「キミだけの光」製作後書き


久しぶりに動画を作ってました。
一応初めてのPV動画っぽいものになるのかな?
いつも通りほとんど切り貼りだけで大した労力もかかっていない作品なんですが、ダラダラ進めていたらいつのまにか一か月ほど経っていたという……w

では以下、この動画に関する後書きになります。
できれば先に動画を見てから読んでくれるとありがたいです。

伊織が背負うもの

今回の動画では竜宮小町、特にリーダーの水瀬伊織にスポットを当てました。
アイマス2の物語に基づく竜宮小町の挫折と再起を描いた作品というと既にたくさんの方が手掛けており、多くの傑作が生まれています。
そして僕がこの作品を構想するようになったのも、それら先人の作品群の影響があっての事でした。
中でも一番その比率が大きいのが、説明文でリスペクト先として挙げさせていただいたドドリアPの「DIAMOND」です。

僕の視聴史上では、伊織個人に焦点を当てて竜宮小町の復活劇を描いた最初の作品がこれだった……のですが、
ここに描かれた伊織は、僕の中の伊織観を変えてしまうほど衝撃的なものだったのです。

公式ストーリーの関係上挫折からのスタートとなる竜宮小町の物語は、他9人の物語よりもずっと厳しいものがあるでしょう。
あの展開をどう受け取るかは人それぞれですが、僕はあれをどん底だと思っています。
後からデビューしたプレイヤーユニットに追い抜かれ、ジュピターどころか天ケ瀬冬馬一人に完敗。
後輩ユニットは3人になりパワーアップしたジュピターを倒して栄冠を勝ち取り、対する自分たちはランキング80位台を彷徨っている……。
律子はプロデューサーとして強く責任を感じたでしょう。
あずささんも最年長者として、必要以上に自分を責めたかもしれない。
亜美も、相手ユニットに真美がいた場合などは非常に胸中複雑なはず。
……そんな屈辱や、そこから這い上がる意志や、仲間たちの思いなどなど、
たくさんのものを背負ったうえで尚ひたすら頂点を見据え、気高くあり続け、仲間たちをてっぺんまで引っ張っていく。
それが「DIAMOND」で僕が見た伊織の姿でした。
初見時は、ただただその有様に見とれていました。
なんてカッコいんだろう、なんて美しんだろう、と。

しかし、他にも強烈な存在感を持って君臨する伊織や、
竜宮小町を引っ張る伊織を描いた作品が次々出てくるようになると、
伊織はとんでもないアイドルになったなー、なんてしみじみ思うと同時に、一抹の不安を覚えるようになりました。
「今の伊織はあの小さな肩に、どれだけの重荷を背負っているのだろうか」と。
「DIAMOND」の伊織があまりにカッコよすぎたから、美しすぎたから、気高すぎたから。
逆に、そういった伊織の素顔に対して強く思いを馳せるようになってしまったのです。
(もちろん表面に描かれていないだけで伊織の脆い部分も内包されている可能性はあるのですが、
 視界に映る伊織の輝きが圧倒的すぎてそこまで考えが及ばないというか……)

ともかく伊織の背負うものを意識するようになってから、
徐々に今回の動画のような、伊織が重圧に押しつぶされそうになるようなものを形にしたいと思い始めました。
上記のような内容を一度2011年末に書いた記事(↓)でまとめていたので、だいたいその頃くらいかな。

竜宮小町のストーリー系PVと、リーダー伊織が背負うもの

決して「DIAMOND」を否定したいわけではありません。
むしろあの動画はアイマス2PVで5本の指に入るお気に入りだし、今でも僕はあそこの伊織を見る度に感動を覚えます。
……ただ、あのひたすらカッコいい伊織だけじゃなくて、
もうちょっと脆い、強くなりきれない伊織像があってもいいんじゃないかなーと。

竜宮小町というユニット

とはいえ、暗い・救われないものを作るのはあんまり趣味じゃないしどうにも後味が悪いので、
伊織が折れた後に再び立ち直り栄光を掴むまでの展開もセットで考えていました。
そこでそのための鍵として取り上げたのが、竜宮小町の仲間である亜美・あずさ・律子です。

竜宮小町というユニットは、まあはっきり言ってオトナノジジョーで出来上がったものだと思っています。
けれどそういった視点を排しアイドルユニットとしてどうかと判断すると、
センター&リーダーの伊織ありきのユニットじゃないかと個人的に感じています。
早熟型で能力が高く、熱意も向上心も牽引力もある伊織を中心に置くことがまず前提にあって、
そのうえで元気満点のムードメーカー亜美と、包容力溢れる大人のあずささんを横に据えた……理由をこじつけるならそんな感じかなーと。
だからこそ、中心の伊織がその重荷に耐えきれなくなったとき、
支えてあげられるのは亜美とあずさ、それに律子を加えた3人であるべきだと思うし、そうあってほしい。
それに、エクストラプロデュースも含めゲームでほとんど描かれなかった、
「ユニットとしての竜宮小町」を取り上げたかったというのもあるかな。

そんなわけで、伊織が背負った荷物の重さに耐えきれなくなり、
そして仲間の存在に助けられ、一致団結して再び栄光に挑む……
そんな展開の作品をずっと思い描いていたのです。

選曲

展開の構想自体は出来た……が、次の問題は選曲。
楽曲の知識がほとんど無いこともあって、頭の中の筋書きをどういう曲に合わすべきか全く思いつかなかったのです。
しかし正直なところわざわざ曲を探し回るほどの熱意も無かったので、もうこのままお蔵入りでもいいかな〜と長らく放置しちゃってました。
そんな中、昨年の9月に出会ったのが今回使わせていただいた伊織の「ホウキ雲」。
本人の歌ならまあ無難なところだし、
歌詞的にも想定していた内容と合わせそうだし、
個人的にも伊織のバラードは大好き! というわけで、迷うことなくこの楽曲を採用することになりました。
……そこから製作開始まで半年も開いちゃったのは、単に自分がマイペースすぎるだけですね、はい。

動画解説

全体としては、1番で竜宮小町のデビューから冬馬に敗北するところまで+伊織がみんなを引っ張っていく姿を。
2番で竜宮小町の凋落とプレイヤーユニットのIA大賞受賞+伊織が追い込まれる姿を。
その後伊織が仲間の存在に支えられて再び立ち上がり、
ラストで2年目の竜宮小町が栄光を掴むまで……という構成ですかね。

以下、部分部分を適当に取り上げて解説。

イントロで映る企画書はアニマス5話で出てきたものを参考にして作りました。
キャラの年齢右の部分は読み取れなかったので、動画の展開にも合わせて適当にでっちあげました。
画面には映ってありませんが、一応亜美とあずさについての記述もあります。


竜宮小町を追い越していくプレイヤーユニットには、美希・やよい・雪歩を採用しました。
ユニット名からも分かるように、「チクタク」を歌った組み合わせですね。
竜宮小町への応援歌」を歌った3人に追い越されるのはキツイものがあるかなーという考えと、
伊織視点ならやっぱりやよいと美希は入れておきたいという個人的な拘りによりこのユニットIがプッシュされることになりました。
ちなみに他の6人は「春香・響・真美」、「千早・真・貴音」でそれぞれユニットを組んでおり、IA部門賞を獲得したという設定が。


スモスリの順位がどんどん落ちていくのはアイマス2で一番ショッキングな描写だと思っています。箱○版だとスキップもできないしねw
だからこそ、伊織を追い詰めていく描写の中でこれだけは絶対に外せないなーと。


ここは何を言わせるべきかけっこう悩んだのですが、
「ユニット」としての存在を推していこうということでこういう形になりました。アイマス2のテーマでもありますし。


基本切り貼りばっかりの動画で、一番こだわった点と言えるのが2年目竜宮小町のリリース楽曲ですかね。
1曲目は「私はアイドル」にする線もあったのですが、
タイトルや歌詞と竜宮小町の状況を照らし合わせて自分リスタートに。
あと、アニマスで歌唱メンバーから外れた竜宮小町に敢えてこの曲を歌わせたい、という願望もあったかな。
2〜4曲目はそれぞれ亜美・あずさ・伊織をメインとする曲にしようかなーと。
あまり特定個人の持ち歌色が強い曲(リレとか迷走Mindとか)は除きたかったので、
残る曲の中から亜美はHHB、伊織はきゅんパイアにそれぞれ即決。
あずささんは今一つこれだ!ってのが無かったのですが、消去法的な感じでILHに落ち着きました。ハニファーがあればよかったんだけどなぁw
ラストの最終決戦曲はmy songと七彩ボタンの二択。
七彩は本家ゲームにおける「プレイヤーが用意した曲」という設定がちょい引っかかっていたんですが、
「全員の収録を終えた後、伊織がよかったので竜宮小町の曲になった」という経緯からして、
竜宮小町的にも伊織的にもやっぱりこの曲がベストだよなぁということに。
マイソンは代わりにIA受賞後のステージにステージに回しました。
ちなみにこの動画内ではプロデューサー(「夢見る時計」の方の)の介入は無かったという設定です。
あの設定あんまり好きじゃないのよね。律子含めた4人の力だけで這い上がってこそじゃないかなーと……。


IUなんてのはあくまで後付というか、やっぱり本当に竜宮に取らせてあげたいのはIA大賞の方だと思ってるんですが、
それでもIU対決の素材を使ったのは、ジュピター(冬馬)へのリベンジを描きたかったからです。
やっぱりあのままやられっ放しじゃあ伊織の性格的にもいろいろ踏ん切り付かないしね。
(同様にプレイヤーユニットにも抜かれっ放しなのはちとあれなので、ラストで夢見る時計とのフェス対決を盛り込みました。)
ちなみにこの時期ジュピターは961を止めているはずなので、衣装を漂白して別事務所で再スタートしたという設定です。
アニマスが補完になってくれるからきっと伝わる、と思いたい……w


ラストでパレスオブドラゴン&スモスリに戻してオペラホールに立たせたのは、
竜宮小町の原点でもあるこのセットが負の歴史みたいになっちゃうのが嫌だったからです。
僕自身もこの組み合わせでのステージを最初に見た時にはじめて竜宮小町に魅力を感じたし、
今でもPODのスモスリはアイマス2で一番好きな組合せなので、この衣装この曲にも報われてほしいなぁと。
普通に考えたらランキングトップを獲ったプリメロ&七彩で挑むべきなんだろうけど、そこはまあ気にしない方向でw

ではではひとまずこんなところで。
動画、及びこの記事を見てくださった方、ありがとうございました。
いつになるかわかんないけど、次はもっと肩の力を抜いて気楽なものを作ってみたいところ。