魂震わせる情熱のフェスがここに
散髪屋PがbrookPのあれをリスペクトと聞いて速攻で飛びつきましたが、期待以上に素晴らしいものを見せてくれてもう感激。
上半期20選のときに書きましたが、
散髪屋Pは2発売以降僕が見たかったストーリーPVをまさに形にしてくれる人であり、個人的MVPともいえる存在でした。
それだけに下半期に入ってから新作がこないのが凄くもどかしかったんですが、
まさかこのタイミングで、こんなものを見せてくれるとは……もう散髪屋P愛してる!
何といってもこの動画は構成の勝利ですよね、うん。
765エンジェルの、
竜宮小町の、
月下美人の、
乙姫'sの、
それぞれの53週。(正確には、竜宮小町だけはもう少し多いのですが)
それらを3分以上かけて順番に描いていき、溜めに溜めたところでついに運命の54週目。
全ユニット入り乱れての頂上決戦という最高に熱い構図に、
アイドルたちが背負う53週の重みや、
ここにきて始めてアイドルたちがステージに立ったことへの興奮なんかも加わって、まさに情熱的なフェスが繰り広げられます。
感動だの興奮だの喝采だの、いろんな感情が入り混じった状態でこのフェスを食い入るように見ていました。
原作における54週目の「FIRE BALL」はジュピターとの直接対決ってだけにすぎませんが、こういうifも面白いですよね。
ディアリースターズや魔王エンジェルや新幹少女やその他諸々のアイドルたちも集った、全アイドルたちの一大決戦!
このシチュエーションで燃えないはずがあろうか……あるわけない!
後、765プロアイドルが4つのユニットに分かれて頂上決戦……という話って、実は僕が当初アニマスに期待していた形そのものなんです。
その期待とは違う方向に進んだけれど、今のアニマスの出来には非常に満足しています。
でもかつて思い描いていた物語がここで、これほどのクオリティで現れたのは、言葉では言い表せられないほど嬉しいものがありました。
そういう面でも、僕は散髪屋Pの感謝せずにはいられないのです。
以下いろいろ気になった点をダラダラと書き連ねていきます。
・歌詞と映像のマッチ
散髪屋PのストーリーPVは全体の大筋から細かいところまで、曲の世界観にバッチリ合わせてくるのが素敵です。
実際今回も、とにかく熱い曲に合わせてとにかく熱いストーリーが出来上がっていますしw
大きな流れに目を向けるとすれば、2番の歌詞がまさに竜宮小町の物語そのものという絶妙ぶり。
一方細かいところだと、
ここがすっごく好き。何度見ても震えます。
「転んでは立ち上がる」という歌詞そのままの動作ももちろんですが、
何より体勢を立て直したときの春香の表情がたまりません。
・アニマス素材
ちょくちょく挟まれているアニマスの映像が凄く効果的でした。
サイリウムの映像はステージシーンの盛り上げに一役かっていますし、ストーリー的にも凄く活きている。
特に上手いなぁと感じたのは、「乙姫's」パートにおけるアニマス12話のシーンの使い方。
765エンジェルや竜宮小町に比べて尺が少なくなってしまうところを、
視聴者の頭の中にあるアニマスの物語を呼び起こし、想像を膨らませることで上手く補強していると思います。
(視聴者の全員が全員アニマスを見てるって訳では無いでしょうがね)
同じく尺の少ない「月下美人」の方も、団結の力を知った千早と、独りで戦う冬馬との対比構造に絞ることでカバーしていました。
こちらも僕はそのテーマのためか、
散髪屋Pの前作「現実という名の〜」を思いだし、あの作品の春香・美希を雪歩・貴音に置き換えて脳内で補完していました。
まあ美希の例と違ってこちらは少数派だと思いますがw
アニマス素材といえば、
この1カットで律子の物語を回収してくれたことも嬉しかった。
アイドルに復帰させるという流れに持ち込まず、あくまで彼女をプロデューサーとして描いてあげて、
けれどスポットを当てることは忘れない姿勢が素晴らしいです。
・ジュピターの物語
765プロ4ユニットの物語に合わせて描かれた、ジュピターの物語が予想外に素敵で不意打ちを食らった気分でしたw
「仲間がいること」の強さを思い知った冬馬のところに、翔太が駆け寄ってきた瞬間の感動と言ったらもう……
そこからユニット名が変化する演出もこれまた素敵。
華々しいステージシーンの入り口に相応しい力を持っていると思います。
・アクセサリー
765プロのプレイヤー側のユニット3組は、それぞれ違うアクセサリを付けています。
特に春香たち「765エンジェル」のアクセサリーは、散髪屋Pの過去作でも見られました。
(「できっこないをやらなくちゃ」より)
(「現実という名の怪物と戦う者たち」より)
この辺は人の感性次第でしょうが、僕としてはアイマスのアクセサリってつけない方が見栄えがいいって場合が多いんですよね。
実際ニコマスのPVではアクセサリがついている方が珍しいようにも思えますし。
でもゲームを進めるときは、ステータスを上げるためにアクセサリをつけることとなります。
ここからは完全に僕の想像なんですが、動画内でアイドルたちがつけているアクセサリ…特に「宝石ヘッドティカ」など春香がつけているものは、
散髪屋Pが実際にアイマス2をプレイしていたときに使っていたものなのではないではないかと考えています。
そしてアイマス2の物語を紡ぐうえで、思い出が詰まったそれらの品々は切っても切り離せないものなのではないでしょうか。
映像的に見栄えのいいアクセサリはきっと他にあるけれど、それでも散髪屋Pはこのアクセサリを使い続ける。
そこに、アイドルたちと積み上げてきたものが詰まっているから。
そんな様々な思いの結晶だからこそ、散髪屋PのPVはここまで心に響くのです。
……なんかいろいろ語っちゃったけど、これで全く見当違いだったら恥ずかしいなんてもんじゃないね(><)
・竜宮小町のリーダー・伊織
ここからは、動画の内容そのものとは少し離れたおまけ話。
今回の動画は、各ユニットのリーダーである春香・千早・美希・冬馬・そして伊織が中心的になっています。
このメンバーの中に、伊織が違和感なく、堂々と並び立てるということが凄く感慨深いのです。
僕にとって、春香・千早・美希の三人は他のアイドルたちよりも少し高みにいる特別な存在なんです。
2になってややオーラが薄れたものの、圧倒的な存在感のある貴音や、
ノベマスで最強のアイドルポジションに収まることの多いあずさなんかもかなり「格」の高いアイドルではあります。
それでも僕の中では尚、はるちはみきだけが別格であり続けました。
この辺の細かい理由とかは、語るの難しいし長くなりそうなので割愛させてもらいます
そんな中、伊織が2でビジュアルが変化し、何より「竜宮小町のリーダー」というポジションを手にしたことで、
はるちはみきの域に到達するのではないかと思い始めました。
伊織ファンの贔屓込みかもしれませんが、アニマスもはるちはみきに加え、伊織を軸として展開させてもよかったのではないかと思っています。
きっと今の伊織には、それだけの力があるはずだと。
そして実際今回の動画で、伊織がはるちはみき(+冬馬)に全く引けを取らなかったことで、その予感は確信へと変わりました。
2で伊織がプロデュースできなくなったことは、「残念」「憤慨」などといった一言では片づけられないほどいろいろ思う所がありますが、
一方で「『竜宮小町のリーダー』という立ち位置にならなければ、僕の中で伊織がはるちはみきと並び立つなんてことは無かっただろうなぁ」なんてことも最近は考えます。
といった感じで凄く複雑なんですが、伊織がそこまでの存在になったことは純粋に嬉しいです。
そんな今の伊織だからこそ、「DIAMOND」を高らかに歌い上げることが出来るのだから。
何か最後の方で盛大に脱線しちゃいましたね……
ともあれ本当に素晴らしい動画でした。きっと今後何度も見返すことになると思います。
そしてこんな動画が、2011年も終わろうかというこの時期に出てきてくれたことに心が震える。
激動の2010年を過ぎ、アイマス2の発売を迎えた今年。
やや心配していたものの、これまでと同じく傑作との出会いは何度か用意されていました。
ニコマス全盛期ほどの勢いはないかもしれませんが、今も新作に心躍る日々は続いています。
でも、それでも、僕の中できっと何かが足りなかった。
その欠けているピースをこの動画が埋めてくれたような、そんな気がするのです。
だから僕は、昨年末「????」にハッとさせられたときと同じように、
この動画に、そしてその製作者にいくら感謝してもし足りないと思います。
でも、書かないくらいよりは……と思うから最後に書き記しておきます。
散髪屋Pへ。
ほんっっっとうにありがとうございました!