姉と妹の終着点 アイマスクエストⅣ 124話 「最強の魔法使い」 感想


前回の投稿からしばらく間が空いて、ふつふつとマスクエ語りたい欲求が湧いてきたので、
123話までの気になるフラグをまとめてあーだこーだ語る記事でも書こうかなーと企んでいたんですが、その前に新作がきちゃいましたw
まあそちらについても、もしまた気が向いたら書くことになるかもしれません。

(以下ネタバレ含みます!)

前回で終盤戦に突入して、まずあずささんが攫われて、
そこから今回こういう展開になるのは予想外で、ちょっと戸惑いました。
一番驚いたのはここでいきなり大魔道が、しかも美希との1対1でやられたってことですかね。
よくよく考えれば美希の目標は「世界一の魔法使いになること」でしたから、
大魔道を美希が負かすというのは至極順当な展開なんですが、
でも今まで描かれてきた大魔道の大物っぷりや立ち位置から、てっきりこいつとはパーティ総力戦とかでやりあうものかと思い込んでてw
そのことで正直ちょっとだけ拍子抜け感があったりもするんですが、でもそれ以上に今回の展開は嬉しかったです。
いろいろ思うところはありますが、
何と言っても、この一話が「モンバーバラ姉妹のためにあった」というのが嬉しくてたまらないのよね。
ストーリー根幹部分の話が多くなり、個々のアイドルになかなかスポットが当たりづらくなった8章において、
丸々一話使って特定のアイドルの物語を描いてくれるような回が来るとはなー、と深い感慨を覚えました。
その対象が4章組だというのがまたなぁ。
マスクエの中ではわりとシリアス分担当みたいなとこがあって、
ここまでずっと重いものを抱え続けていたこの2人の物語に、こうしてある種の決着・救済みたいなのが描かれるというのは、
もう5年以上も彼女たちの旅路を見守ってきた身としては、そりゃもう胸を打たれずにはいられませんよ。


あずさのピンチに美希が駆け付けた時は「待ってました!」という感じでしたが、
しかし同時に、以前全く通用しなかった大魔道相手に何ができるのだろうかとヒヤヒヤハラハラ。

と思っていたら、美希の秘策はまさかの光のドレス+踊り子ステップによる魔法全反射作戦。
「ここに来てまだ強化されるんかい!」と思わず笑っちゃいそうになりました。マスクエ美希はホントとんでもないですね。
そして、それでもまだ全然勝てる気がしない大魔道のえげつなさよ。
低レベル魔法連発作戦に切り換えてすぐにこのトンデモ技を攻略してくるところが、
えげつなくも「最強の魔法使い」の名にふさわしい格を見せつけてくれますわ。

そして精神攻撃タイム。
今回の大魔道さんは6章ラストのキングレオ並によく喋りまくってましたが、
あのときのキングレオと同じく、対象の物語を引き立てるよい役割をしてくれたなと。
マスクエの美希ってわりと貧乏くじを引かされ気味なところがあって、
特に4章のゴタゴタと8章の地獄の帝王化騒動のときは、
どちらも周囲を振り回して迷惑をかけ、あずささんによって救われるような形でした。
もちろんこれまでの物語を見て来れば「美希があずさの重荷になっている」なんてわけ無いことは自明の理、
というかむしろ、美希に寄り添うことでどうにかなっているような状態なわけですが、しかし美希にはそうとは分からないわけで。
これまでの経緯からして、自分が一方的にあずさに負担をかけ、救われていると思っていても無理はないでしょう。
その事実を大魔道が突きつけることで、この後の熱い逆転展開、
そして「あずさを救うことができた」と美希が思えることがいかに彼女にとっての救済になるかというのが強く伝わってきました。


逆転の鍵は「あずさの水晶玉」。
「闇を払う力を持った玉」が、ゾーマもどきである大魔道の「闇の衣」をかき消すという展開はドラクエ好きなら胸が熱くなりますね。

あの水晶玉が重要アイテムであることはわりと直近の話(114話)で示唆されていたので覚えていたんですが、
正体が「ルビスのなみだ」で、大魔道の闇の衣をかき消す役割を持っていたというところまでは読み切れてなかったのでビックリです。
これがまた、過去回を見返すと上手いこと伏線貼ってるんですよねえ。

まず、水晶玉がバルザックからのプレゼントだというのは29話で語られています。もう6年近く前の動画ですねw


次にマーニャ編6話で、「正義のそろばん」の出所を探してロザリーヒルに辿り着いたロレンスとの調査で、
「正義のそろばん」の作者がバルザックだったことと、彼が魔除けの効果を持つ「光る宝石」を持ち帰っていたことが明らかになります。

さらにマーニャ編9話で、
「正義のそろばん」の「光る宝石」が、村の近くにある女神の洞窟で採れることが語れれ、


そしてマーニャ編人気投票111話で、その宝石「ルビスのなみだ」が闇を払う効果を有することが実際に描写されている。
……これらの話を統合すると、
普段女神の洞窟から「ルビスのなみだ」を持ち帰っていたバルザックが、あずさにプレゼントした水晶玉もまたルビスのなみだである可能性。
そしてロレンスが使った小石より遥かに大きいそれは、闇を打ち消すキーアイテムとして使われる可能性があることは既に示唆されていたわけです。
こういう展開になることを見越していたルビスが、
一際強力な「なみだ」があずさの元に行き着くよう上手いこと調整していたのかもしれませんね。
そうなると大魔道がルビスとの策略対決に敗れた、と見ることもできるかなw


そして今回最大の見どころはやはり、衣が消えた後の魔法使い対決でしょう。
「shooting!!!」をBGMに、ダンスと魔法で大魔道を圧倒する美希の勇姿にとにかくもう痺れっぱなし!
呪文カットインに恵まれていることもあって、美希のバトルはマスクエ内でも一際映えるよなぁ。
特にマホカンタvs光のドレスの反射対決は、BGMとのタイミングもバッチリで爽快感抜群でした。
受けたダメージ量からすると、大魔道のHPはだいたい原作で出てくるザコ敵のものと同じくらいっぽいですね。
2回行動+闇の衣で大幅強化されてましたが、それ以外は一応原作準拠だったのかな。

ルビス、バルザックを伝って手に入った、占い師の象徴となる水晶玉。
ピサロから贈られた光のドレス。踊り子の技量。そして様々な人との関わりや戦いの中で磨き上げてきた魔法の力。
美希とあずさ、2人の物語を結集した様々な要素によってなされた大魔道撃破。
相手はバルザックを襲撃し操ることで2人に様々な災厄をもたらした、
彼女たちの旅の根幹に関わる、宿命の敵ともいえる存在だった。
さらに美希は初めてあずさを救えたという自覚が持てるようになり、
「世界一の魔法使いになる」という、あずさの前で立てた誓いを果たすこともできた。
おまけにこれからの戦いに対する決意も改めて固まった。
そんな今回の戦いは美希とあずさ、2人の物語の終着点であったように思えるのです。
そしてラストに流れる「深紅」は、2人の物語のEDテーマであるかのように聞こえました。
「二つの鼓動 溶け合うとき
 生きる意味が そっと変わる」

残酷な運命に弄ばれ、たくさんの苦い経験を味わい、ずっと苦しいものを抱えてきた。
「もう死んでもいい」と、「生きる意味なんてない」と、命に投げやりになることもあった。
そんな2人の物語がこの歌詞で彩られる光景が、とにかく嬉しくて嬉しくて。
何だかもうこの2人についてはだいたい描かれ尽くした、その物語に納得し満足できたと思えるようになって、
「ここまできたらもう、この2人はいつ死亡離脱しちゃっても悔いはない」なんて風に感じているんです。
122話でやよいのステージを見た時も、彼女に対してそう思ったんですが、
いろいろと重いものを引きづってるこの姉妹に対して、まさかこんなに早く同じことを思える日が来るとは思いませんでした。嬉しい誤算です。
美希はまだ分かんないけど、あずささんはメガザルの関係で離脱が濃厚だからねえ。
まあこれで2人の物語は完成されたなんてのは僕の勝手な判断だし、まだまだ波乱の展開が残ってるかもしれませんがw

・その他気になったことなど

32話で描写されてたバルザック襲撃・操縦犯が実はエビではなく大魔道でしたーって今回明かされたけど、
あの影って確かキングレオらしきものと会話してましたよね。
だからあれが実は大魔道、という可能性は全く考えてなかったので、あれ?と首を捻っちゃいました。
実は大魔道とキングレオに繋がりがありましたーってことなのかしら。だったら尚更4章組との因縁が深まりますね。

勇者組の台詞が一つ一つフラグみたく聞こえて、今回で美希が死んじゃうんじゃないかとハラハラしちゃいました。
まあマスクエはけっこうフラグを折っていく展開多いしなあ。
伊織の冷静な判断力と仲間を想う優しさは今回も存分に発揮されてましたね。いおりんマジしぶカッコいい。
「他の者が犠牲になっても、勇者は止まってはいけない」という展開は今後もありそうだなあ。

美希があずさの元に着いたとき、既に邪心の像が片づけられている。
そして「今更、何をしに来た?」という台詞。
コメントでもいろいろ言われてましたが、本当に大魔道関連には今回で決着がついたのかというのは引っかかるところよね。
大魔道自体はアレで撃破できていたとしても、やっぱりまだ一波乱ありそうな気がしてならないなぁ……。