてんな」感も強くなったw
ともあれ、結社や猟兵と学生服の生徒がやり合ってるのはやっぱり画的に違和感あるし、
ご都合主義を感じさせつつも、まあ落としどころは見つけられる最低限の説得力は保ってくれていたかなと思います。

②次は、「また学生の話をやるってどうなの?」という話で。
前作までの学生物語はあれはあれで面白くはあったけれど、
学生という身分故の視野の狭さや無力感から、旧作よりもスケールが小さく窮屈になったような思いもありました。
それでもⅠ→Ⅱで学院への入学から卒業までの話を一旦描ききってから、
社会人になって力を手にしたリィン達と、本格的に動き出す鉄血や結社の陰謀とが重なって
次はもっと大きな規模の物語に発展するのだろうという流れを楽しみにしていたので、
また入学からスタートする学生物語に戻っちゃうというのは、初報聞いたときけっこうガッカリしちゃいました。

でも実際のところは
学院生活〜演習前半までの「学院・新Ⅶ組パート」とは別に、
演習後半に旧Ⅶ組と協力者だけで行動する「非学院・旧Ⅶ組パート」も作ることで、
ちゃんと手に職つけた大人達の物語への需要も満たしてくれていたので安心しました。
リィンがサラ達と夜の歓楽街で情報収集するところとか、
学生を卒業したことによる視野の広がりが感じられて嬉しかったし、
それと同時並行で、新Ⅶ組生徒達の青春ドラマも展開されていく二層構造は凄く面白く出来ていたと思います。
最終決戦の舞台で"本校生徒"vs"分校生徒"みたいな小規模ドラマが突っ込まれるのは水差し感あったりもするんだけれど、
第Ⅱ分校の物語単体自体は何だかんだ後述するように凄く楽しかったし、
そこにリィンと旧Ⅶ組を中心に展開するプロフェッショナルの物語も加わって、結果的には1粒で2度おいしいみたいなお得感もありましたね。

③これは一番根本的な話なんだけど、「ぶっちゃけ新Ⅶ組をメインキャラとして追加する必要あった?」という問題が。
これは別に新Ⅶ組のキャラが悪いというわけではなく、
むしろ人数絞って個々の役割を明確にした分、旧Ⅶ組より魅力的と言っていいキャラ立てが出来ていたまであると思います。
ただ、全4作(?)にもわたるこの長い帝国の物語で、
半分過ぎた後から登場したキャラがいきなりメインに座るってのは、なんかポッと出のキャラに持って行かれた感あって微妙な心境だよなあと。
まあⅢは新Ⅶ組だけじゃなく旧Ⅶ組もメイン扱いだったから、言うほど「持って行かれた」感は強くないのだけれど。
でも、帝国だけじゃなくクロスベルやリベールまで巻き込んだ集大成ともいえる次回作で、
4作にもわたってメインキャラとしてドラマ積んできたリィンや旧Ⅶ組達はまだしも、
2作分の積み上げしかない新Ⅶ組が、その立場に相応しいだけの存在感を発揮できるかは気がかりですね。
ただでさえ帝国編はキャラ多すぎて消化しきれてない感が強かったり、
今作のラスダンでも、敵幹部との因縁ドラマ展開してるのは旧Ⅶ組メンバーばっかりだったりもしましたし。
ともあれ、わざわざ新たにメインキャラを用意した意義があったのかどうかについては…まあ次回作をプレイするまでまだ保留したいところ。

学園モノとしての面白さ

"軌跡シリーズの帝国編"で学園モノが遊びたかったかと言われると正直微妙なところですが、
それは別として、閃シリーズの"学院生徒たち物語"としての側面は非常に面白く出来ていると思います。
そしてその最大の理由が、散りばめられた脇役生徒たちの物語が凄く見応えあったことでして。
メインキャラクター達だけでなく、
脇役の生徒達にも一人一人時間の進行に沿った物語があり、
1年生は入学から内戦を経ての成長が、2年生は内戦を経て卒業後の進路を定めるまでの経緯がしっかり描かれている。
パーティメンバーのドラマが薄く、シナリオも消化不良気味だった閃Ⅱにおいて、
物語の面白さを支えていたのはこういった脇役生徒達のドラマの豊富さだったとまで思っています。

そのメソッドを引き継いだ、閃Ⅲの分校生徒達の物語も相変わらず…どころか前作以上にパワーアップして面白かった!
まず、今作の生徒達は演習地まで付いてきたり戦場にも参加したりと、
閃ⅠⅡの生徒達よりも"メインキャラ度合い"が高まっていて、
使用武器なり出身地なりの設定が細かく付与されて、個々のキャラ描写自体がより濃くなったというのがあるんですが。
それに加えて、今作の分校生徒達の描写の秀逸さにつながるポイントとして、
「モブ生徒のいない、ネームドキャラだけの少数団体であること」と、
「宿舎や移動中の列車・演習地等、全員が一同に介する場が多いこと」とがあるかなと。
前作の学院生徒って、リィンと部活仲間以外とはほとんど接点が無かったような印象で、
わりと個々の物語が独立して展開されていたように記憶しています。
でも今作はレギュラーキャラだけを、何度も一同に集めて描写できるからか、
そういう垣根を越えていろんな繋がりを描けて、豊富な人間関係の広がりを楽しめたんですよね
生徒の一人・シドニーを例に取ってみると、前作なら部活でルームメイトのクルトとの繋がりだけで終わりそうなところを、
今作だとさらに、同じスナイパーライフル使いとしてマヤ、
僻み対象になる"モテる男"としてアッシュ、スターク、カイリ、
逆に"モテない仲間"としてウェインとか、いろんなキャラクターとの間に繋がりが生まれている。
括るワードが思いつかなかっただけで、これ以外のキャラとも接していたシーンもまだあったんじゃないかな。
同じ話が、メインキャラである新Ⅶ組メンバーに対しても言えまして、
いままでだとアリサはラクロス部、ラウラは水泳部みたいにNPC生徒との接点がやはり部活仲間に限られていましたけれど、
今作だとより豊富な繋がりを描けていて、それがキャラ立ちに貢献しつつ物語のドラマ性もより強くしてくれる。
終盤にアッシュが衝撃的な事件を起こしたとき、
文芸部仲間のタチアナ、ルームメイトのグスタフおよび作詞を手伝ってもらった軽音部の面々、
一緒にテスト勉強していたスターク、軟派と堅物で正反対だったウェイン等々、
それまでにアッシュといろんなキャラの繋がりを描けていて、彼らがそれぞれの立場でアッシュ逮捕への思いを語るから、
アッシュ逮捕という展開のドラマ性がグッと強くなってくるわけです。
そもそもアッシュの「なんだかんだ根は面倒見いい奴」みたいなキャラクター性も、
こういう脇役に世話を焼く描写の積み上げで培ってきたところが大きかったですしね。

生徒間の繋がり描写をより強化したことで、
脇役生徒達の物語も、メインキャラの物語もより面白くなり、
何より第Ⅱ分校というコミュニティ全体を魅力的に描くことが出来たと思います。
閃Ⅱの脇役生徒たちの物語は本当に面白かったので、閃Ⅳでの分校生徒達の活躍にも期待が高まりますね。

新Ⅶ組の魅力


必要性云々は別として、新Ⅶ組のキャラクターはなかなか良かったと思います。
演習先でそれぞれの故郷を訪ね、バックボーンを描いてキャラをキチッと確立する手法は閃Ⅰに引き続き良かったですし、
今作はキャラ1人1人にメインシナリオに関わってこれるような濃い設定があるのと、
人数を絞った分、各キャラクターがきちっとそれぞれの役割を持てていたのが良かったと思います。
この辺は、人数多すぎたり設定弱くて持て余すキャラがいたりした旧Ⅶ組の反省が活かされてるのかな。
まあ、積み上げの少ない後発組はミュゼやアッシュみたく設定濃くしなきゃストーリーに割り込めないってのもあるでしょうけど。

あと、個人的に新Ⅶ組の描写で気に入っているポイントとして、主人公リィンへの対応が千差万別なところがありますね。
剣士同士で一番真っ直ぐな師弟関係やってて心の距離も近いクルト。
表面上反発しつつも、敬愛と承認欲求が奥底にあるユウナ。
仕事のパートナーという側面も兼ね備えたアルティナ。
序盤はヤンキーらしい狂犬っぷりを、Ⅶ組入り後はなんだかんだ従いつつも危うい側面をみせるアッシュ。
求愛ネタで弄ってきて、懐いているようで底を見せないミュゼ。
基本的にはみんな似たり寄ったりな友達関係だったリィン⇔旧Ⅶ組メンバーに比べると、
新Ⅶ組メンバーはこの対応の違いが自身の、そして対するリィンの個性をも深めてくれていたと思います。
特にミュゼやアッシュみたいな難しい生徒をどう扱うかという姿は、リィンの新たな一面を見せてくれた感じがありましたし。

それから、なんといってもリィン抜きでもシナリオ展開できる、生徒間だけでドラマを深めていけるのが良かった。
今までは常にリィンが中心で、周りは付いてくるだけみたいな感じだったので、
今作ではリィンと別行動になったとき等、生徒メンバーだけで相談・行動する描写があったのが嬉しかったです。
特にユウナ・クルト・アルティナの初期メンバー3人が、
1〜2章の演習で互いに励まし支え合いながれ絆を深めていく過程はとても良かったと思います。
こういう、仲間Aが主人公以外の仲間Bに激励される展開って閃…どころか零辺りまで遡っても全然無かった気がしますからね。
こうした描写の積み上げで、個々のキャラだけじゃなく"新Ⅶ組"全体にも好感を持てるようになったし、
その象徴的なモノの一つとして、皆の妹分的なアルティナの成長物語なんかには感動しましたね。
分校生徒との交流の中で感受性を育んでいく過程があって、
ラストでリィンだけでなく、ユウナやクルト達のためにも立ち上がろうとする姿は今作一グッときたポイントだったかもしれません。
閃Ⅱをプレイしていたときはアルティナがこんなに泣かせてくれるキャラになるとは思わなかったし、
彼女をそこまで育てたことが、新Ⅶ組の物語が良いものだったと証明する一つの結果かなと。
続編でも単に個々がリィンの仲間に収まるだけでなく、
新Ⅶ組という括りでの物語性を見せて欲しいところですね。アッシュなんかはまだ課題も残していますし。

魅力を増した旧Ⅶ組メンバー

新Ⅶ組の登場により、ゲスト的な感じでやや出番の減った旧Ⅶ組メンバーですが、
こちらもむしろ、レギュラーだった旧作のときよりも魅力が増したのではないかと。
ただ付いてきてるだけみたいなところあった閃Ⅱ時代より、
ゲストとしてその場その場で活躍して支えてくれる今作の方が、出番は短くともよほど存在感あったように感じました。

やっぱり、閃Ⅱまでは皆学生という同じ立場で役割を与えづらかったのが、
今作だとそれぞれ手に職をつけて、スキルを活かして活躍できるようになったのが大きいかな。
2章の、マキアスが監察院のコネでアジトを提供→アリサがティオと協力して端末操作→エマが魔女パワーで敵の潜伏地発見の流れとか、
地味ながらちゃんとみんなストーリーに関われててちょっと嬉しかったです。
マキアスとアリサなんて、閃Ⅱだと何してたかろくに思い出せないキャラ筆頭でしたし…w
旧Ⅶ組のメンバーは学生時代の積み上げがあっただけに、
今の職業で行動していることに一つ一つドラマ性が生まれるのもいいところですね。
あとはスキル面だけじゃなく、職業関係から人間関係の繋がりが広がっているのも良かったです。
遊撃士仲間としてフィーがアガットと、技術者関係でアリサがティオとコネクションを築いてたりとか。
元あった故郷の人々とリィン+Ⅶ組、部活仲間くらいしか繋がりがなかった今までの彼らが、
そういう狭い世界を抜け出して、しかもリィンの見えないところで人脈を広げているのは成長を感じましたね。
彼らを介することでリィンとアガットやティオとの交流もスムーズに進んで、また有効の輪が広がっていくのも楽しいですし。

能力的にも精神的にも成長をみせ、"未熟な教え子"という新Ⅶ組との対比もあり、
ようやく"頼もしい仲間"としての泊が付き始めてきたのは、3作彼らの物語に付き合ってきた身としては感慨深いところですね。
閃Ⅱでリィンを「肉体的に強くても、精神的に脆くて"周囲に支えられる"主人公」としてロイドと差別化させたのに、
肝心のⅦ組メンバーが全然リィンを支えてくれてる感が無かったのは凄くガッカリだったんですが、
だからこそ今回、頼もしく成長した彼らが、
「"要請"を受けるリィンをサポートするために動いている」って言ってくれたときはグッとくるものがありました。
何だかんだ閃シリーズのクライマックスをメインで飾るのは、長く付き合ってきた旧Ⅶ組メンバーであってほしいと思うし、
実際次作では普通にレギュラーパーティメンバーになるんじゃないかと思うんですが、
今作を見ている限りだと、彼らはむしろⅢみたいな要所要所のゲスト扱いの方が光りそうな気もして難しいところですね。

複雑だが見応えある勢力図


いろんな勢力の思惑が絡み、ぶつかり合う面白さというのが碧辺りからプッシュされるようになりましたが、
今作はシリーズ中でも特に、いろんな勢力が登場してカオスなシナリオだったなあと。

・主人公勢(新旧Ⅶ組、第Ⅱ分校、オリヴァルト王子、魔女、七曜教会、遊撃士ほか協力者たち)
・鉄血一派(オズボーン+子供たち、情報局、正規軍、鉄道憲兵隊、皇帝・皇太子、トールズ本校、バラッド侯、クライスト商会、ニーズヘッグ)
・貴族勢力(ミュゼ、四大名門ほか有力貴族、領邦軍)
・結社一派(結社、赤い星座、北の猟兵)
・地精一派(黒の工房、黒・銅・蒼、西風の旅団)

他にもクロスベルの支援課一派とか共和国とかもありますが、
とりあえず本編の中心としては概ねこの5つくらいに分けられるかな。
単純に大きな勢力が5つあるとして見てもだいぶややこしいし、
さらに本編進めてる途中だと、誰がどの勢力に属しているのか、どことどこが協力してるのかとかまだ分かんないから余計に厄介ですよね。
そんな状況でどいつもこいつも「あの人が…」「あの手を…」とか思わせぶりなことばっかり言うから、
その意味が判明したときのカタルシスも確かにあるけど、そもそも判明するときまでそのフラグを覚えておくことが大変で…w
(そういう意味では、今作で追加されたバックログ機能は大変ありがたかったですね。)
ともあれ、やや混乱させられる場面もありつつも、
様々な勢力がひしめき合い、思惑が交差しあう様は何だかんだスケール感あって非常に楽しかったです。
今作のシナリオって、1〜3章まで「結社の実験を止める」っていうワンパターンかつ茶番じみた流れが繰り返されるんだけれど、
領邦軍へのダメージや特務支援課のフェードアウトを目論んでいる鉄血勢力…みたいな背景の図式の面白さがそこをカバーしてくれていたように思います。

一方で、このままの状態で収集つくんだろうかこれと思っていたら、
最終的には元々協力関係だった鉄血と地精に加えて結社も合流、
一方主人公勢には、閃Ⅱとは対照的に貴族勢力が加わりそうで、
後はまあ軍の良識派とか、支援課みたいな外部勢力もおそらく加わるだろう…という感じで、なんだかんだ二分される図式に落ち着いたような。
んー…敵だった貴族とパンタグリュエルが今度は味方につきそうなのとかは熱いなと思うんですが、
問題、というかぶっちゃけガッカリだったのは結社があっさり鉄血+地精側に付いちゃったことですね。
閃Ⅱの「幻焔計画乗っ取り宣言」でワクワクした身として、
今作も途中まで結社vs地精に星座・西風の二大猟兵が付く構図とか楽しんでた身としては、
なんじょそりゃ…と崩れ落ちそうになりました。
改めて考えてみれば、「オリジナル至宝の入手」が目的であろう結社にとって、
鉄血の計画をわざわざ邪魔する必要はないし進めてもらえばいいってのは確かに間違っちゃいないんですけど、
鉄血vs結社の図式に期待していた身としては期待はずれ感もあるし、
途中までの計画奪還に動く結社…みたいな展開は何だったんだという感もあるし、
何より行動指針グダッグダで結社の悪役としての威厳みたいなのがますます損なわれちゃいますよね。
まあ元々遊び半分みたいなノリのゆるゆる組織ですけど、にしてもなあ……。
たぶん、次作ラストではリィン達が鉄血を打ち破った陰で、
ちゃっかり火と地の至宝を回収して勝ち逃げ…みたいな感じでまた優位に立とうとするんだろうけど、
そのくらいで今作のガッカリイメージが回復してくれるかどうかは微妙なところ。

パターン化されすぎたシナリオ

過去作キャラとの再会、群像劇の重厚さ、勢力争いの面白さ…みたいな要素でモチベーションは途切れませんでしたけど、
冷静に振り返ってみると、今作のシナリオって前述したような凄くワンパターンの繰り返しだったように思います。
元々、軌跡のシナリオは章ごとにある程度決まった展開を繰り返すことが多いですけど、今作は特にその傾向強いですね。
閃Ⅰ同様、1ヶ月ごとに自由行動日→機甲兵訓練→特別演習のスケジュールが固定されてて、
さらに今作は、演習先で起こる展開の流れまでパターン化されてましたからね。

①前半は新Ⅶ組メンバーと結社の情報収集
②途中でピンチ→「鬼の力or騎神召喚を…」→「その必要はないわ!」で旧Ⅶ組登場
③夜に結社がなんか派手な騒ぎ起こして危機発生
④旧Ⅶ組にバトンタッチ。ゲストを加えて結社の幹部とバトル
⑤最後は騎神+新Ⅶ組ロボvs神機で〆

途中に多少の変化はありつつも、ほぼこんな流れが1〜3章までずっと繰り返されていたような。
お約束とはいえ流石にパターン化されすぎというか、
旧Ⅶ組との再会とかラウラの頃は凄く熱かったのに、ユーシスやサラの頃くらいになると「またか…」ってちょっと苦笑いしちゃってましたらね。

まあ、見せ方がワンパターンなのはまだいいとしても、
今作の問題は、毎章最終的に「結社の実験阻止」が目的になっちゃうという展開でして。
空SCの時もそうだったんですけど、自分はこの"結社の実験"という展開があんまり好きじゃなくて。
だって、適当にそれとなく破壊行為した後、
「データは取れたのでよし」とか勝手に満足して去っていくという流れがもう透けて見えてるので、
途中いくら作中で危機感を煽られても、「どうせお遊び半分なんでしょ」と緊張感が沸いてこないもの。*1
空SCではまだ、初登場の執行者の顔見世という意味合いも兼ねてましたけど、
今作は既に知ってる、しかも「どうせ手心加えてくれるんでしょ」ってなお気楽なメンツだったし、
さらには最終的には鉄血+地精がメイン敵で結社はおまけになっちゃうから、
余計に1〜3章のvs結社が危なくもなければシナリオ的意義も薄い、茶番感強かったですね。
碧のイリア半殺しパフォーマンスで、「執行者とは違ってマジでやべーやつ」っぷりを見せてくれたシャーリィも、
今作だとなんかすっかり結社イズムに染まっちゃってる感あって残念でした。

上の項目でも書いたけど、今作の結社のガッカリ感というか、自分の中での株の下げっぷりはわりと深刻かも。
碧の星座・閃の鉄血らと比べて悪役としての凄みや威厳が劣ってきてるし、
作中最強のアリアンロード・マクバーンもプレミア感薄れて絶対強者感揺らいできてるし、
何よりやることなすこと全部茶番じみちゃって、軌跡シリーズの引き伸ばしの象徴みたいになっちゃってるし。
碧にしても閃にしても、
別に結社を倒すことがメインのシリーズってわけじゃないみたいだし、
最早結社との決着見たいとかよりも、邪魔だから引っ込んでてくれない的な思いの方が大きくなりつつあるかもしれません。
なんかシリーズ重ねるごとに、こんなお遊び組織に属しながら、
計画もキッチリこなしつつ外道な悪役も演じてくれていた白面教授がどんどん偉大に思えてきますね……。
思い返しみれば、空のシナリオもほとんど彼の孤軍奮闘みたいなところありましたしね。

絆システムとハーレム

前作までボロクソに文句言ってて、今作も案の定続投だと知った瞬間ため息をついた絆システム。
本編では拾いきれないサイドストーリーとして評価できる部分もありつつも、
リィンと誰か一人との特別な絆を描けないし、リィン以外の仲間同士の繋がりが希薄になるという、
メインシナリオ上での人間関係における悪影響が大きすぎたのが原因でした。
その点だと今作は、
新Ⅶ組同士の人間関係もそれなりに描けてたし、
新Ⅶ組メンバー個々とリィンの関係もそれぞれ違った形で展開できてたから、んーまあ許容範囲かなあと。
(旧Ⅶ組については既に手遅れなので諦める)

ただ、気になったのはリィンハーレムのヒロイン陣の中で、
メインヒロインのアリサさんだけやたらとイチャつきぶりだったり周りの目だったりの描写で、特別感を強調されてたのが。
こんな描き方しても、でも所詮この子もルート選択ヒロインのやりそうだよいんだよなあ…と思うとなんか微妙な気分になります。
それなら最初から、メインシナリオ上で正式に恋仲になるヒロインとして堂々描写してくれればいいのにね。
自分の好きなヒロインとくっつきたいみたいな需要に配慮して今の仕様にしてるんだろうに、
なんかどっちつかずで誰も得しない感じになっちゃってるような……。
というか、リィンのモテモテ描写はやっぱりやりすぎ感あって寒いというか、見てて恥ずかしくなってきちゃってキツイです。
アルティナにからかわれユウナに白い目で見られて、教官の立場なくしちゃう流れとかはけっこう好きなんですけどね。
ロイドから続けて6作だし、いい加減次の主人公ではこういうのから脱却して欲しいんだけど…またやりそうだよなあ。

救いの期待が薄れるBAD END

ここまで書いてきたように、
終始楽しんで進められたし、不満点ありつつ全体的には概ね好感触なシナリオだったんですが、
のわりにイマイチ筆が乗らないのは、やっぱり終わり方への引っかかりが尾を引いてるからですね。

相変わらずの「次回に続く」エンドだったけど、そこはまあいいんですよね。
帝国編締めるまで、どうせもう1作くらいはかかるだろうなっては読めてましたし、*2
一応今作でレクター・クレア・シャロン・サラ・オリビエとか未消化だったキャラの過去だいたい回収したし、
至宝関連の謎もだいたい明かされて、さあ最終決戦って状況までは持ち込んでくれたしね。
終わり方がブツ切りなのも……うーんまあいいでしょう。出来れば閃Ⅰみたく次のスタートに繋がる締め方にしてほしかったけど。

ともあれ問題なのは、"終わらなかったこと"よりも"終わり方の後味が悪すぎたこと"でして。
終盤の怒涛の裏切り者・死亡ラッシュ*3でなんか味方サイドのメンタルボロボロなまま終わっちゃいましたもんね。
リィンだけじゃなくアリサ・ユーシス・トワ辺りも相当悲惨なような。
身内の死、というのは乗り越えてカタルシスに繋げることが出来るからまだいいのだけれど、
近しい人に裏切られる的な展開はリカバリーが難しそうなのでどうにも不安ですね。
それでもまだ、そこら辺は次回作でフォローできる可能性も残ってるから我慢できる。

何より堪えたのは、聖獣死亡→至宝発動のトリガーを暴走したリィン自らが引いちゃったことでして。
これはもう、起きちゃった以上今後どうなろうが取り返しつきそうにないわけで。
ただでさえ自戒的な面の強いリィンがこれだけのことをしでしかしちゃったら、
最終的に帝国が救われるにしても、リィン自身がすんなりハッピーエンドで終われる気がしなくて…
こんだけ主人公をイジメ続けるシナリオ見せられてきて、
最後は報われてほしいなって目で見ているところにこの仕打ちはキツイっすわ。
別にあの局面、トリガーを引くのはオズボーンでもセドリックでも良かっただろうに、
わざわざリィンにやらせる必要があるのかと凄くモヤモヤしました。
しかも、そのトドメ刺すところをプレイヤーに無理やり操作させるのも相当悪趣味だし、
その後、オズボーンやら傭兵王やら聖女やらに寄ってたかって上から目線でこき下ろされるのもまた気分悪いし…。
正直現時点では、この終盤の"落とし方"はちょっとやりすぎちゃったんじゃないかと思わずにはいられないのですが、
次回作で手のひら返しさせてくれる可能性に縋りたいところ。お願いしますよファルコムさん。

グラフィック

グラフィックは格段に良くなりましたよね。
いや、こないだやってたDQ11とか、そういうビッグタイトルに比べたら何周も遅れてるでしょうけど、
あくまで当社比で言えばめっちゃ進化したよなあと。
回想シーンで出てくる閃ⅠⅡのグラフィックがその分尚更酷く見えてしまう…w

といってもまあ、殺陣シーンのモーションとかは相変わらずショボイままなんだけど、
キャラクターのモデリングなんかはだいぶマシになったように思います。
男と女、子供と大人、元気タイプとクールタイプとか多少は顔の個性分けが出来てきて、
ポリゴンモデルでもカッコイイとかカワイイとかそれなりに感じ取れるようにはなってきたかなと。
前作で全く可愛くなくてイラスト詐欺みたいな感じだったエリゼが、
今回だとちゃんとポリゴンモデルでも可憐な美少女感あったのとか、頑張ったなあと感心してました。
アガット・ティータ・ティオ・ランディとか成長した過去キャラがいっぱい再登場するこのタイミングで、
今のグラフィック水準に間に合ってくれたのはありがたいところです。
閃Ⅱのグラフィックで彼らが出てきたらだいぶガッカリ感ありそうだったし。

ロード時間

もう一つ、こちらもかなり改善されてました。
こっちは他社のゲームとかと比べても優秀な水準と言っていいんじゃないかというくらい。
近年プレイしたゲームでブッチギリ最下位だった閃Ⅰとの落差が凄いですね。ホントあれはなんだったんだ……。
エストシステムでお使い要素多いし、
モブ会話収集が醍醐味になってるしで、とにかくあちこち動き回るゲームなだけに、ホントここは大事ですよね。
おかげで今作は、ノーストレスで純粋に帝国マラソンを楽しめて良かったです。

軌跡シリーズは今までずっと携帯機でプレイしてきたので、
今回Vitaが切られてPS4オンリーになっちゃったのはちょっと残念な気持ちもあったのですが、
そのおかげでこのグラフィックとロード時間の進化があるのかと思うと、まあそれなら仕方ないかって感じですね。

戦闘バランス

逆に、めちゃくちゃ酷くなってたのが戦闘面のバランス。
シナリオとキャラクターがメインの作品とはいえ、
今回のあまりに崩壊しすぎてる戦闘はゲームとしての満足度をかなり下げちゃってる気がします。

今作では、オーダー・ブレイク・高揚という3つの新システムが追加されたわけですが、
一つ一つのバランス調整も甘い上に、何よりその取り合わせがマズすぎた
敵が行動不能+100%崩しが発生するブレイク状態に持ち込んでから、
硬直時間を短縮できるオーダーを継続させつつ通常攻撃・クラフトを連打してたら、無抵抗の敵を一方的にこちらが殴り続けられちゃうわけです。
序盤から揃って消費も少ない「スレッジハンマー+太刀風の陣」で簡単にそれが出来ちゃうから、試さないユーザーはまずいないでしょう。
これにさらに、手数を増やせるクロノバーストとか加速クラフトとかも混ぜていったら、
凄くお手軽に無限ループに持ち込めて、何の工夫もしなくても敵を完封できちゃうという……。
しかも、敵がブレイクから立ち直って"高揚"状態になると、
体力は回復されるわ、一撃死のSクラの危険性あるわで面倒なことになるので、
尚更本気で攻略しようとしたら、この"ずっと俺のターン戦術"が推奨されちゃうように出来てるんですよね。

別にただ"ヌルい"だけなら戦闘つまんないねだけで済みますけど、
相手に行動させないまま勝てちゃうというのは、
相手がどういう技を使ってくるかとかすら見ないままになっちゃうわけで、シナリオ・キャラゲーとしても深刻な問題じゃないかと。
実際自分も、共和国の偵察兵との戦闘イベントで完封勝ちしちゃって、
戦闘後話題に上る敵の新型オーブメントについて、「え、そんなの見ずに終わっちゃったよ…」ってなりましたわ。
Sクラの演出まとめ動画とか見てても、「これ見ないまま倒しちゃった」みたいなコメントいっぱい見かけましたし、
戦闘面担当してるスタッフはモーション作ってる人とかSクラの挿絵描いてる人とかに謝らないといけないレベルだと思います。
ついでに言えば、敵のSクラも碧以降恒例の「くらったらほぼ一撃で死ぬ」調整っぽいから、
ダメージ軽減オーダーor完全防御張って受けざるを得ないので本来の凄みがイマイチ伝わんなくなっちゃうし、
鬼性能すぎるオーダーの登場でますますBPを貯める=崩しを発生させる重要性が高まったから、
崩しが発生しない攻撃アーツがいらない子すぎて、最早エリオットやエマみたいな魔法攻撃キャラすらクラフトで殴ってる方が効率いいんじゃないかとか。
バランス調整の甘さがキャラの個性を殺してしまっているのも残念です。

閃Ⅱでちょっとバランスまともになったなかなと思ったのに、
今回でまたここまで酷い水準に落ちちゃって、
遅延でずっと俺のターンだった閃Ⅰの反省がなんも活かされてなさそうのはどうなのよって感じですね……。
なんだかんだでコマンド式RPGは、
ドラクエみたいな殴って→殴られて→回復して…の基本形繰り返しが一番面白いんじゃないかなあ。
軌跡シリーズもシンプルだった空FCの頃が一番適度にバランス取れてた気がするし。

その他いろいろ

・パッケージイラストが閃シリーズで始めてちゃんとしてたのが地味に嬉しい。
3年の準備期間があったからなのか、今作イメージビジュアルとかもやたら数充実してますよね。
ファルコムさんはこのイラストレーターさん大事にして欲しい。

・OPムービーがついにフルアニメーションになった!
……けれど、キャラデザは微妙だしメリハリなくて全く盛り上がらないしでガッカリでした。
これなら普通に今までのイラストちょっと動かす方式のが良かったわー。
なんだかんだでOPは毎回けっこう楽しみだったので、今後もこの路線になるのかと思うと残念。

・そういえばクレアとアルティナの声優が諸事情で変わってましたが、驚くくらい全く気にならなくて良かったです。
というか、ぶっちゃけ閃Ⅱの時点だとアルティナの声なんてろくに印象残ってなかったので……。

・第Ⅱ分校制服のスカートは流石にちょっと短すぎてなんか引いちゃう。
あと、アリサのあの痴女みたいなオフィス服装はちょっとどうかと思うし、
あの格好のまま戦って果てはオーバルギアに搭乗しちゃうのは画的に凄く間抜けだった。
前作のリーシャといい、モデルの等身上がったことで行き過ぎたサービスコスチュームが気になっちゃうのは難点ですね。

・釣りの仕様が変わって最初ちょっと戸惑ったけど、
連打させられまくる原始的なシステムじゃなくなって、指が疲れなくなったので大変良いと思います。

VMは評判あんまり良くなさそうだったけど個人的にはけっこう気に入ってる。
テンポ悪すぎとか敵のAIアホすぎとかあるけど、後者は賢くしちゃうとすんなり勝てずストレスになりそうなので微妙なところですね。
というか今回上述のように戦闘バランスがクソすぎたので、
一番緊張感あって楽しめた場面が実は猟兵王とのカードバトルだったりw
あそこは敵のカードのチートスペックと無能AIでいい具合にバランス取れて、今作で一番絶妙な難易度調整だったような。

閃の軌跡Ⅳの展望と希望

閃Ⅲが閃Ⅰのシステム(学院生活→特別演習の繰り返し)を使いまわしていたので、
同じように閃Ⅳでは、やっぱり閃Ⅱのシステムをそのまま踏襲する形になるのかなと予想してます。
まず各地で仲間を集め、オーレリア達の勢力に合流して、
パンタグリュエルに第Ⅱ分校の生徒職員を集めて本拠地を強化しつつ、
各地を回って混乱をおさめ、合間合間に絆イベントをはさみ、最後にラスダンで敵幹部まとめて消化…みたいな。
毎回遊撃士の真似事やる仕組み考えるのめんどいから、同じ仕組み使いまわせそうならその方が都合いいやって感じなんでしょうし。

ただ閃Ⅱのシステムって、
パーティを自由に編成できる=誰を選んでも同じシナリオ展開になるようにしないといけなかった関係上、
パーティメンバーが全然活躍しないっていう閃Ⅱの不満点に繋がっちゃった面があったので、そこら辺不安だったりします。
多すぎる旧Ⅶ組メンバーなんかはやっぱり今作みたいなゲスト扱いの方が機能してるように思うし、
自由度とか二の次でいいからシナリオの都合を優先してほしいなあ。

あと、リィンの仲間集めから始まるんだろうなって予想はついた閃Ⅰと違って、
閃Ⅲはホントにブツ切り状態で終わっちゃったので、次作のスタートがイマイチ予想つかないですよね。
もちろん最終的な主人公はリィンでしょうけど、
個人的には序盤は囚われてるやらなんやらで、代わりにまずユウナやクルトメインでスタートして、
途中からリィンにバトンタッチ…みたいな流れが見てみたいかな。
そしたら閃Ⅲの物語・新Ⅶ組の存在意義もちゃんと発揮されてきますし、
ずっとリィンの視点で続けてきた話だから、彼のピンチの時に他のキャラの視点で助けるために動けたら楽しいだろうなぁと。

以下、次作のシナリオ面に期待することいろいろ。
「the last saga」とまで銘打ったからには、流石に次作で帝国編は終わるものという見込みで書いています。

・旧作主人公ズの参戦、軌跡オールスターが見たい
中心はこれまで続けてきた閃のメンバーでいいんですけど、
次作に関しては、旧作のキャラクター達・特に主人公のエステルやロイドの参戦にも期待したいですね。
零の時にエステルヨシュアがラスダンまで割って入ってきたのは正直あんま好きじゃなかったんですが、
今作に関しては、こと帝国の問題が諸国にとっても影響力大きすぎることや、
そもそも空や零碧の時点で帝国がめちゃくちゃシナリオに影響及ぼしていたこともあって、
最早閃のメンバーだけの次元の話じゃないところまで来てるから、過去作キャラの参戦を素直に熱いと歓迎できそうです。
クロスベルがあんなことになってるロイド達は言わずもがな、
エステル達もオリビエとの絆にハーメルの問題まで絡んできて因縁は十分すぎるほどですし。
欲を言えば、プレイアブルキャラクターとして動かせたらめっちゃ楽しいんですけどねえ。
ロイドエリィランディの初期支援課メンバーに、
エステルヨシュアレン一家、空メンバーならオリビエとの繋がりでシェラやミュラーも動かしたい……。
でも閃メンバーでもクロウデュバリィ辺りが味方プレイアブルに入ってきそうだし、流石にここまでの人数の追加は望めないかな。
今作のパーティ分割して拠点攻略できるのとか楽しかったので、
ああいう感じで空パーティと零碧パーティが脇を攻略して、
メインを閃メンバーが突破…みたいな流れとかあったら震えますわ。

まあ、プレイアブルまでは流石にいいとしても、
空FCから鉄血の存在匂わせてきた帝国編はホントこれまでの軌跡の集大成だと思うし、そうしなきゃといけないと思うので、
惜しみなく過去の遺産をバンバン投入して、軌跡オールスターで盛大に締めくくって欲しいです。

・オリビエの活躍と放蕩皇子vs鉄血宰相の決着
空ファンとして、やっぱり元々軌跡の帝国編に期待していたのはオリビエvsオズボーンの構図なわけで。
戦闘でバチバチやらせるのは主人公メンバーに任せるとしても、
その背景で政治的にオリビエと鉄血宰相がやり合うような展開が見たかったのですが、
もう駆け引きどうこうなんて段階じゃなくなったし、オズボーンはロボ乗っちゃうしで、
そんな悠長なことも言ってられないような状況になってきちゃいましたね……。
一応新旧Ⅶ組両方がオリビエの意を汲んでいる設定だから、
代理人としての彼らの活躍がオリビエの間接的な勝利をもたらすってことなんだろうけど、
それだけじゃなく、オリビエ自身が何らかの形で鉄血勢力に一泡吹かせるような場面が見たいものです。
ただ、vs鉄血勢力の旗印をミュゼに持っていかれそうな感じだし、
流石にアレで死んではいないにせよ、復活が遅くなりそうだしでホントにしっかり活躍できるのか気がかりだわ。

あと、ついでにいえばオリビエの相棒・右腕としてミュラーにも活躍の場がほしいところです。
今のところ閃シリーズで全然目立ってないですもんね彼。
閃Ⅲでヴァンダールへのスポットやクルトの登場はミュラーの活躍フラグだと信じたいですね。

・オズボーンの散り様と悪役の処理
だいぶ過去も明かされ素顔も見えてきたりで、
流石に次回作でオズボーンは役目を終えて退場するものだと思っていますが、
ここまで長らく物語を引っ張ってきた立場として、最後はカッコ良く散ってほしいなと。
多分最後は、ダースベイダーみたくリィンの"父親"に戻って死ぬんじゃないかなーというベタな展開を予想していますが、
まあそれはそれでいいとして、とにかくどういう形にせよ、
強大な存在として威厳を保ったまま退場してくださいといったところでしょうか。

あと、敵関連で言えば気がかりなのは"悪役の処理の仕方"でして。
あいつもこいつも実は敵サイドの人間でしたー、っていう閃の展開を見ていると、
どうしても碧の軌跡終盤の嫌な思い出が蘇ってしまいます。
シャーリィやマリアべルを呑気に好意的に許容してしまい、
ヴァルドなんかは何食わぬ顔で味方サイドに居座ってしまっている。
あの終盤の展開はホント萎えたし、モチベーションが離れすぎたせいで支援課の印象も悪くなっちゃったもんなあ。
閃シリーズもああいう感じに流れて行きそうな空気感あるのが怖いところです。
元々味方と敵の間で揺れている感じのシャロン・クレア・レクター辺りまではいいとしても、
オズボーン・ルーファス・セドリック・ジョルジュ辺りのケリの付け方は慎重に進めて欲しいものです

・ハッピーで気持ち良いエンディングを
思い返せば、閃シリーズってⅠもⅡもⅢも、みんなモヤモヤさせっぱなしのエンディングを迎えている。
どころかさらに言えば、帝国編の前フリだった碧の時点から煮え切らない終わり方が続いているわけです。
個人的には閃Ⅱみたいな苦さを含んだ締め方もあれはあれで乙なものだと思ってるんだけど、
ここまでフラストレーションを溜めにためさせまくった分、
流石に帝国編のエンディングはカタルシス満点の爽やかハッピーエンドにしてほしいししなきゃいけないと思う。
正直、4作分もの"溜め"に見合うほどの成果を用意するのは難しいと思ってるんだけど、
そこまではムリにせよ、それなりのものを見せてもらわないとこれまでの溜めが、このシリーズがなんだったのかって話になっちゃいますよね。

そしてやっぱり、ここまでずっと苦しむ姿を見せられてきた仲間たちに、リィンに救いがあるようなエンドであってほしい。
そうあってこそ閃シリーズ自体も良い思い出になるでしょうし、
ここまでのドラマを経たうえで彼らがハッピーエンドにたどり着けたなら、
次のシリーズで登場したときにも大きな存在感を持てるようになって、軌跡シリーズ全体にとっても財産になるんじゃないかなと。
ただ、前述したように今作のあの締め方みちゃうと、どうにもリィンがスッキリ救われてくれるとは想い難くて辛いです……。

他にもポツポツと細かい要望とかはあるけれど、大きなポイントとしてはこんなところかな。
……あ、あと流石にロボットバトルはもう閃シリーズだけで十分感あるので、
次のシリーズに引き継げないよう閃のラストでロボット全部ぶっ壊してほしいですね(笑)
まあ騎神はあり得たとしても、機甲兵はもう汎用兵器として定着しちゃってるっぽいから難しいか。

ともあれなんやかんやでプレイ際中はすごく楽しかった閃Ⅲだけど、
次作でのクライマックスを見届けるまでには、まだまだ評価も気持ちも決着がつかないってのが今の心境かな。
閃Ⅳは早くプレイしたいしさせてくれるべきだと思うけれど、
これだけの長い"溜め"に応えなきゃいけない作品なんだから、
焦って中途半端なものを出すようなことはそれ以上に勘弁して欲しい。ちゃんと妥協のない渾身のlast sagaを見せて欲しいですね。

全体的な感想としてはこんなところですが、余力があったらシナリオの振り返りとかキャラ語りとかも書きたい。

*1:3章は結社以外にも"北の猟兵"というガチモードの敵が紛れていたから、かろうじて危機感なくもなかったけど

*2:新Ⅶ組と結社の実験関連を削ったら3作目で締められた気がしないでもないけど

*3:実際に死亡したのはおそらくミリアムだけでしょうけど