2つのカプチーノ

いおりんのMA3を買ってきました。
全力アイドルのfullが楽しみだったってのもありますけど、やっぱりニコマス民的には目玉はカプチーノのカバー。

過去にも何度か触れましたが、伊織とカプチーノの組み合わせは僕の中でニコマス史上最強タッグでして。
実は僕自身も一度、MSの頃伊織のカバー曲にカプチーノを応募したことがありました。
その時はまだ今ほどこのタッグにベタ惚れってわけでもなく、単に「この曲これ以上ないくらい伊織と相性いいから、歌わせたらいいものになるだろうなー」くらいの軽い気持ちだったんですね。
ただ、そこからどんどんカプチーノにのめり込み、この曲が本人の歌と同じかそれ以上に「伊織の持ち歌」のようなポジションになるまで神格化されていくと、逆に伊織本人がこの歌を歌うという光景を想像するのが怖くなってきました。
最早自分の中での「伊織のカプチーノ」はともさかりえ版のまま完成されていて、
伊織本人に歌わせたところで、本人の歌声なのに「こんなの伊織カプチーノじゃない!」と嘆くような歪な結果になるんじゃないかなーと…。
しかし一方で、やっぱりこの最強の伊織ソングを伊織に歌ってもらうということに夢が膨らんでしまうのもまた事実で。
そんなめんどくさいアレコレを抱えつつ、「まあどうせ実現するはず無いし」と高をくくっていたわけですが、この度幸か不幸かこういった展開になってしまいまして……w
まあ決まってしまったからには、自分の耳でどんなものになるのか確かめるしかあるまいと。
基本レンタルで済ませる貧乏性の僕にしては珍しく、すぐさまamazonでポチっては期待と不安で張り裂けそうになりながら今日この日を待っていました。

で、いざ聴いてみた結果ですが。
結論から言うと、直ちに「いおりんの歌うカプチーノマジ最高!」……とはいきませんでした。
良いとか悪いじゃなく、今まで自分が愛してきたニコマスカプチーノとは味わいがちょっと違うなあと。視聴動画が来た段階で何となく察してはいたのだけれど。
まだ数回しか聴いてないんですが、今抱いている印象としては、
ニコマスともさかカプチーノ「14,15歳の少女・水瀬伊織のキャラクターイメージソング」で、
一方伊織自身の歌うカプチーノ「かわいいかわいいアイドル伊織ちゃんの歌」
ってところでしょうか。

僕がニコマスカプチーノと伊織の組み合わせに感じていた魅力は、
年上の男性との関係に藻掻く、大人と子供の狭間・不安定な少女の生々しいセンチメンタリズムと、
そこに垣間見える等身大の水瀬伊織という女の子のいじらしさでして。

ともさかカプチーノを聴くとき、まず思い浮かぶのはPに「行かないでよ」と泣きつくラストコンサート後の「素の伊織」の姿でした。

しかし水瀬伊織本人が歌うカプチーノは、もっとあっけらんかんとしていて、軽やかにキュートな甘い歌声をぶつけてくくる。
こっちを聴いて浮かんでくるのは、ステージの上でファンに向けてアピールしている「アイドルとしての伊織」でした。
可愛らしい歌声は一見、まだ恋の苦さをしらない幼いコドモのようで、
考えようによっては、そういった経験も包み込んでアイドルとして歌いこなしてみせる大人の女性を感じさせたりもする。

ちょっとむきリンPのカプチーノを見たときの印象に近いものがあるかもしれませんね。

そんなこんなで、私の好きだった従来のカプチーノとはちょっと方向性が違うかなって感じだったわけですが、
しかしアイマスのCDなら、MAなら、あくまで「アイドルの歌うCD」というのがコンセプトなわけで。
釘宮さんが、伊織がこういうアプローチで来たのは至極妥当なことなのでしょう。
でもこれ、もし響とかやよいとかいった素直なアイドルなら、こういう「素」と「アイドル」の齟齬みたいなのは起こらなかったかもしれません。
何といっても伊織は765アイドルの中でも「アイドルとしての自分」を作り上げるキャラクター最右翼だから、
あくまでアイドルとして伊織が歌い続ける限り、そこにニコマスカプチーノようなひたすらに生々しい「素の伊織」が現れることは無いのかもなあ……なんて。
そう考えると、やっぱりともさかカプチーノの伊織は公式にはない、ニコマスMADでしか見れない姿なのかもしれません。
今回の件を機に、何だかますますともさかりえの、ニコマスカプチーノと伊織の宝物感が深まってしまった気がします。
もちろん公式の伊織カバーもこれはこれでなかなか乙なものだし、これから何度も何度もリピートしていくのだろうけれど、
ただ、それは同じ土俵で原曲カプチーノを塗り替えてしまうような、「もうこれからのカプチーノは全部伊織カバー版でいいや」と思えてしまうようなものではなくて。
伊織自身の歌うカプチーノが素敵な伊織カバー曲群の一員として加わるとともに、
ニコマスのともさかカプチーノも、唯一無二の伊織を見られる秘境としてこれからも変わらず大切な場所で有り続けるのでしょう。

期待以上にとんでもない曲だった全力アイドルのこととかも書きたかったけど、とりあえず今日はここで時間切れ。
そちらについても気が向けばまた…。