楽曲に新しい命を宿すアイドルの歌声


「自作曲を人力ボカロでアイマスキャラに歌わせる」という発想は今までもいくつか見てきましたが*1、よく考えるまでも無く凄いことですよねこれ。
ちょくちょく似たような意見を見かけたけど、アイドルプロデュースの一つの究極の形と言えるんじゃないでしょうかね。

でもこの曲って別に「アイドルに歌ってもらおうとして作った曲」ってわけじゃなく、
渡り鳥Pが過去に作っていた曲を人力ボカロで再リリースしたという形なので、今までの先駆者たちとはちょっと事情が違います。
元はミク&リンの曲だったようで、そちらの方は見た覚えがないので、どんな感じだったのか僕には分かりません。
でも今回初めて聴いたこの曲がこんなにも温かく、心に響くのは、これが「春香と千早の歌」だからこそじゃないのかなぁ…なんてことを考えました。
決してボカロをdisるつもりは無いんですが、
生身の人間の音声を使用する人力ボカロはその特性上より強く感情が宿ると思うし、
さらに、そこに春香・千早という明確な個性や関係性を与えられた“アイドル”の物語が宿る。
そうなるともう、良し悪しは抜きにして元の楽曲とは別物と言ってもおかしくない。
だからこのスターティアラという楽曲は、春香と千早という歌い手を得て新しく生まれ変わったのではないでしょうか。
……それってなんだかすっごく素敵なことだと思いませんか?
そしてそこに、単に「好きなキャラ・人物に好きな歌を歌ってもらう」という次元を超えた、
人力ボカロの可能性のような何かを見たような、そんな気がします。 
まあ、カバー元の音源を知らずに言ってる時点で説得力皆無でしょうけどw

ともかくはるちはの歌として、物語として視聴した「スターティアラ」はもう本当に、ほんっとうに素晴らしくて、胸がいっぱいになりました。
楽曲だけでも十分絶賛に値するものでしょうが、百合根Pのあったかくて優しいタッチのイラストが輪をかけていますよね。
ラストサビの展開なんかはまさに、音と映像のダブルパンチで畳み掛けられました。
いろんな意味で最高のプロデュースだなぁ、うん。

*1:と言っても、数えるほどしか挙がってないんですがw