「未完成のビジュアルクイーンたち」製作あとがき


動画投稿しました。以下製作に関しての後書き等になります。
ちょっと長いけど先に動画を見てから読んでもらえるとありがたいです!

製作動機


ズバリ、「熱いみきいお(いおみき)を描きたい!」ただそれだけです。

……えー、もうちょっと詳しく解説しますと、
僕はアイドル同士の組み合わせの中で、美希&伊織のペアが最もお気に入り*1でして。
わりとメジャーである思われるこのペアは、ニコマスでも主にノベマス等で愉快な漫才コンビ等として大活躍しています。
僕自身もそういった動画の数々を見ているうちに、初期はそこまで目立っていなかったこのペアを「はるちは」や「やよいおり」以上に好きになっていった口なわけですが、
しかし一方、僕が愉快な掛け合いと同じくらいにこのペアの魅力だと感じている「ライバル関係」としてのみきいおを扱った動画というのはあまり無くて。
ライバルとして火花を散らす2人を見てみたい。来ないならいっそ自分で妄想してしまおう……
2009年だか2010年くらいの頃には、もうそういう思いを胸に抱いていて、それがこの作品の始まりだったと記憶しています。

制作に至るまで

この動画、実は構想だけならかなり前から出来てました。
……なんて言うと何だか超大作みたいに聞こえるかもしれませんが、実際は僕の小心さやら怠惰やらの歴史だったりします。
あ、ここ無駄に長いので読み飛ばしても全然大丈夫です。

妄想し始めの頃は、SPのIUみたいなオーディションで2人がぶつかる……みたいな筋書きをうっすらと思い浮かべていただけだったんですが、
そこに訪れた福音がアイマス2の登場、さらに具体的に言うと竜宮小町」と「フェス」の概念の登場でした。
竜宮のおかげで、伊織は公式センター・リーダーを務めるアイドルとしてオーラが増し、765のエース美希と並べても遜色しないようになり、
また2つだけのゲーム公式ユニットとして美希のフェアリーと対比させることや、
先行する先輩ユニットの竜宮を美希が追いかけるという構図を描くことが出来るようになった。
そしてフェスのおかげで、より直接対決色を濃く反映した舞台を用意できるようになった。
この2つの設定にふれたことで一気に物語が具体性を帯びていき、
・元はデュオユニットだった2人がそれぞれフェアリーと竜宮のリーダーに。
・先を行く伊織、追いかける美希。そして2大トップアイドルになった2人はフェスで激突する…
というあらすじや、「1番で美希の回想→ステージ、2番で伊織の回想→ステージ、ラストは2人がいろいろ語った後にステージ」みたいな動画としてのおおまかな構造もこの頃には出来上がっていたと思います。

さらに、「合わせる曲は女性ボーカルのカッコいいアニソンがいいかなー」とボンヤリ考えていた*2ところに、
今回使用させていただいた「君の神話〜アクエリオン第二章」というビビッとくる曲にも出会えまして。
この曲が世に出た12年1月くらいには、もう実際投稿した動画にかなり近い設計図が頭のなかで出来上がっていたんじゃないかと。
ただ、当時の僕はキャプチャ環境も無ければゲーム素材のMADを作ったこともない身でしたので、
これを実際に作ってみようなんて発想が出てくることもなく、この物語はあくまで僕の妄想の中の代物としか考えていませんでした。

そうこうしているうちに、こういった作品が登場してきました。


前者は僕の妄想と同じく、フェアリーと竜宮のセンター・リーダーとして美希と伊織がフェスで対決するお話で、
後者も美希センターのユニットと竜宮がフェスで対決、しかも何とこちらは選曲が被っているという…w
まあ「竜宮とフェアリー(もしくは美希センターの別ユニット)でフェス」なんて僕でも考えてたようなアイデアなんで、そりゃまあ出てきて当然なわけですが。曲まで被るのは流石に予想外だったけどw
当時は僕も一応PV……かどうかは微妙だけどゲーム素材中心のMADを作って、キャプチャ環境も出来て制作に着手するのも不可能ではない状態だったんですが、
僕の妄想のものほどいおみきを前面に推したものではないにせよ、これらの動画のおかげでそれなりにいおみき欲を満たしてもらえたし、
それに、こういうこと言うのはよくないというか情けないんですが、
こんなクオリティ高いものが出た後に、自分の拙い動画を作るのもなあ……とか考えたりもして。
あと何より、「トップアイドル同士の頂上決戦」なんて大風呂敷を広げてるけど、自分にそれを表現できる気がしなかったんですよね。
だから、微妙なものを形にしてしまうより、このまま妄想の中での傑作に留めておく方が幸せに思えたわけです。

とりあえず、これ以外にも作りたいものはいくつかあったのでまずそちらを優先して、
いおみき動画に関しては、動画作りにこなれてきた頃にまだ熱意があったら取り組んでみよう、くらいの心持ちでいました。
そんな風に日和ってた僕の尻を叩いたのが、新作ゲームOFAの発表。
OFAの新しい世界観がニコマスの中心になったら、アイマス2の世界観で構成されてるこの物語はもう古い話になっちゃうんじゃないか
だったらもう、拙かろうがなんだろうが今のうちに世に出してしまえよと。
というかそもそも、滅多に動画作らない自分が「動画作りにこなれる時」なんていつになるやら分かんねーよと。
そんな感じで、昨年の10月頃にようやくこの動画の製作にとりかかる決意を固めたわけです。
ところが、この頃は就職活動やら何やらで現実生活がいろいろと忙しいことになっていて、動画作りにかまけてて大丈夫なんだろうか……という不安が押し寄せてきまして。
結局、序盤のノベルパートを作り終えた辺りで、早くも製作を中断するに至ってしまいました。
「リアルが落ち着く頃にはもうOFAが発売しちゃってるだろうけど、それでもまだ熱意が切れてたら製作再開しよう」という感じで。

それからいろいろあって、何とかモチベーションを切らさず完成までこぎつけられた一番の要因は、
中断期間中に見たムビマスでの「春香は美希のライバル」宣言だったように思えます。
「伊織と美希こそ最高のライバル関係」と信じている僕にとって、あのはるみき公式ライバル化は凄く羨ましく、また悔しいものがありまして、
それに対する反骨心からか、「ライバルとしてのいおみきの可能性・魅力を形にしたい!」って思いがより強くなって、何とか僕の熱意を繋ぎ止めてくれていたなあと。
……とか言いつつ、マイペース進行すぎて製作再開してから完成まで3ヶ月強もかかっちゃってたりするんですが。
流石に年跨いだらヤバい!ってか出来れば雪誕前には終わらせたい! ってことでここ数日ブーストかけて何とか間に合わせました。
やーホント、社会人生活やりながらコンスタントに動画投稿してる人たちは化け物だとつくづく思いますわ…w

そんなこんなで、別にそこまで色々手が込んでるような動画でも無いですけど、
個人的には長年妄想していたものが形になったということで、それなりに感慨深かったりします…というお話でした。

いおみきライバル論


ここまで「いおみきのライバルバトルがやりたかったんや!」という話をしてきたけれど、そもそもなぜ「ライバルとしてのいおみき」にそんなに魅力を感じているのか…という話を少し。
理由がおおまかに分けて3つほどあって、まず一つ目は性能面での共通点の多さ
共に14(15)歳で、華やかで、公式ユニットセンターで、何よりVi特化アイドルと来てる*3
Viの概念が不明確だからあんまり意識されてないかもしれないけど、いおみきのViってのはひびまこのDaやはるちはのVoくらい重きの置かれた才能であり、互いに面白い関係にあると思うんですよ。
やっぱり同じ土俵で競ってるからこそより栄えるものがありますよね、うんうん。
だから動画のタイトルもああいう風にしたわけです。作中で2人のビジュアルに関する話ほとんど拾えなかったけど……。
二つ目は、今度は逆にアイドル活動への目的・意識が対照的であること
家族たちへの劣等感があって、自分を認めさせたいという強い願望を持つ伊織。
何でもこなせちゃう万能感があって、当初やりたいことが定まってない美希。
そんな2人がお互いの姿を意識し、影響を受けていくというのがいいと思うわけですよ!ですよ!
んで3つ目。これはもう完全に私の好みですけど、伊織が絡む組み合わせであること
誰かとライバルとして火花を散らすってお話が一番似合う・熱くしてくれるアイドルはやっぱ伊織じゃないかなーって。いおみき程じゃないけど、やよいおり・いおたか辺りのライバルものも大変熱くて良いと思います。

全体構成


上述のように、「いおみきでライバル話やりたい!」ってとこから始まって、
2をプレイしてフェスを舞台にして戦わせようと決めたんですが、そこで一つ問題が。
それはストーリーの根幹をなす、伊織と美希をどうやってライバルとしてお互いに認識させるかって話です。
伊織の方は、ごく自然に美希をライバルとして意識してくれると思うんですよ。
同い年にあんな化け物がいて、しかも自分が一番自信のあるViで突き抜けてるわけですから。
競争意識の強い伊織が美希を意識してないほうがむしろ不自然、とまで言ってもいいんじゃないかと。
でも、美希の方に伊織を、ごく自然にライバルとして意識させられるかというと、正直ちょっと悩ましいところで。
僕のイメージだと、何の説明もなく美希のライバルに収まれる説得力があるのは公式認定された春香と、唯一さん付けで尊敬している設定がある千早だけ*4で、伊織は悔しいけどもう一歩足りないかなあと。次点くらいにはいると思うんだけど。

そこで、「弄ると楽しい可愛いデコちゃん」からもう一歩進ませるために、
「元々は一緒にデュオユニットとして活動していた」という設定を作り、その過程で特別意識するようになったことにしようと思い至ったわけです。
そのためには、伊織が美希に敬意を抱かれるような存在じゃないといけない→技術・精神共に優秀で、美希を引っ張っていく立場にしよう。
でもそれだと、伊織の美希に対する焦り・劣等感が消えてしまわないか→裏では美希に置いていかれないよう、必死で努力していたことにしよう。
……こんな感じで、元デュオユニット設定が固まってからはスイスイ話が組み上がっていったように記憶してます。

デュオユニット解散後の設定について。
伊織の2年目ユニットが竜宮小町になるのは当然として、
一方美希は必ずしもフェアリーにする必要はなかったし、美希センターユニットならみきまこゆきの方が好きなんですが、
公式ユニットとしてのわかりやすいのと、美希の後輩になるっていう設定上響貴音の方がハマりやすそうだったのでこっちにしました。
あと、ユニット活動重視なアイマス2の世界観で、ソロで最強決定戦をやるってのはやや不自然かなーとも思ったんですが、
何よりいおみきがやりたくて考え初めた作品なので、多少の苦しさを覚えつつも強引にソロ対決で押し通すことに。
それぞれトリオユニットでタイトル獲ってはいるけれど、
伊織と美希には竜宮・フェアリー結成前から既にBランクアイドルまで上り詰めていた実力・知名度があり、
さらにリーダー・センターとしてユニットを引っ張っているから、ユニット内でも特に突出した存在として認識されている。
加えてその2人自身が過去にデュオを組んでいたなんてこともあるから、ユニットを飛び越えて個人単位で現在の2大トップアイドルとして扱われている……って設定になってます。


それから、映像のインターフェイスについて。
冒頭の回想パートはもうまんまノベル形式でいいかなーと流してたんですが、
歌が始まってからのパートは、基本映像だけで表現して多くを語らないスタイルにするか、それともキャラにガンガン語らせて話を解説していくスタイルにするかちょっと悩みました。
ストーリー系PV愛好家としては前者の方が見栄えいいだろうとも思ったんですが、
完全にでっちあげストーリーなので両者の心情や闘う意義なんかを画だけで表現するのがちょっと難しそうだったのと、
何より、作りたいのは「PV」よりも「物語」だったので、結局PVとノベマスの中間みたいな形式に落ち着きました。
でもこれ、いざやってみると思ってた以上に文章を詰め込むのがキツくて、
特に2番の伊織の回想シーンは、考えてたことをイマイチ表現しきれなかったですね。
しかも台詞と映像両方を目で追うのはけっこう大変そうな感じになっちゃって、この形式はあんま理にかなってなかったかなあと。いやたぶん僕の作り方が良くないんでしょうけど。

各所解説


無印と2の世界観を繋げるために、無印のlevel1事務所から2のlevel2事務所に移転させてみました。
無印の事務所は4段階なのに大して2は3段階だから、いきなり凄く豪華になったように見えますね…w


ニコマスいおみき動画リスペクトその1。
致命的にネーミングセンスが無いこともあって、2人のユニット名を大好きないおみき動画である14Pの漫才シリーズからお借りしました。
でも「14steps」をそのまま使うのもどうかなーと思い、クイーンになる前段階ってことで「14Princess」って名づけました。活動開始次点では13歳だとか、15歳になったらどうすんねんとか気にしてはいけない。
ユニットが解散するのはもちろんちゃんと策略あってのことという設定ですが、どんなに売れてても一年経ったらマンネリを感じて解散する無印の原作準拠でもあるつもりです。


最初は2人の対決を告知するポスターみたいなを作ろうかと思ったんですが、
デザインセンスが問われそうだったので、ニコマスではお馴染みのスポーツ新聞的なやつをでっちあげることにしました。
個人的には赤ペンPのイメージが強いんですが、これ最初にやりだしたの誰なんだろう。


「竜宮がIA」「フェアリーがIU」っていう原作とは逆の状態になっているのは、竜宮が先にトップになってフェアリーが追いついたって設定に合わせたものです。
フェアリーはデビューがやや遅れたのでIA戦線では一歩及ばなかったものの、
破竹の勢いでアイドル界を駆け上がり、765の代表に選ばれて出場したIUで見事ジュピターを倒して優勝したことになってます。
あと、それぞれ原作のSP・2で穫れなかったタイトルを取らせてあげたい……みたいな含みもあったり。

フェアリーのユニット名は何となく「プロジェクトフェアリー」を使いたくないっていう拘りがあるので、フェアリーという単語が入るそれっぽい奴にしました。
決してゲームだとproject fairyが英語でもカタカナでも入りきらないからってわけではないのです、



衣装とステージについて。
伊織に着せるのがオリオンネビュラなのは即決でした。
2の伊織のVi衣装デザイン好きだし、中でもこれが一番トップアイドルオーラが溢れてる気がするので。まさに伊織の勝負衣装だと思います。*5
美希の方は、個人的にはDa衣装の方が好きだったりするんですが、
ビジュアルクイーン同士の闘いってことでやっぱVi衣装で揃えたかったので、一番オーラを感じるムーンライトシャンパンをセレクトしました。
ステージについては、フェス会場の中で一番「頂上決戦」感があるという理由でスタイリッシュメジャー/マイナーになりました。
一応2のラスボス戦の舞台でもありますしね。作中で出てくる「ヴァニティプラザ特設会場」ってのもジュピター戦の時の会場名から取ってます。


ニコマス外からのパク……リスペクトその1。
ここのやりとりは逆転裁判2のエピローグを思い出しながら書きました。
伊織に何か痺れることを言わせたいなあと思ったら自然とあのシーンが浮かんできたもので…。


ニコマス外からのリスペクトその2。
隠す気もないのでバレバレだと思いますが、はじめの一歩の一歩vs千堂での名シーンを意識してます。
ライバル同士が高め合ってる! みたいなことを言わせたいなあと思ったら自然と(ry



ニコマスいおみき動画リスペクトその2。
ここぞというところで2人がちゃんとお互いの名前を呼ぶってのは、言わずもがな弓削P青雲シリーズの影響です。
原作基準でいくと、伊織の方はもっと素直に「美希」って呼ぶと思うんですけど、
これをやりたいがためにずっと「アンタ」とか「アイツ」とか呼ばせちゃいました。
弓削Pのこの設定は特殊な背景設定があってこそで、上辺だけ真似しても薄っぺらくなる気もしたんですが、それでもやりたかったのでしょうがない。
デュオで一緒に活動する中で、伊織が美希を名前で呼ばないような関係が出来上がっていったんだと脳内補正してくれたらありがたいなあ。


ラストはOFAの専用曲・専用衣装・新バーストアピールで締めることに。
作り始めた時点はOFA発売前で当然こんなものは存在しなかったので、
普通にダンスだけで組むか、ここでバーストを使うか、それともトリオバーストを編集で分身の術みたいな感じにして使うかの3択って感じでした。
しかし制作進行が遅すぎたのが幸いしてこういう素材が来てしまって、当然使用を検討し始めたわけですが、
・2の世界観で組み上げてるところにOFA要素をぶち込んでいいものか
・全く別の衣装からいきなり変身しちゃうのはファンタジーすぎてどうしたものか
という2点でいろいろと悩んでました。
でも、そこまで2の世界観準拠に固執する必要もないかなあってのと、
やっぱり個人を際だたせる上でこの必殺技的な演出はほしいってのとで使用することに決めちゃいました。
衣装が変わってる点は、大トリの曲を披露する前に一度舞台を降りて普通に着替えてきた…ってことでw

とりあえずこんなところかなー。
シナリオ設定とキャラについてのもうちょい詳しい解説とかも気が向いたら書くかもしれません。

あと、フェスの結末について動画中では描かれてませんが、
僕の中では一応勝者・敗者がどっちになるのかハッキリ決まってます。
でも「勝つのはこっち」って思いながらシナリオ書いてたので、もしかしたら動画の中でも察することが出来るようになってるかもしれません。
一応、そうした勝敗も含めた後日談的な話も構想にはありまして。
まあ動画にするほどのものではないんですが、もしかしたら何かの折にこのブログ辺りで公開したりするかも……。

ではでは、長い動画を見て、おまけにこんな長い後書きまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
「やっぱりいおみき(みきいお)って最高だわ」って思っていただけたらなら幸いです。

*1:亜美&真美の組み合わせを除く

*2:おそらく「ライオン(tloP)」の影響と思われる

*3:え?ミリマスの伊織はVo属性? 知りませんよそんなこと!(未だに根に持ってる)

*4:2ではあずささんを慕ってるって設定もあった気がするけど、浸透してないし個人的にもあんまりしっくり来てないので…

*5:PS3版だと貴音シナリオのクリア報酬だったとか気にしてはいけない…