「とのばな」最新話を見ての感想とか印象の変化とか

事務に向かない事務員と、駆け出しアイドルの話。

ネタバレ全開なので気を付けてください

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新章開幕、ということで、新キャラがいっぱい出てきたり、
新たな展開の始まりを予期させられたりと存分に楽しませてくれました。
やよいの弟・浩司とか近藤聡美とか、相変わらず細かいところから拾ってくるなー。
まあ、スピンオフ漫画の裕太郎や美心まででてきてたんだから、
誰が出てきてもおかしくはないのだけどw

そして何と言っても今回の肝は、
光のライバルとなる(?)新世代のアイドル・桜井未来とそのプロデューサーの登場。
スリードを誘い、立ち絵が出てきた瞬間に、「おおっ!」と驚かせるのが上手いシリーズですが、
特に今回の涼の登場シーンは秀逸だったと思います。
・自身が元アイドルで、事務員ながらレッスンの指導ができる。
・指導中のアイドルに母親の面影を見る。
・仕事上で、律子を「律子さん」と呼べることになったことを褒められる。
・自分のイメージカラーでもある、緑系統のカラーの携帯を所持。
(美希なら「フレッシュグリーン」と表記したんでしょうが、この時点では気づかなかった)
などなど、美希と涼の共通点を上手く抜き出し、
ギリギリまで光・美希コンビと錯覚させられました。
台詞回しもま〜実に憎たらしいことw

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そんなこんなで新章開幕早々テンションのあがった回だったんですが、
実は今回、僕のシリーズへの見方が少し変わった回でもありました。
いやむしろ、
「今までズレていた見方が、正しい方向に戻ってきた」
という方が正しいかなw

10話まで僕はこのシリーズを、
「大人になり真っ当に、立派に成長したかつての登場人物と、
新たな時代を作るオリジナルキャラクターたちの王道サクセスストーリー」として見てきました。

しかし今回のエピソードを見ていると、
本当にかつての登場人物は真っ当に、立派に成長してきたのかと疑問に思いました。
その理由はたぶん、過去のしがらみに囚われているキャラクターの描写が複数あったから。
絵理との離別を引きずって(?)、翔太に依存している風な尾崎さん。
暗い過去に締め付けられている涼。
それに、律子もまた何かに縛られているように見えました。

こういった負の側面は、今までも所々で顔をのぞかせてはいました。
尾崎さんについては初登場の時点で既に危険そうだったし、
前回、武田さんが麻薬関連で潰されたと言及されていたし、
律子だって、前々からそういう感じではあった。

でもそれ以上に、正の要素に引きつけられている節があったのです。
春香・千早・やよい・真美・伊織・律子・翔太・北斗などなど、
それぞれが自分の才能を活かし、新境地で活躍している。
今回登場した真も、まだ見ぬ響や雪歩もその様子。
冬馬はそうでもなかったみたいだけど、今は光のPとして立派に活躍中。
唯一気になったのはPとの恋に破れ、
みんなと違ってただの事務員として活動している美希くらいかなー。
その美希も、恋敵だった律子との間に確執がある様子はなく、
昔と変わらぬ彼女らしさが健在で悲壮感を抱かせない。

そんな中、今回は負の要素の方が凄く目について価値観が大きく変わりました。
特に、ずっと日の当たる道を進んできたわけではないと思われる涼・夢子・武田の過去の謎。
そしてこの三人と強く関わりのある、桜井未来の登場は本当にビックリ。
彼女は凄く重たいものを背負っているように思えますし。
今の東豪寺プロの描写からすると、
もう一人の新世代アイドル・ユウもまた大人たちのしがらみの中にいそうである。
そしてそれは、音無光にもまた言えることかもしれない。
それに、彼女の獲得に拘る律子にとって、
障害とも言える春香や伊織の存在はどう映っているのか。
765プロメンバーは何年経ってもみんな仲良し」と、さも当然のように思っていたが、
もしかしてこの世界ではそうはいかないのかもしれない。

……などなどいろいろと考えていると、
このお話は「王道サクセスストーリー」なんかじゃなく、
むしろ、かなり邪道な物語なのではないかなーと今回で思い改めました。

今思えば1話の初視聴時は、
「一度は961プロに吸収された765プロが、黒井社長のおかげで発展できた」
という設定に、「凄く大胆なifストーリーだなー」と感じていたんですよね。
でも、光ちゃんの初々しさやまっすぐさ、
それを支える黒井や冬馬のヒーローっぷりなどを見ているうちに、
いつしか凄く真っ当なサクセスストーリーとして捉えるようになっていたんだろうなー。

何にせよこれからは、今までとはまた違った視点で楽しめそうで嬉しいです。

……上手くまとめられなくてgdgdになりました、ごめんなさい!