ワールドトリガーの面白さを語り倒したい(後編)

この記事は少年ジャンプで絶賛連載中「ワールドトリガー」のここがこう面白いんだとアチコチから語り倒す記事…の後半戦となっております。
偶然こちらにたどり着いた方は、できれば前編(↓)からお先にどうぞ

ワールドトリガーの面白さを語り倒したい(前編)

政治描写の充実

バトルが超面白いけど、バトル以外でも楽しませるのがワールドトリガー
その一つとして、「政治的な描写の面白さ」というのがあるように感じています。
打ち切られた前作「賢い犬リリエンタール」でも、
リリエンタールを狙う悪の組織の組織体制や上司の人となり等の描き方がやたら上手くて、「組織と人」の描写に定評があった葦原先生ですが、
今作における「ボーダーという組織の描き方」でもやはりその手腕は発揮されていまして。

トップの城戸司令、開発室長の鬼怒田さん、メディア対策室長の根付さん、
営業部長の唐沢さん、防衛隊指揮官の忍田本部長、玉狛支部長の林藤さん。
この6人の大人たちがボーダー上層部として組織の中核を担っているのだけれど、皆一枚岩という訳では無く、

城戸司令らを中心とした近界民の排除を目的とする最大大手の城戸派
近界民どうこうよりも街の平和を第一とする忍田派
近界民とも仲良くしようぜという異端児の玉狛派、の三勢力に分かれているのです。
中でも考え方が正反対の城戸派・玉狛派が必然的に対立し、忍田派が中立という感じ。
基本的には勢力規模が城戸派>玉狛派で落ち着いているので日常的に激しくぶつかったりとかはしないんですが、
序盤の展開では近界民の遊真が玉狛支部入隊を希望し、さらに遊真が組織内のパワーバランスをひっくり返す黒トリを所持しているが故に、この勢力争いが浮上してくるようになる。
叩きのめすべき敵ではなく、あくまで味方の中での主導権争いということで、
水面下で互いの思惑を静かにぶつけ合い、
なんとか屁理屈で隊務規定の穴をついて不本意な命令を退けたり、強攻策に出たり、
戦闘を免れ得なくなっても、何とか穏便な形で事後処理を済ませられないか考えながら戦ったり。
一筋縄ではいかないボーダーという組織の勢力模様と、その中での大人たちの少年漫画らしからぬ戦いが何とも面白くて。
序盤はまだ個人的にも世間的にもあんまりバトルの面白さを評価されてなかったこともあって、
ワールドトリガーは戦闘してるよりも会議してる方が面白い」なんて言われたりもしました。
実際私も序盤はなかなかエンジンかからないなーと思っていた中、最初に「おっ、流石リリエンタールの葦原先生だ」と光るものを感じたのが、
隊務規定を犯して市民を救った修の処遇について上層部が話し合う第10話でしたからね…w

また、ボーダーは単に近界民と戦うだけじゃなく、いろんな角度からその運営ぶりを描写されていて。
前述した少年隊員を危険から遠ざける装置の発明、
仲間内で競い合って楽しく強くなれる、いい意味での「ゲーム感覚」で隊員達に重荷を背負わせないシステム作りだとか。
あとは組織を維持・発展させていくためのスポンサー集め等の資金繰り、
市民の理解を得て、新入隊員やスポンサーをより集めるための広報戦略、及びそれに伴う対マスコミ対策などなど。
「少年兵だらけで構成された防衛組織」って時点でもういかにも漫画的ファンタジーではあるんだけど、
こういういろんな側面から組織の成り立ちを描くことで、リアリティを強化して現実的だと錯覚させるわけです。

大規模進行の後、戦いで生じた犠牲についてのマスコミの追求と、それに対するボーダーの対策なんかが描かれた記者会見のエピソードなんかは非常に読み応えありました。

また、組織が成り立つのための背景をしっかり描くということは、それだけ裏方業務に当たる大人達の有能さにもスポットが当たっているわけで。
実際、ボーダー上層部の大人達は皆ちゃんと仕事のできる有能なキャラクターとしてしっかり格を保っているんですよね。
水面下で勢力争いをしていても、有事にはちゃんとお互い無言で手を取り合える、きちんと全体の利益を考えられる大人だし、
何より皆、個々の業務においてその手腕を発揮していて、必要不可欠な人材だと感じさせてくれるのが素晴らしい。
忍田本部長は人柄も司令官としての手腕も有能で、いざという時にはには自身も最強クラスの駒として戦える頼もしき大人。
林藤支部長は遊び心を残した大人として飄々と玉狛の地位を守り、主人公たちの戦いを陰ながら支えている。
城戸司令はどっしり構えた揺るがぬトップであると同時に、かつて遊真に牙をむいた油断ならない人としての威厳も残している。
唐沢さんはボーダー全体を俯瞰して、冷静に損得を判断してベストな選択肢を考えられる有能営業マン。
鬼怒田さんと根付さんは会議シーンだと司令の取り巻きA・Bって感じだけど、
自分の担当分野ではボーダーのトリガー技術の根幹を支える凄腕エンジニア、
汚れ役も買いながら「正義のヒーロー」という組織イメージを守る敏腕スポークスマンとしてそれぞれ手腕を発揮している。
少年少女の華やかな戦いの裏で、こういう大人達の働きも見られるのがワートリの面白さだと思います。

ボーダーの話ばかりしてきたけれど、政治的な事情等が描かれているのは侵略してくる近界民達も同じで。
基本的に侵略してくる近界民達は、トリオンそのもの、もしくはトリオン量が優秀な者を兵隊として育てるために攫っていくのだけれど、
大規模進行編等で大々的にやってくる人型近界民達は、それ以外にも何らかの政治的背景を抱えています。

玄界*1側の世界の人間から見れば恐るべき侵略者だけれど、
彼らにも彼らの事情があり、その独自の目的を優先して行動しているのが一つ面白いポイントでして。
大規模進行編で襲ってきたところなんかは、全力を注げばボーダーを壊滅させられるくらいの強力な兵力を持っているように思われるのですが、
けれどそんなことしたって費用対効果は決してよくないし、彼らの主目的ともズレるから、そんな手には出ない。
敵も破壊や侵略を目的とする分かりやすい"悪"では無いってのがいいところなんですよね。

最近の展開で新しく攻めてきたところが、大規模進行編の敵国の属国に当たるところなんだけど、
宗主国の命令だから無視するわけにもいかず、玄界襲わなきゃいけないけど、
被害少なめにとどめたいし、復讐の可能性を考えるとボーダーからの恨みも極力買いたくないから、
市街地や玄界人にはなるべく危害を加えず、
サクッとボーダー基地だけに破壊工作して、『ボーダーの足止めしろ』っていう命令に最低限応えて義理立てしとこうぜ」
みたいな、何とも中間管理職の悲哀を感じるような内情がバトル前から明かされていて。
久々の近界民侵攻展開なのに、いきなりこんな拍子抜けさせかねない話をして大丈夫なんだろうかと心配しつつも、
個人的にはこういう敵それぞれに微妙な政治的背景があって、そのうえで攻めて来てるのが凄く楽しいのです。
敵それぞれミッションが違うから、戦闘の展開にバリュエーションが生まれて飽きさせないってのもありますしね。


そういえば、最近ワートリの政治的描写の秀逸さを感じた描写として、
大規模進行編で捕らえた敵の捕虜から、そういった敵国の事情を聞き出すために「拷問を加えるか」を話合うシーンがありまして。
「捕虜は所詮敵司令官の命令で動いていた一兵卒に過ぎないんだから、進行による被害の責を負わせるのもお門違いだ」ってのはちゃんとみんな分かってて、
穏健派の忍田さんなんかは実際そういった事を口にするだけれど、
近界民許さないよ派の城戸司令たちが、「かわいそうだから拷問はしないよ」っていうのもキャラ的にどうなのってところあって。
しかし少年漫画の主人公サイド、しかも弁えた大人達が拷問するシーンというのも当然描きづらいわけで。
そこで、近界民世界での戦争経験が豊富な遊真に、
「1人相手への拷問は非合理的。"憂さ晴らし"にしかならないよ」って解説させることで、
城戸さん達の態度を緩めることなく、説得力ある形で拷問展開を回避。こういうやり口が実に上手いなあと。
この後、ちゃんと捕虜以外に別の情報を得るアテを用意していたことで、首脳陣の有能ぶりを崩さないフォローまでしっかりしてますしね。
にしても、連載2周年記念の巻頭カラーという中堅作品にとっては貴重な機会で、
政治回メイン、しかもこんな拷問論を中学生主人公の口から淡々と持ち出してくる辺りはホント異質な漫画だなあと思わされますね…w

膨大なキャラクター数と魅力的な裏設定

ワールドトリガーはとにかく、ものっっっすごくキャラクターの数が多い
(画像は拾い物)
ボーダーのA級・B級チームが合計で約30隊ほどあり、
1チームが平均戦闘員3人+オペレーター1人の構成だから、それだけで単純計算で4×30で120人いることになる。
(最新126話現在で、既に内80人ほどが登場済み)
他にもC級隊員とか、上層部幹部、ボーダー外の人間、異世界の人型近界民なども合わせていったらさらに数は膨れ上がるわけで。
そんなたくさんのキャラクター達を話の展開に合わせてガンガン投入して、
後から徐々に掘り下げていくようなタイプの作りになっているので、
何気なくパラパラっと読んでいると、「あれ、このキャラ誰だっけ? どこで出てきたっけ?」って現象が起きたりする。
さらに、ワートリには「キャラの書き分けが出来てないから、誰が誰だか覚えられない」という三大dis文句*2の一つがありまして。
信者としては、「『数多いうえに、みんな現実にいそうな中〜大学生』っていう縛りがあるから難しいんや!」と擁護したいところだけど、
私もそこまで真剣に読んでなかった頃は、時枝・菊池原・奈良坂辺りのきのこ族がちょいごっちゃになってたし、
序盤から登場するメインキャラの迅・嵐山が髪型丸被りなのはどうなんだとか思ったりもするので、流石に葦原先生にちょっとそこのところの力が足りてないのは認めざるを得ない。

というか迅・嵐山の件は作者本人も自虐してましたからね…w

しかし、キャラデザがやや被り気味なことを認めた上でも、
真剣に読み始めたファン目線ではちゃんとどのキャラも個性的に映って、きちんと差別化出来ているわけで。
単純にコミックス何度も読み返すようになったってのもあるんでしょうけど、
その他の理由としては、前述のように「○○隊所属、どこのポジション、ソロポイントがいくらで攻撃手○位」みたいに諸々の肩書きと紐付けてインプット出来ることが一つ。
汎用武器をどう使うかといった戦闘スタイルで差別化できることが一つ。
所属部隊のチームメイトや同い年のコミュニティ、師匠と弟子などキャラ同士の関係性で個性が立ってくるのが一つ。
そして、ファンとして外せないのがコミックスカバー裏のキャラ紹介
葦原先生の愉快なネーミングセンスと台詞回しでみんな弄り倒されるとともに、
本編では触れられないままであろうこぼれ話とか、時にはすごく重要な設定もサラッと明かされたりして、この短文で一気にキャラを立ててくるのです。

例えばこの時点ではまだ顔見せしただけで、戦闘シーンもろくに描かれていなかった加古隊の二人が、
11巻発売後に一気に殺人チャーハン職人、田舎出身の元野生児として定着して、ついでに諏訪隊堤さんもチャーハンで死ぬ男として属性を上乗せしてきたりとか。
加古さんはそれまで断片的な情報から一部でハイエースレズ女みたいなキャラ付けをされてたのが、この炒飯ショックで一気に上書きされて完全に風化しましたからね。
最新13巻では、シリアスネタキャラとして脚光を浴びていたB級1位隊長二宮さんがどんな角度から弄られるのか期待されていたところに、
「実は昔○○隊所属で○○、○○とチームメイトだった」という重大設定が明かされて斜め上をいかれたこととかも印象深い。
あと個人的には9巻の、人型美女近界民ミラさんが本国ではなまはげ女みたいな扱いで恐れられている、っていうネタが大好きだったり。
私はこの辺の話をネットで見かけてコミックス購入を決意しましたし、
他にもキャラプロフィールや隊別の作戦室設定画、Q&Aコーナー等等コミックスはおまけ満載で凄くサービスが充実してますよ。ジャンプ本誌でだけ読んでる方も是非!(宣伝)

…なんか若干話が逸れましたが、ともあれそんな風に熱心に読み込んだり、いろんな情報追っかけたりしていると、
ちゃんとどのキャラも凄く個性があって魅力的に映ってくるわけです。
まあ、本誌でサラッと読むだけで自然とキャラが頭に入ってくるっていうのがもちろん理想的なんでしょうけど。
そして、まだちゃんとキャラを覚えきっていなかった大規模進行編に比べて、
全キャラしっかりインプットした今の近界民進行編は、一人また一人と隊員が投入される度に「○○きたー!」「ここに○○を配置するかぁ!」とか大盛り上がりしているので、
「キャラ多すぎて覚えられないンゴ」が「これだけの数のキャラクターが重なって織り成す物語楽しい!」に変わると、何倍にも物語が魅力的に映るっていうのを私自身肌で実感しました。
このキャラを覚える・魅力に気づくっていう点がワートリを楽しむ上での一つ大きなラインであり、
熱心なファンとそれ以外で最も温度差があるところじゃないかなあと思ったり……。

頼れる仕事人とかわいい女の子達

キャラクター全般に共通する魅力を一つ挙げると、
繰り返すようですが、どのキャラも頭を使ってしっかり格に見合った自分の仕事を果たしてくれるので、
「頼もしい仕事人」イメージで渋い持ち味のキャラが非常に多い気がします。
一人で無双するスーパーヒーローみたいなのがほとんどいない一方で、
そういう燻し銀的な魅力の光るキャラクター達が、ちゃんと作中でも読者からも高く評価される漫画ですからね。
私もこの作品を読んでいるうちに、どんどんそういう魅力を放つキャラに惹かれるようになっていきましたからね。

あと、忘れちゃいけないのが女の子が凄くカワイイこと。
これはもう個人の好みですけど、葦原先生の描く女の子は非常に可愛らしいと思いますね。

(拾い物画像。一部男の子とか別作品のキャラとかも混ざってます。カラーの子はだいたいアニオリキャラ
前述のように、少年漫画にしては凛々しく可愛い「戦う女の子」が充実している漫画ですし、
あとは各隊に必ず一人、可愛い女性オペレーターがついている*3のも嬉しいところ。


個人的にはゆるふわゲーマーの太刀川隊の国近ちゃん(Eカップ)、
画に描いたような正統派優等生美少女・嵐山隊綾辻さん(Cカップ)、
「アタシがいなきゃなんにもできねーなー! 」「なるべく粘って死ね!」の二言で即話題を集めた影浦隊の仁礼光(まだ不明)、
元ファッションモデル飴玉ガール、諏訪隊のおサノ(Cカップ)、辺りがお気に入り。
ちなみにオペ子のカップ数はコミックスカバー裏で公開されています(宣伝)
新しい部隊が出てくるときは、すなわち新しいオペレーターをお目にかかることが出来るのも一つの楽しみですね。
戦闘員では前述した小南先輩と那須さんが二強な感じですが、

しかし一番破壊力の高い一コマは、グラスホッパーで跳ぶ千佳ちゃんの太ももだと思います。
千佳ちゃんはちんちくりんヒロインのくせに、何気に一番いやらしい隊服だよねこれ…。

あとはとりあえずガンガンキャラを出して、後から後から魅力を深めていく作風とかも相まって、
一目で鮮烈なインパクトを残すキャラクターよりも、
話が進むほど、噛めば噛むほどどんどん味わいが出てくるキャラの方が多い印象もありますね。
私も序盤ではあんまりキャラの魅力に気づかなくて、
読み切り版の主人公だった迅のカリスマ性で持ってる*4ところあるよなー」とか思ってたんですが、
だんだんいろんなキャラの魅力を掘り下げていくうちに、気づけばその迅がお気に入りベスト10から漏れてたりしますからね。
ちなみに今のベスト10は、上から順に「東、小南、レイジ、那須、荒船、出水、修&遊真、太刀川、諏訪」って感じでしょうか。
ランク戦編で株を上げたB級隊員が多く名を連ねてるので、今後の展開次第でまだまだ変動しまくると思います。

ドラマの宝庫たる群像劇

膨大な数のキャラクターがいて、
皆で力を合わせて戦う・皆に見せ場のあるワールドトリガーは、
誰もが主役でキャラの数・チームの数だけドラマがある、群像劇的な味わいに満ちています。
修・遊真・千佳が出会い入隊するところから物語は始まるけれど、
それ以前からボーダーにいる他のキャラクター・チームには、おそらく既に膨大なドラマの蓄積があるはずで。
そして作者の性格的におそらく一人一人にきっちりそういう物語設定が用意されているのだけれど、
サブキャラの話一つ一つにそこまで尺を割く余裕はないから、そのほとんどはチラ見せだったり眠ったままだったりして。
そんな中でチラッと垣間見える過去のドラマを味わったり、断片的な情報から妄想を広げ語り合ったりするのがたまらなく楽しいわけです。

例えば本編では唯一、A級3位の風間隊だけ断片的な結成秘話が描かれていますが、
他の隊にも一つ一つこういうエピソードがあるのだろう、とか考えると非常に熱いわけですよ。
メンバー全員が読書好きな諏訪隊はそこら辺に結成理由があるのだろうかとか、
「熊谷が茜の兄と同級生」「熊谷が結成の立役者」という断片的な情報から那須隊結成経緯を推理してみたりとか。
あとは太刀川隊の新参者・唯我がやたらと玉狛第一の烏丸を敵視しているので、
実は烏丸は元太刀川隊所属で、唯我と入れ替わりで出入りしたんじゃないだろうかとか、色んな切り口からの妄想合戦眺めてるとワクワクしてきますね。

それから、群像劇といったら外せないのがキャラクターの関係性の広がり
さっきもちょろっと書いたけど、
チームメイトはもちろん、友人、ライバル、師弟関係などなどワートリでは様々な角度からキャラクター同士が繋がっています。
キャラクターは関係性の中で活きてくるものなので、
「こいつとあいつはライバル」みたいな新しい繋がりが明かされる度にドラマが生まれ、それぞれのキャラクター性がより深まり魅力が増していくわけです。
修・遊真・千佳の3人が新しくボーダーの先輩達と関係を築いていく様子を見るのも楽しかったりしますね。
(画像は拾い物。最新の状態だともうちょい複雑化してます)
狙撃手の始祖・東さんから始まる師弟関係の系譜なんかが熱いドラマの脈絡を感じさせてくれる分かりやすい好例でしょうか。

それと、この点で個人的に凄く印象的なのが、第92話(コミックス11巻収録)を読んだときの事
この回はランク戦とランク戦の間の幕間話で、戦闘も新キャラのお披露目もなくひたすらキャラ同士が会話しているだけなんだけれど。
遊真・修が先輩隊員達と初めて会ってコネクションを築いていくとともに、
①双葉がなぜか木虎には冷たくて、年下に慕われたい木虎はそれにダメージを受けているとか、
②一方で緑川はフレンドリーに接してくれるからホッとしているとか、
③古寺が栞ちゃんに憧れているとか、
④風間隊を離れた栞に構ってもらいたい菊地原は憎まれ口を叩いて、
⑤そんな菊地原の言動を気遣いのできる歌川がフォローしているとか、
⑥玉狛第二の面々は自分を大切に思ってもらうためにあえて千佳を甘やかしていて、
⑦それを聞いた師匠のレイジさんが千佳の教育方針を見直したりとか、
⑧鋼と荒船の因縁めいたものが示唆されたりとか、
…長々と並べたけど、要はいろんなキャラの関係を見せ続ける回だったんですよね。
ひたすら会話、会話で一見すると地味な繋ぎ回なんだけど、しかしこれが私にはめっっっちゃ面白くて
この一話だけで、自分の中で印象薄かった古寺や歌川がキャラ立ったり、
人間味のある姿を見てより木虎の好感度が上がったりといろんなプラス効果があった。
ボーダーという舞台がそういう良い可能性を生む、人間関係ドラマの宝庫であることに気づいた。
そして、ワールドトリガーという作品が群像劇スキーの自分にとってどストライクであることをようやく完全に悟ったのでした。
この回の衝撃以降から、ワートリに加速度的にのめり込んでいって今があるわけで、
つまり私の2015年ワートリショックのきっかけを作った、非常に印象深い一話なのでした。

緻密な描写による圧倒的情報量

バトルの戦略性の高さや、
キャラクターの数の多さ、人間関係ドラマの多彩さによって一話辺りの情報量が半端ないワートリですが、
よく読み込んでみると、言語化されていない画だけの部分にもいろんな情報が詰まっているんですよね。

例えば狙撃手が使うスナイパーライフルには、
射程重視の万能型イーグレット、威力重視の重砲アイビス、弾速重視のチクチク型ライトニングの三種類がありまして。
ほとんどのキャラが使い勝手のいいイーグレットをデフォルトで使用しているんですが、
優秀な狙撃手は、状況に応じてさり気なくアイビスやライトニングに持ち替えていたりするんですよね。
そういう細かい描写に気づくと嬉しいし、より作品を隅から隅まで味わい尽くせて楽しめるわけです。

最近特に感心したのが、118話における的中数・被弾数を競う狙撃手訓練の結果発表シーン。
狙撃手界隈では、訓練はてきとーにこなすけど実践での戦績が圧倒的な天才・当真と、
訓練で常に1位を取り続けている秀才・奈良坂の2人がトップ2という扱い。
このシーンでもダントツトップの奈良坂と、唯一被弾0でやり過ごしている当真の凄さに目が行くわけですが、
よりじっくり読むと、当真が的中させているキャラは奈良坂も含めた強ネームドキャラばかりで、
気になる相手だけを的確に狙撃している当真の奔放さ・天才ぶりが際立ってくる。
そしてさらに目を皿のようにして読み返すと、
このシーンに登場するキャラクターはおそらくみんな当真にヘッドスナイプを決められているようで、
さらにその狙撃の精密っぷりが実感できる一方、
一人だけ肩に被弾=頭を回避している奈良坂もやっぱり他とは格が違うことが分かる。
……と、当真と奈良坂の2人に注目するだけでもこれだけ次から次へと発見が出てくるわけです。
他にも、ストレートに得点を見れば荒船隊の面々がA級にも遜色ない結果を出していたり。
ブース番号を見れば、千佳出穂以外にも隣り合ってる荒船隊トリオ・佐鳥別役古寺の同学年トリオの繋がりとか、
絵馬を気にかけている当真が近づいてきてるけど、絵馬は一個距離開けて座ったんだろうなあという光景が浮かんできたり。
あとは、当真の的中番号の中で唯一正体不明の338番はまだ見ぬ新キャラの伏線だろうか…とかも。
とにかくもう、この2ページにどれだけ情報量詰め込むんだというくらいの濃密ぶりで、
しかもそれをさり気なく散りばめることで、軽く一読する分にはサラッと読める設計なのがまた上手い。
情報量の多さをあからさまにアピールしないことで、何の気なしに読む人にはつっかえる障害を作らず、
しかし熱心に読み込む人に対しては物凄く濃密なページに化ける。いろんな読者層に対応している素晴らしい設計ではないかと。

ゆる〜く和やかな空気感と、冴えた台詞回しのセンス

元々ハートフルホームコメディという、ジャンプでは異色の漫画「リリエンタール」を連載していた葦原先生。
次作のワートリが始まった時は、「葦原先生もバトルものでジャンプ色に合わせてきたかー」と思ったものですが、
しかしそのジャンプらしくない和やかなコメディセンスは、ワートリにもきちんと継承されていて。

ワートリの会話シーンは、良くも悪くもジャンプのバトル漫画らしくない感じがするんですよね。
バトルシーンではギラギラとした熱さを感じさせず、淡々とクールな言い回しが出てきて、
コメディシーンでもあからさまに笑いを取りに行かず、のんびりと愉快な台詞回しで楽しい気分にさせてくれる。
どんな時も全力感が無い、肩肘張らず脱力しているところがあって、それが個人的には気に入っていたりします。

特に、遊真や修が初めて会った相手と話す際に、
いつも「どうもどうも、はじめまして」みたいな挨拶から入るところとか、実に和やかな感じで好きですねえ。ほっこりするしキャラにも好感持てる。

遊真といえば、相手のことを「ときえだ先輩」「ミドリカワ」とかひらがなやカタカナで呼ぶのも、いい感じにゆる〜い空気になって良いと思います。
というか呼称やニックネームの付け方全般の言語センスが素敵
「黒トリの白チビ」「トリオン怪獣」「落ち着いた筋肉」
「土下座返し先輩」「ミスターブラックトリガー」
「女子高生(斧)」「さわやかジェットゴリラ」「本物の悪」…etc。
人型近界民との緊迫した戦いの最中でも、「わくわく動物野郎」とか秀逸なネーミングが出てくるとついそっちに意識持って行かれちゃったりw

そんな脱力した会話を展開する一方で、時に台詞回しの巧さにドキッとさせられることもあったりして。
一例としては、バトルのときの話題で出した「気持ちの強さは勝負に関係ない」→「気持ちの強さで勝負が決まるって言ったら、負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ」の反転させ方とか。
あと、いくつかのキャラが持つ、印象的な決め台詞的の使いどころが上手いなーと。

最も代表的なのが、一話から登場する遊真の「おまえ つまんないウソつくね」なんですが、
当初は近界民としての遊真の底知れなさを表す台詞って感じだったのが、
後々、実際に遊真が嘘を見抜くサイドエフェクトを持っていて、その力で苦しい思いもしてきたというバックボーンが明かされることでより台詞のドラマ性が強化されたり、

敵の作戦を見抜く決め台詞としてバッチリハマったり、
時には相棒の修を諭す意味合いを持たせたり、バリュエーションの持たせ方に感心させられます。特に対修のときは痺れましたね。

遅効性SF


以前キャッチコピー大賞という、ワートリのコミックス各巻に相応しいキャッチコピーをつけようという公募企画があったのですが、
その大賞に選ばれた作者公認の絶妙なフレーズが、「遅効性SF」
つまり、じわじわと面白さが効いてくる、噛めば噛むほど美味しくなってくるスルメ漫画的な作品であると公式自らアピールしているわけです。
一方で、序盤の展開なんかはスローペースで中々エンジンがかからなかったりするから、
意地悪な見方をすれば、「話が進めば段々面白さに気づいてくるから、序盤で微妙だなーって思ってもすぐ切らないでね」ってメッセージに聞こえてくる気もw
序盤は特に打ち切りの壁を乗り越えるためなスピード感・インパクト重視が原則なジャンプの、しかもバトル漫画としては凄く異端児なマイペースっぷり。
実際しばらくは結構掲載順危うい感じだった気がするし、よくこのスタンスで生き残ってくれたなあと。
(のわりに何故かアニメ化が異様に早く決まったのはビックリでしたが)

こういう構造になってる理由の一つとして、まず一つはやっぱり設定の多さがあるからなあと。
ここまでこの記事読んできたら何となく分かると思うけど、独自の設定やら用語やらがなかなか多い漫画なんですよね。故にこの記事書くのすごく難しい…
だからまずはそういう設定を一通り紹介して、作品をちゃんと楽しんでもらうための土台作りに尺を費やす必要があったのでは。
「オリジナルなスポーツ競技的バトル」もその競技のルールや見方が分かんないと楽しめないもの。
スローペースでフックに欠けたという序盤も、アニメで見返してみると、
「ボーダーと近界民」「トリオン兵と人型近界民」「トリガーとトリオン体」
「ボーダーの運営形態」「サイドエフェクト」「黒トリガー」…等々の重要設定がだいたい一話に一つくらいのペースでバランスよく公開されていって、
あれはあれで、話を展開しながら上手いこと少しずつ設定を見せていっていたんだなあと。
ともあれ、そういう諸々の設定が話を読み進める中でだんだん浸透していき、
さらに、スポーツ観戦をするときのように自分なりの"醍醐味"を見つけていくことで、じわじわとワートリワールドの楽しさが沁みてくるんじゃないでしょうか。
あと、きっちり設定を固めて序盤から随所に後々への布石を張っている漫画*5なので、
1巻のキャッチコピー「やがてその意味に気づく物語」が主張するよう、後々読み返すと「あーこの時のこれはこういうことだったのか」「ここはあの展開へのフラグだったんだなあ」みたく新しい発見があって、再読することで奥深さに気づいていくというのもあるかな。
ボーダーの設立経緯とか上層部の因縁とかはまだまだ伏せられていて謎だらけなので、
そこが明かされた後で読み返せば、特に序盤の内輪揉め展開なんかはまたさらに面白く読めるんじゃないかなあと期待しています。

キャラクターの描写の仕方なんかも、後からじわじわ効いてくる作劇を作り上げている要因の一つかしら。
キャラのところで書いた内容とも重複するけれど、
とにかくガンガン新キャラを出して、後から後から色んな設定を明かして魅力を深めていくっていうのがワートリのスタンス。
インフレしない殺さないキャラを切り捨てない作風も相まって、物語が進むごとにどんどん一人一人の魅力が強化され、魅力的な集団が織り成す物語として全体の強度を増していくのです。
当時は気に留めていなかった脇役の活躍も、後々そのキャラの魅力に気づいた後で読むと楽しいっていう再読性の面でも旨みがありますね。
黒トリ争奪戦とか当時は「なんかいっぱい新キャラ出てきた」くらいにしか思ってなかったけれど、
今読み返すと超豪華メンバーによる夢のドリームマッチ的な様相を帯びてきますからねー。
こういう「後から後から魅力が強化されていく」形式の代表例はやはりB級6位隊長の東さんでしょうか。
所詮B級隊員の人
→未知の敵に捉えられそうな仲間を、即フレンドリーファイアでベイルアウトさせて助けるちょっと出来る人
→A級や人型近界民からも一目置かれる有能指揮官・B級隊員では抜きん出た存在
→「狙撃手の始祖」として多くの弟子・孫弟子がいてなんか凄い人っぽい
…と出てくる度どんどん株を上げていって、ついに積み上げた期待感にふさわしい「元○○」という肩書きと実力がランク戦でお披露目された流れは非常に熱くて、強烈な印象を刻み込まれたものです。

あと、個人的にもう一つ「だんだん魅力を強化していく」印象的な例として外せないのが、同じくB級隊長の荒船さん
荒船は東さんと同時に狙撃手志望新入隊員への指南シーン(34話)で初登場しているのだけれど、

当時は名前が明かされることもない背景チョイ役扱い。ぶっちゃけ私もこの時登場していたことを認知していなかった。
その後、大規模進行編の人型近界民戦で再登場し、ようやく荒船隊隊長・荒船として正式に紹介される。
この時は、瞬殺されたチームメイト2人に比べれば生き残った分それなりに仕事していたんだけど、
あくまで東さん率いるB級合同隊の一員でしかない感じで、有象無象のB級隊員としてそれほど記憶にも残らない。

しかしコミックスおまけで「ハリウッド映画好きで、やたらカッコよくビルから飛び降りる"アクション派狙撃手"」という設定が公開されて、「ちょっと面白いなこの人」というフックが一つ出来る。
そしてB級ランク戦の敵チームとして本格的にスポットが当たると、
狙撃だけではなく攻撃手としてもかなりの腕前を誇る、希少な遠近両対応隊員という味のある肩書きを披露。
剣・狙撃共にその名に恥じぬ痺れる立ち回りも見せてくれて、一気に株が急上昇していきました。
戦闘後も同い年の友人・村上鋼とのエピソードなどで人間関係の面から掘り下げられていき、

極めつけは「遠・中・近全てを高いレベルで極めたうえでその方法を理論化して、現在一人しかいない遠中近全対応パーフェクトオールラウンダーを量産する」という遠大な野望を抱いているという衝撃の事実。
この強烈なエピソードで、ついにお気に入りベスト5にくい込むくらい魅力的なキャラに化けたのです。
B級と言いつついろいろ重大なポストにいる東さんと違って、荒船はあくまで一介のB級中位隊員に過ぎない程度のキャラなので、
そんなキャラにもこれだけ面白い設定やドラマが眠っている作劇の凄みがよりダイレクトに実感できたのです。
そしてこの設定を知った上で読み返すと、最初の訓練シーンにさり気なく荒船を配置してたのは、指導者志向のあるキャラだからなのかという発見もあったりして。
設定が一つまた一つ明かされるたびにキャラがどんどん魅力的になっていく、
それを踏まえて読み返すと新しい気付きがあってより楽しくなっていく。この辺の仕様も遅効性たる所以ではないかと。

それから、個人的に遅効性を一番身にしみて実感できたのはキャラクターの強さの見せ方でしょうか。
ワートリって後から後からパワーカーストの下位層を掘り下げていく、パワーインフレを逆を行っているようなところがありまして。
序盤ではいきなり黒トリ使いの遊真・迅がA級の精鋭隊員達を圧倒するので、
「A級隊員」という肩書きにも対して凄みを感じなかったのですが、
大規模進行編に入ると、サクサクやられるB級隊員と違ってA級は皆頼もしく働いてくれるので、
「あ、やっぱA級隊員って凄いんだなー。B級とはちょっと格が違うわ」とA級の株が上がる。
しかし、B級ランク戦に突入すると、B級中位辺りでもそれなりの戦略性と練度をしっかり兼ね備えていて、
「あれ、B級も十分凄いじゃん」…と。
すると、そんなB級の上に立つA級隊員はさらに凄みが増していくると、
B級・A級が力を合わせてなんとか倒した人型近界民の危険さも説得力をましてくるし、
A級集団を圧倒していた黒トリ使いの遊真・迅なんかはとんでもない存在だったんだなあと。
黒トリ一つの存在でてんやわんや勢力争いしていた理由も、ここに来てより確かに実感できてくるわけです。
「B級が雑魚なのではなくA級が強い」「A級がショボイのではなく黒トリがチートクラス」
下に向かって強さを描いていくことで相対的に"みんな凄いヤツ"になっていて、凄い奴同士の戦うバトルシーンが段々面白く読めるようになっていったのでした。
現状エンタメ的な盛り上がりの最高潮は大規模進行編のクライマックスだと思うのですが、
B級ランク戦編に入った2015年になってから本格的にワートリにのめり込んでいったのは、
こうした遅効性を実感させてくれる要素がランク戦編に多かったから…って気がしますね。

「序盤はぶっちゃけなかなかエンジンかからないんだよなー」
「オリジナル設定が多いけど、頭に入ってから読むと面白んだなこれが」
「じわじわ面白くなってくるだって! ホントホント!」とか言ってるのを見てもわかるように、
一発で引き込める分かりやすいフックが無いワールドトリガーという作品は、ぶっちゃけ他人に薦めるのがけっこう難しいと思います。この記事書いていて凄くそれを実感しました。
まあ、もちろん私の筆力不足って問題も多大にあるのでしょうけれど……。

何だかんだそれなりにコミックス売れて、アニメもアニオリで食いつなぐ程度に支持されていてとそれなりに軌道に乗ってきた感じはしますが、
逆を言うとこれ以上、一気に読者層を広げられる機会というのももう無いように思えて。
ヒロアカとかがジャンプ漫画の王道を進んで看板になっていく影で、
一部のマニアが細々と語り合っている中堅下位ポジションくらいに落ち着いているイメージしかもう湧かない今日この頃です。
「それはそれでいいじゃない」「むしろそれがワートリのいいところじゃない」とか思わなくもないですが、
一ファンとしてはやっぱり、「このとんでもなく面白い漫画が、もっと多くの人に読まれてほしい」っていう気持ちの方が強いわけで。
打ち切りの可能性だってまだ消えたわけではないですし。
(この漫画の場合、それよりもDグレみたく作者の体調面の問題で移籍とかになる危険性のが大きいけど…)

まだ未読で、かつこのクソ長い記事に最後までついてきてくれた人がいるのかどうか怪しいものだけれど、
ともあれ、「こんな長文エントリーを垂れ流してしまうくらい、訴えかける力のある漫画なんだ」ってことだけ伝わってればいいなーと思います。

もし試しに読んでみたくなったら、漫喫なりレンタルなりで10巻くらいまでまとめ読みしてみるのがオススメだよ!
ジャンプで既に読んでて、「あーけっこう面白よね」くらいの評価の人も、
もっかい読み返してみると奥深さに気づいて見違えるように楽しくなる可能性があるから試してみよう! ではではさようなら。

※2016.1/21 19:10追記
そういえば「作風やファン層考えれば、おそらくジャンプ史上最もデータブックの需要が高い漫画でじゃないかなー。超欲しい!」って話を書き忘れてたなあと思いながら帰ってきたら、
なんとホントにデータブックが出るみたいでビックリ仰天。
預言者になり損ねたなーとちょい悔しがりつつも、嬉しすぎてニヤニヤが止まらないです。
この記事が想定外に多くの方に読んでいただけたのもすっっごく喜ばしいのだけど、完全にデータブックの衝撃で上書きされてしまった…w
この漫画好きな人って、私がそうであるように
ゲームのステータス画面とか攻略本とか眺めてニヤニヤしてるような人種が多そうなので一大イベント感ありますねえ。家宝にするわ…。


ただ、かつて2ヵ月連続単行本刊行でボロボロになった葦原先生の体調面が心配になってもきますね。
絶対に需要あるだろうと確信しつつも、データブック出るかどうか読めなかったのはその辺の問題が大きかったわけですし。多少の休載は覚悟しておこう……。

書きそびれた話は他にも、
・B級中位隊長諏訪さんの扱い方に「B級を大切にする」この作品のコンセプトが現れてるよね
・キャラの精神年齢がやたら高いよね
・葦原先生はたぶんショートカットフェチだよね
…等々いくつかあるんだけど、ただでさえドン引きレベルの長文なんだしかえって良かったかもしれませんね。

*1:主人公たち・ボーダーのいる"こちら側の世界"を近界民たちはこう呼んでいる

*2:あと一つはたぶん、「デフォルメ顔(3の口)の多用がキモい、ムカつく」辺りだと思う

*3:厳密にはオペレーターは必ずしも女性限定ではないのですが、ほぼ全員が女性という設定があり現状登場しているのは100%女の子。理由は「女性の方が並列処理能力に優れているから」だとか

*4:序盤の展開で迅が一番鮮烈に活躍するキャラ、ってのが大きかったんでしょうけど

*5:ごく一部、ここ序盤はまだあんま設定固まってなかったんだろうなーと思ってしまう描写もあったりはするけど