爆発の瞬間は果たしてくるのか



過去に書いた紹介記事:魔王エンジェルと876組の関係が素敵な王道アイドルストーリー「Satan×Stars」シリーズ

投稿ペース的な意味では今年一番楽しませてもらったシリーズなんですが、ここにきて化け始めた感。
このシリーズの最大のポイントと言えば、
着々とフラグを積み上げ、展開に説得力を持たし、人間関係の広がりを丁寧に描いていく抜群の安定感なんですが、
その一方で、突き抜けたセールスポイントがいまいち無いようにも思えたんですよね。

でも今まで丁寧に積み上げてきたものがいつか爆発したら、物凄い展開が見られるんじゃないかと密かに期待していたんです。
強キャラが揃って作中最大の闘いが描かれたシークレットオーディション編とかはかなり惜しいところまでいったんですが、一歩届かない感じでした。
そしてその片鱗が見られたのが、今回の麗華・愛編終盤。
麗華のステージを見て涙ぐむりんの姿の感動とか、
愛のインタビューシーンの熱さとかは、今までの長い積み上げがあったからこそでしょう。

また、そんな長い道のりの成果を何よりも感じさせるのが夢子の存在
実のところ、このシリーズで一番おいしい立ち位置にいるのってたぶん夢子なんですよね。
メインの6人はそれぞれ○○編という形でエピソードが3つに分断されましたが、
夢子は2番目にスポットが当たっている事務所のリーダーとして、全てのエピソードに万遍なく関わってきました。
そして、長いスパンの中で誰よりもしっかりとその成長ぶりが描かれています。
その夢子が今回のエピソードでああいう立ち位置にいて、そしてラストにあのステージに立ったということが、
サタンスターズの今までの物語が全て活きてきている最大の証拠ではないかと思います。
たぶん、このシリーズほど「アイドルとしての夢子」を魅力的に表現しているノベマスは他に無いんじゃないかなー。

後一話でれいあい編が終了し、外伝的な話を挟んだあとはついにラストバトル編に突入するとか。
今回はまだまだ片鱗が見られた程度だったので、そこでもっと凄いものが見られることに期待しています。
今まで丁寧に描いてきた1054・876・961・DNA各プロダクションのキャラや、その間の複雑な人間関係。
そして高次元のバトルとなれば、765プロのキャラクターたちの本格参戦もあるかもしれない。
それら全てが絡み合ったとき、果たしてそこにどんなに熱い物語が生まれるのか……
51話の愛の台詞は、そういった期待を抱かずにはいられないだけの熱量を持っていましたよ。
来年はどんな展開を見ることが出来るのか、いやー実に楽しみだなー、うん。
今までも安定して面白く、外すことが全く無かったシリーズなのでホント純粋に期待できます。
唯一不安なのは、今回のエピソードで若干765プロ、しかも強キャラの美希と伊織の格を下げちゃった感じがすることかなぁ。
あくまで個人の資質で戦ったわけではなかったんだけど……