やっと彼女と向き合えた アイマスクエストⅣ 109話 「ルビスの涙」 感想(後半)

アイマスクエストⅣ 109話 第八章13「ルビスの涙」

前半:明らかになった大きな謎と、新たに生まれる疑問

※以下109話のネタバレ含みます


前半は今回判明した事実を受けての状況整理だの、新たな疑問だのの話をしたわけですが、109話の内容自体にはほとんどふれていませんでした。
だから後半で、と思ったのですが……何から話したらいいのか見当がつかないw
というか、上手く書けないから二分割して引き延ばしたようなもんですw

何というか、今回の話を見るに当たっての心の準備ができてなかったんですよね。
「ちょwww またぷよm@sと同日にきたwwwww」みたいな軽い気持ちで動画を開き、
「今回はわりと再生時間短めだなー」くらいの意識で再生ボタンを押した……そんな感じだったと記憶しています。
そんな無防備な状態であの話を受け止めちゃったもんだから、もう胸がいっぱいになっちゃって……
「感動した」という面では6章ファイナル以上かもしれません。
脚本も演出も、何もかもが僕の心を刺激して止みませんでしたから。

今回でついに、閣下という存在の正体についてはっきりと明言されましたね。
というか今回でここまで踏み込むと思ってなかったから、それで不意打ちのように涙腺をやられたんだよなーw

だってさあ……あまりにも切なすぎるだろうがあああああああ!

世界を救うために何度も転生して。
いろんな勇者と、更には魔王とも共に厳しい戦いの日々を送って。
秘法の発見でようやく解決の糸口が見えたかと思えば、そこのは暗闇が待ち受けていて。
このままでは、誕生を阻止しようとして闘い続けてきた大魔王に自分がなってしまう。
そして、守り続けてきた世界を自身で壊してしまう。
……ほんっっっとに、ドラクエ世界の運命って残酷すぎますよね。
マスクエを見る度に思い知らされてきたことですが、今回改めて強く、今まで以上に感じました。

でもそんな状況でも、閣下は最後まで抗い続けてきたわけですよ!
勇者のような絶対に諦めない意志を持ち、魔王のような威厳を見せつけて。
悲しい宿命も勿論ですが、その中でも輝く彼女の強さこそが何よりも堪えるんですよね
ルビスにとっても、春香にとっても、そして僕にとっても……
108話でタロットの光を自身にぶつけていたのなんかも、様々な試行錯誤の一幕だったんだろうなー。
今見ると凄く切なく・悲しいシーンです。

まだ全てが明かされたわけではありませんが、
閣下の正体や経歴、そして目的がある程度語られたことによりある程度真意が見え始め、ようやく彼女とある程度向き合えた気がします
この意味は僕にとって果てしなく大きい。
だって出会ってから三年以上もの間、ずっと彼女は謎だらけの存在だったわけですから。
「魅力的なキャラクターだとは思うけど、アイドルたちほどの思い入れは無い」とは、107話の感想で僕が閣下に対して述べた言葉。
これは、僕が閣下という存在をどう捉えていいのか戸惑い続けていたから。
けれど今回でついに、心にかかっていた霧が晴れ始めました。
ようやく閣下がアイドルたちと同じ土俵……いや違うな。
まるで別次元だけど、けれどアイドルたちと同じくらいの高みにある場所まで登りつめてきたように思えます。
投票所でも初めて閣下に一票入れきましたし。というか今回は入れざるを得ないかw

 
まだまだ閣下関連については語りたいこともあるんだけど、その全てを言語化できそうにはないのでこの辺でストップ。
他にもいろいろ気になったことはあったので、そちらに切り替えていくことにします。

・美希
ついにアイドルたちの元に帰還しましたね!
目覚めとしても、ピサロを守りたいと願う彼女がみんなと共に戦うとは限らないんだけど、それでもやっぱり嬉しい。
後刻印が消えたのは、やっぱり閣下が闇を吸い出したからなんでしょうね。
美希がアイドルの元にいること自体が、閣下が消える前に残してくれた最後の置きみあげなのかも……って結局閣下の話になってるしw

・あみまみまこ
8章に入ってから完全にセットになった感じがしますね。
「亜美はもう真の乗り物だな」ってコメントで吹いたw
そしてこのトリオの会話はいつもすっごくいい。癒される。

シリアスブレイカ―の亜美が入ることで、彼女に相対する真美の可愛さ・癒し成分が存分に発揮されるのです。
まこまみだけではこの味はきっとだせませんよ。

・千早
前回「やよいだけは春香の支えであり続けるはず」と書きましたが、千早のことを失念していたようです。
千早に心から謝罪と、そして感謝をしたい。


思えば5章・52話で初めて春香の心をさらけ出させたアイドルは千早でした。

55話で、春香が巨大ニフラムを放ち、世界を救いたいと決意した場に立ち会ったのも千早。

7章プロローグではこんな一面も。

春香と境遇が似ているってのもあるみたいですが、千早がとてつもなく純粋だからこう振る舞えるんじゃないかな。
春香が特別な相手って訳では無く、たまたま未熟な春香が相手だからこそその優しさが引き立つのです。
特に5章の春香って、とんでもなき悲劇からスタートしていろいろ抱え込んでいましたしね。
そんな相手に容赦なく踏み込んでいけるし、一緒に笑いあえるこの世界の千早は本当に素敵な子だと思います。
そりゃ雪歩も伊織も守りたくなるってもんですよね、うん。

・ルビス・あずさ

この絶望的なステータスを見て、ルビスも必死で我が身を削ってきたんだなぁと。
彼女もまた長い年月の中でいろいろなものを目にし、苦しんできたのでしょう。
閣下を襲った残酷な運命も、見ていて凄く堪えただろうなー。

そういや今回も対話相手にあずさが選ばれたわけですが、あそこにはやはり彼女しか踏み入れることはないかと思います
真たちとお互いに、相手側が迷子になったと言っていましたがねw
タロットの力とはいえ闇を封じる光を放ち、生命を癒しの力に変える術も持つあずさは、人間ながらルビスに近い存在なんですよね。
導かれ者の中で最も光に近い存在であり(勇者を除く)、その姉の美希は最も闇に近い存在。
こういう視点から見てもこの姉妹の組み合わせは面白いですねー。

・春香

言われるまでもなく、閣下を消さなければならないことを感じ取っていた春香さん。
閣下のためにも彼女を消さなくてはならないと思いつつも、心情的には複雑ってとこなんでしょうねー。
しかし、春香がこのまま30日をすごすことはないでしょう。
閣下を消す覚悟を固めるか、閣下が予言から逃れられる道を探すか、それとも急なアクシデントで使う機を逃すか……
いずれにせよ、物凄く苦しい展開が待ち受けているんだろうなー。
夢を通して歴代勇者の思いまで受け継いじゃって、何かもういろいろ背負いすぎですよ。
でも仲間たちが支えてくれるし、春香自身がこの試練を乗り越えられる強さを持っていると信じてます!

・演出の話
閣下の真相に胸が熱くなった今回ですが、演出にも泣かされました。

春香が千早に対して勇者の戦いを語り、一方でルビスがあずさに対して閣下の過去を順を追って話していく。
表情豊かに英雄譚を繰り広げられ、その後に裏で行われていた「姿なき神」閣下の長く険しい闘いの日々が描かれる。
最後にルビスが明かす残酷な予言の運命、春香に託す願い。
そして何といっても、このタイミングで流れ出す勇者の故郷が反則的なんですよ!
ルビスの想いと、それを自ずから悟った春香の姿とあの哀愁溢れるBGMの相乗効果で僕の心は揺さぶられっぱなしでした。
何度見ても、本当に美しい流れですなぁ。
連載開始から4年以上引っ張ってきた閣下の真相にふれる回に相応しい、完璧な演出だと思います。
もう何もかも素晴らしくて、本当に素晴らしいエピソードだった!
8章では99話や104話のような熱くて華やかなバトル回が「神回」と称されてきましたが、僕にとって今回はそれらを上回るほどの最高の一話です。