「うちのクラスの天海さん」がいろいろと素敵すぎた

大好評のすっきりぽんPの新作、「うちのクラスの天海さん」。
僕も存分に堪能させてもらいました。

実は単品記事を書くタイミングを若干逃したので、
もう「今週のお気に入り」で済まそうかなーと考えてたんです。
でも分量があまりに多くなりそうなので、結局個別で書くことにしましたw

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さて、何から書こうかな……
まあどうせ僕が綺麗にまとめられるとも思えないので、
思いつくがままに筆を走らせていきます。

少年の話

もちろんこの動画のヒロインたる春香さんにもふれねばなりませんが、
まずは語り手である男子高校生の話から。
名前は分からないので…まあ、少年とでもしておきましょう。

この少年の背景については、特に描かれてはいません。
彼がどんな人生を送ってきたのか。
勉強は出来る方なのか。部活は何かやっているのか。
友人関係は。クラス内での立ち位置は。
……などなど、そういった諸々のことは一切分からない。
人格についても、
グラビアを見るシーンなんかではいかにも男子高校生らしい一面をのぞかせるのに、
一方でたまに超然とした印象を受けることもあり、
なんというか、こう、捉えどころのない奴だなーとw
でもそれ故に、多くの人の共感を呼びやすいのかもしれませんね。

後、これはやや個人的な話なのですが、
おそらく春香さんに惚れているであろう少年の、
春香さんとバーガーショップで会話するときのウブな態度や、
自然と好きな人のことを目で追っちゃうところなんかが、
妙に高校時代の僕と似ているんですよねー。
「明るくて誰にでもなじめる子。
クラスのアイドル的存在ではないけど、よく見るとかわいい子」
……という好きになる相手のタイプまで似ているから困るw
だから、自然と彼と同じ目線に立って春香さんのことを見てしまうのです。

そしてそんな彼が、ステージで立派にアイドルしている春香を見たときに、
「尊敬」という感情を抱けるのがとても素敵だと思いました。
こいつは僕と似ているんだけど、
でも僕よりも素敵な感性を持った人間なんだと思わされました。
なんかこう、敗北感のようなものが……w

天海春香の話

魅力的すぎたっ!

いやもう、ホント終始ツボ突かれまくりでしたわ。
まず冒頭部分がいきなり素晴らしい。
男子の中での春香さんの立ち位置から、
さっきも言った通り、僕が高校時代片思いだった相手を連想させられましたw
ここでもうバッチリ惹かれてたわけですが、
その後に少年の視点から描かれる春香さんの姿がさらにそれを加速させます。

何といっても一番印象深いのが、「はにわスタイル」
もうこれがあまりに絶妙すぎました。
ああ、そりゃあ「はにわ」の子が男子の一番人気にはならないよなーと。
でも、そんな素朴でほんわかしたところが素敵だなーと。
前にツイッターでどなたかが
「春香の“遠距離通勤”って設定を考えた人は天才だと思う」
みたいなことを呟いてて、すっごく同意してたんですが、
それと同じくらい、このはにわスタイルの設定も秀逸だと思うのです。

そしてそんな子が、華やかなアイドルの世界にいるというギャップがたまらんのですよ。
普段ははにわなあの子が、
可愛らしい衣装を着てイベントに臨んだり、水着でグラビアに乗ったりするってのがもうね!
語り手の少年と一緒に、僕も「うわぁお」と心の中で驚嘆し、
ドキドキしながら春香さんの水着グラビアを眺めてましたw

さらにさらに、アイドル稼業が徐々に板についていき、
ステージ衣装も様になっていくものの、
学校ではいつもの「天海さん」なところがまた素敵なんですよね!
アイドル活動の告白を、カナブンの話と一緒にしちゃうそのあっけなさが、
注目を浴びるようになっても、笑顔で芋を頬張るその飾らなさが、
僕の心を惹きつけて離さないのです!

これぞ等身大のアイドル、天海春香だと言わんばかりですよね!

クラスメイトの視点からアイドルを描いた物語、といえば

こちらを思い浮かべる人がたぶん多いと思います。
この動画では美希が、学校内でも一際目立つ存在で、
学校内の憧れの的…学園のアイドルとして描かれています。
一方春香さんは「よく見れば可愛い、はにわの子」なわけでして、
この違いが、そのまま双方のアイドルとしての魅力の形の違いに直結しているのではないかなぁと。
ああー、なんかもっと二つの動画を上手くからめて話したかったけど、
僕の筆力では絶対にgdgdになる、というか既になってる……
もういいや、投げよう。というわけで次の話へ!

距離感の話

全編を通して、少年と春香の距離感が絶妙すぎるんです。
パセコで少年に気づいた春香は、イタズラっ子のような笑みを浮かべる。
そして何か話しかけようとするが、女の子の介入で阻止されてしまう。
だからといって、翌日に学校で会っても改めて話をしたりはしない。
でも、わざわざ少年にチケットを渡すためにドムドムバーガーを訪れる程度には気にかけてもらえている。
(この辺はすごろくさんが解説してくれてます
と思ったら、ステージの後に会話をかわすことはない。

この何とも言い難い微妙な距離感が、僕の胸を締め付けるんですよ……

語り手の少年と似ている、と自負している僕から言わせてもらえば、
こいつや僕みたいなやつが好きになるのは、
決して近づけない高嶺の華ではなく、この程度の距離感を取れる子なんですよね。

そしてきっと、この距離は最後まで埋まらないのです。

春香さんの中では、あくまで彼は一クラスメイト。
アイドル活動を目撃されたという縁はあっても、
だからって彼を特別な存在と認識してはいないのです。
そんな感じで、2人の距離はずっと今のまま平行線をたどり続ける……
ええっと、少なくとも僕はそうでしたw
たまに話しかけてくれたりするし、僕の話を聴いて笑ってくれたりもする。
でもそれは別に僕に限った話じゃないんだよなー。
……なんか恥ずかしい身の上話が始まっちゃったのでこの辺でやめときます!

でもこういう僕と少年との奇妙なシンクロ感があるからこそ、
この動画を見ているとノスタルジックな感傷に浸っちゃうんです。
といっても、高校時代はつい一年前の話なんですけどねw

きっと10年後くらいにこの動画を改めてみたら、
その感傷はより強くなるんじゃないかなーなどと感じています。

巧みさの話

今までシナリオやキャラクター描写の話をしてきましたが、
最期にちょいと話題を変えます。

実はこの話、動画化される前にpixivでテキストのみのものを拝見していたんですよね。
でもだからといって動画の視聴時に退屈さを感じることはなく、
むしろ2・3回リピート再生しちゃうほどなんです。

これはすっきりぽんPの、動画の作り方の巧み故だと思います。
この人はたぶん、お話を最大限魅力的に表現できる画作りってのを理解してる人なんですよね。


大人数がワイワイ入り乱れる、ドタバタ人情コメディのアイドル寮にはビジュアルノベル形式。

はるちはと律子が繰り広げる会話劇、「私たち、結婚しました」には、
台詞枠を必要とせず、視覚的に楽しいこの形式。
(呼び名がよく分からない……弓削Pの動画でよく見られるやつとでも言えば伝わるかなw)

んで、一人の人物の視点からキャラクターを捉える今回の動画には、サウンドノベル形式。

いろんな形式で動画を作ることが出来て、
そしてその中から、シナリオを活かす最適解を選んでいるなぁと。

形式の選択だけじゃなく、その枠内での魅せ方もまた上手いんですがね。
今回も、軽快で小気味よい少年の語り口。
それに春香さんの立ち絵が反応してみせたりする遊び心のある演出。
いい味を出している、たまに使われる影絵や「ゲッツの」一枚絵。
所々の文字を強調。BGM・SEの選択、
そういった諸々の要素が絡み合って楽しい作品になっているんだなぁと思います。
単に話が面白いってだけじゃあ、この作品はここまでヒットしてませんよ。

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予想通りとはいえ、やっぱりgdgdな感想になっちゃったなぁ。
特に少年の境遇を自分と重ねあわせまくっている辺りが、自分で読んでてもちょっと気持ち悪いw
あまりにも恥ずかしくなったらこっそりエントリ消しちゃうかもしれません。
そのときは…「お察しください」ということでよろしく。