アイドルの弄りネタとそれに対する反感について

昨日のカクテル感想で書きそびれた話。
今回のカクテルでも顕在だった真のズラネタに対して、また一悶着あったとかなんとかで。
僕のTL上とかでは批判の声を拝見しなかったので、実際にどのくらい騒がれていたかは把握してないのですが、
その有無はまあひとまず置いといて、せっかくの機会にキャラの弄りネタについての自分なりの考えを軽くまとめてみようかなーと。
正直言って、文句を言っている人たちの気持ちはよく分かるんですよ
自分の苦手なネタが伝統みたいな空気になって、しつこく繰り返されていたらそりゃ面白くないだろうと。
しかもカクテルは大規模で話題性の高いイベンとだから余計に、ね。
それに、120超の作品がまとめて公開されるという特色上、中には自分好みの作品も高確率で混じっているだろうし、
一部に嫌悪感を示すだけで「じゃあ見なきゃいいじゃん」っていうのは暴論じゃないかと思う。
……ただ、文句を言うことに「理解はできる」ものの、
そういったネガティブな考えを示すことで誰かの反感を買ってしまうことは自己責任であり、そこは仕方ないよねと。
僕も前々回(カクテルDS・DSX)のときは今とやや考え方が違っていて、文句言ってる一部の真ファンを不快に思っていた部分はあったし、
今でも、動画のコメントとかに罵倒の言葉を並べたり、製作者等を攻撃したりする段階に至ってしまうとちょっとなぁ……って。
ツイッターで愚痴を呟くくらいなら個人的には許せる範囲なんだけどね。

一方、製作者側についても、
そういうアイドルの弄りネタなんかを使うことで、一部の方からの反感を買ってしまうのは受け入れなきゃいけないことだと思います。
「いや、真のズラを飛ばすのはカクテルの伝統芸なんだからしょうがないじゃん」とかで済ますことなく、
このネタを使うことで不快に思う人が出てくるかもしれないな、っていうことを覚悟したうえでやってほしい。*1
ネタを使うこと自体について批判する気は毛頭ございませんが。それが一々叩かれてたら窮屈すぎますしw

またまた例に使わせてもらって申し訳ないんですが、
真いじめ批判に対する反論の中にちょくちょく見かける、
「『他のキャラの弄りネタなんかは日頃楽しんでるくせに、真いじめネタだけは許せない』というのはおかしい」という意見が気になる。
これもやっぱり文句言われること自体は自己責任だよねと思いつつ、でもそういう状況になっちゃうのも仕方ないように感じるんですよね。
だって、弄り系のネタに対する許容ラインってホントに人それぞれバラバラだもの。
弄りネタの中にも性格改変、ウィークポイント弄り、性的なもの等々いろんなものがあるし、
対象となるキャラへの印象や好感度の差でも許せるかどうかが変わってくると思う。
この辺のくだりは前に「我那覇くんくさそうネタ問題」でも言及していたので、以下そのまま引用。

響いじめに限らず、この手の弄りネタに関する議論を見ていて一つ思うのが、
ネタに関する許容のラインって、人によって・対象キャラによって全然違うよなーということ。
TLなどで、「(私のお気に入りの)○○をこういう風に扱うのは許せない!」みたいなこと言ってる人が、
その一方では僕が苦手としている他のアイドルの弄りネタを平然と使っている……みたいな光景を見ることもありますし。
ネタの内容への考え方にしても、人によって全然違う印象。
例えば、かつてニコマスで真の男ネタが議論を呼んだとき、
「千早の貧乳ネタと真の男ネタを一緒くたにするのはおかしい。
前者は本人が気にしていないけど、後者は本人にとってコンプレックスだから」
みたいな意見を見た記憶があるのですが、
そういう考えがあるなら、当たり前のように使われてるやよいの貧乏弄りなんて何より酷いネタになるよなぁ、なんて。
ちなみに、僕が今まで見てきた中で一番酷いと感じたのは、
オールスター系動画で律子の登場シーンに「トイレタイム」的なコメントをするやつですね。
存在そのものを否定しているようなもんだし、何かもう悪意しか感じなかった。
律子が嫌いな人が使っているのならまだ分かるんですが、
別に嫌いじゃないけど使ってた、みたいな人の心情はさっぱり分かりませんわ。

このネタの許容ラインって、本当に複雑で厄介なものだと常々思っていまして。
普段はどうとでも思っていないネタでも使い方や場所によっては不快感を覚えることもあるし、
逆に、基本的には苦手なネタでも状況次第では楽しめちゃうことがあったりするんですよね。
例えば僕は雪歩派なんですが、雪歩関連の苦手なネタとして、「フヒ歩」という性格改変ネタがありまして。
発祥元の「エロゲーっぽいアイマス」は見ていないのですが、このネタが他の動画にまで広く拡散するようになり始めてからちょっと引っかかりだして、
MS4のトークアニマスなんかで公式も影響を受けたのでは? という兆しが見えてからどんどん嫌悪感が強まっていった感じですね。
で、僕がすごく気に入っている動画の中にこの「フヒ歩」ネタを使っているものが2つあるのです。
一つはペデューサーPの「ドタバタ紙芝居」

もう一つは介党鱈Pの「ぷよm@s」。どっちもテキストもののシリーズ作品ですね。


前者・ドタバタ紙芝居のフヒ歩ネタについては、
当時よりもずっとこのネタを苦手になった今見返しても特に問題は感じないし、むしろ普通に笑いながら見ることができます。
これはドタバタ紙芝居がぶっ飛んだキャラ付けをされたアイドルたちが繰り広げるコメディ成分120%のシリーズで、僕自身もそういうものが見たくてこのシリーズを視聴しているから。


しかし一方でぷよm@sのフヒ歩ネタは非常に抵抗が強くて、使われるたびに残念な気持ちになっちゃうんですよね。
ぷよm@sも不憫真美や酒乱あずささんといった定番ネタでコメディしている作品ではあるのですが、
シリアス成分も少なくないシリーズだし、真面目にカッコよく描写されているキャラクターもいる。
そんな中で、自分が求めているわけでもない「フヒ歩」をやられるのからゲンナリしちゃうのかなあと。
(作品の背景設定だとか、“フヒる”対象が真に向けられているからだとか、細かく突き詰めるともうちょいややこしい話になっちゃいそうなんですが。)
でもそこを抜きにするとぷよm@sはシリーズもので5指に入るお気に入りだし、見どころもたくさんあるので、
「フヒ歩ネタ嫌だからぷよm@s見るのやめるわ」なんてわけにはいかないんですよね。
フヒ歩ネタ使われるのは嫌だけど、それでもぷよm@sは凄く面白いからそこを我慢しつつ見続けている。
そういう経験があるからこそ、
「真のヅラネタだけは嫌なんだけど、カクテルは楽しいイベントだから見ていたい」っていう人の気持ちにも賛同できるなーと。

考えをまとめるとか言いつつ、無計画にキーボードを叩いてたら相変わらずのグダグダっぷりに。
えーと、つまり要点は……
・弄りネタを批判することで誰かの反感を買っちゃうのは自己責任ではあるけれど、その考え自体は理解しうるものだと思うよ!
・ネタの内容によって反応を変えることで反感を……以下同上。
・ネタに対する許容ラインは複雑に変動するので難しいよね
・弄りネタを使う側も、そのことで誰かが不快になるかもしれないってことは理解してくれると嬉しいな。使うなとは言わないよ!

ってとこかしら。

誰かを弄ることで笑いをとるってのは一つの芸であり、
ニコマスにおいても今までたくさん使われてきたし、その文化がなくなったらかなりの笑いが消えてしまうことでしょう。
(「誰も傷つけない綺麗な笑い」なんてのを描くのは高い技量とセンスが求められるでしょうし。)
それに、そういうネタがキャラクターへの取っ掛かりになるような可能性だってあるんじゃないでしょうか。
例えば千早などは、貧乳ネタがある種のメリットになっているような一面もあると思います。
……でもそういうネタを使うことは、どこかで誰かの負の感情を引き起こしてしまう危険と隣り合わせなわけで。
使う側にとっても見る側にとってもつくづく難儀な問題だなぁと常々思わずにはいられないのでした。

*1:ネタの内容によってはその可能性に気づけないということもあるでしょうけど。真のズラネタだって、個人的には真自身のことを侮辱しているようには感じづらいし。