「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」感想②(シナリオ・キャラクター語り)
英雄伝説 閃の軌跡II (限定ドラマCD同梱版) - PS Vita
- 出版社/メーカー: 日本ファルコム
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: Video Game
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全体の感想に引き続いて、
記憶が薄れない内にシナリオの感想や次回作妄想とかを語っておこうと思います
※以下ネタバレ注意
序章
「前作EDの直後からスタートってことは、SCや碧みたいに時間空けてないのかな?」と思いきや、初騎神操作の疲れで1ヶ月経ってましたーという都合の良い展開。
他にもⅦ組メンバーの探知とか精霊の道ワープとか、ヴァリマールさんはシナリオ上都合の良い便利アイテムと化してましたね。
開始直後のリィンがセリーヌやヴァリマールにちょっと刺のある態度だったり、
早く皆と合流しなきゃ…って焦ってたり不安そうだったり、前作のときにはあまり見れなかった姿を晒していたのが良かったです。
他のクラスメイトも分かれていろいろやってる時のほうが活き活きして見えたし、Ⅶ組メンバーはバラバラでいる方が魅力的だったりするのかも…w
序章だとお風呂でエリゼに説教されるシーンが良かったですね。
義理の妹と混浴とかあざといなーって最初は引いて見てたんですけど、
リィンの過去のトラウマから来る自己犠牲精神とか、俺なんて好かれるわけない思考みたいな欠陥をズバッと指摘することで、
前作の時点では没個性気味に感じていたリィンのアイデンティティをうまい具合に確立し、かつ幕劇の展開への布石にもなってますしね。
このシーンで「今作ではガッツリリィンの物語を描いてくれそうだな」という期待感を覚えたのを記憶しています。
いきなりユミルが襲撃に合ってシュバルツァー父が重症を負い、ヒロインコンビが攫われていく流れも、
平穏な時間がいつ崩れるかわからない内戦下のハードな環境を感じさせてくれて、導入部分としてはなかなかよい展開だったかと。
空SCや碧のときの序盤はもっとのんびりした感じだったからよりインパクトありましたね。
ただ、義父が猟兵相手に立ち回りするシーンは、碧までのチビ等身ならもっと見応えあるアクションでカッコよさ引き立ってたんだろうなーとかやっぱり残念に思っちゃったりも。
第一部①
短い間だけれど、序盤のリィン・トヴァル・セリーヌの三人旅の空気が好きだった。
前作では終始Ⅶ組メンバーで行動してたから、
まだ付き合いの浅くて距離感のあるこの2人と……って光景が新鮮で何とも楽しいし、親しい仲間と離れ離れで行動してるんだってのが実感できて良い。
碧でもメインの支援課メンバーと別れてロイド・ワジ・ツァイトの三人パーティになるところとか好きだったなあ。
あと、経験豊かなトヴァルさんの頼もしさが随所で光ってて嬉しいのよね。閃は特に大人の男のカッコよさが不足気味だったから。
後々加入するクレアやシャロンやサラも頼もしいんだけど、トヴァルはリィンが一番孤独で不安な時期にいたからよりその存在の有り難みが感じられましたね。
そんな楽しい時間が終わってしまうのは残念だったけど、それ以上にマキアスとの再会シーンが素晴らしかった。
記念すべき最初の合流というだけで高まるものがあるし、周りくどいチェス謎々で焦らされてさらに気持ちが膨れ上がっていたところに、
リィンが自らマキアスに対して抱擁しにいく光景が来て凄くグッときちゃうわけですよ。
序章での焦りっぷりやエリゼ説教シーンのおかげでリィンにとっていかにⅦ組の面々が大切かを実感していたからこそ、
ここで感動を露わにするリィンに物凄く感情移入できて痺れちゃったんですよねえ。
序章からこの再会シーンまでに至る流れで、リィンが凄く良いキャラクターになりつつあるんじゃないかとワクワクし始めていました。
それだけに、この後リィンがⅦ組に支えられてるんだってことを実感させてくれるシーンがほとんど無かったのが残念です。
後は機甲兵の戦力分析をしっかりして戦車で対抗しているクレイグ中将がカッコ良かったのと、
まずはⅦ組全員と合流してからどう動くべきかを決めますっていう説得力のある次の目的を示してくれることで、リィン達の行動に感情移入しやすくなるのが良かったなあってくらいかな。
第一部②
ノルド集落が内戦の緊張に備えて湖畔まで移動していたことで、序章に引き続き内戦の緊迫した状況が伝わってきました。
NPCのシャルちゃんがそれに帯同して湖畔でラブコメやってて、ゼンダー門にいる親父が気が気でないのとかも相変わらずのモブエピソードの細かさに震える。
モブエピソードといえば、Ⅰの3章で亡くなったロアンとその同僚ザッツのクエストが良かったなあ。
「ネームドモブがあっさり死んだ!」ってことであの2人の存在は凄く印象深かったから、こういうアフターエピソードの存在にはグッと来てしまう。
それから変な話だけど、新しいネームド猟兵団「ニーズヘッグ」の登場にちょっと感動しました。
閃Ⅰラストで西風コンビが出てきて、「なるほど碧の紅い星座と対照にする形で、閃ではライバルの西風が出てくるのか」って感心したことから、
「閃Ⅱで貴族サイドにつく敵猟兵団=西風の旅団」みたいな図式がなんとなく自分の中で出来上がっていたんですよね。
それが序章では北の猟兵、ここではニーズヘッグと他の高ランク猟兵が出てきて、しかもそれぞれ雇い主が違うということで、
紅い星座オンリーだった碧の敵サイドとは違う、貴族連合の一枚岩では無い構図が現れていてなるほどなあと。
まあよく考えれば、解散してて一般兵が出せない西風だけで紅い星座と同じような役割をこなせるわけが無かったんですけど……w
序盤で早速内戦に介入しちゃうわけだけど、ガイウスの故郷だし自身にも親しみあるノルドのため…って形だったからまあすんなり受け入れられました。
全体的に前作で培った町の人々との絆だとか、仲間の家族の存在だとかを理由にしているからそんなに抵抗湧かないよね。
第一部③
次の行き先がレグラムということでトヴァルを連れて行きたいけど、加入したばかりのシャロンも使いたくて悩んだ記憶が。
結局「ここは誰しもがシャロンを選ぶとライターも想定しているだろう」というメタな考えでシャロンを選びました。
ここはオーレリア将軍とウォレス准将の登場シーンが一番衝撃だったかな。
というのも閃Ⅱの新登場キャラはほとんど発売前情報で出尽くしてると思ってたから、
こんな序盤で全く見覚えない強者オーラバリバリの新キャラが出てくるのが予想外だったんですよね。
帝国時報で名前見かけて気になっていたというのもあったしね。
領邦軍はあまりに小者感が酷かったので、この2人の登場は敵サイドの株を持ち直させてくれたのが何より良かったです。
特にオーレリア将軍はヴァンダール流とアルゼイド流を両方極めてるとかいう分かりやすく凄そうな設定だし。
あとはユーシスとの再会シーンかな。
大トリだけあって中々気合入ってるイベントだったような。
本人は最初から合流する気満々だし回りくどい茶番ではあるんだけど、
ユミル襲撃に対する罪の意識が枷になっているユーシスの人柄や、それを断ち切るのが理屈を越えた決闘であり男の友情とかこういうベタなの好きなので普通に楽しんでました。
再会シーンは最初のマキアス・最後のユーシスの2人がやっぱ印象深いかな。
ベタといえば助っ人が駆け付ける流れもクレア・シャロンに続きサラでもう3連続だけど、サラ教官は閃Ⅰで一番気に入ってたキャラなのでやっぱりテンション上がっちゃってました。
というか強敵戦の後の助っ人登場はもう軌跡の様式美みたいなもんですしね。
レビュー漁ってたらまたこのマンネリ演出かって相変わらず言われまくってたけど、もう7作目まで来たんだから何を今更って個人的には思うんですが……。
まあ今作の場合、ラスダンのボス戦でまでそれをやっちゃったのがマズかったというのがあるかもしれませんが。
全員集まってワイワイ休息日という平和フェイズを挟んだところで、唐突なカイエン公出撃も切れかけていて緊張感を取り戻させてくれてよかったです。
クロウとの再戦なんかもありましたが、それ以上にルーファス戦がシリーズ中でもそう無いような完膚なきまでの負けイベントでビックリしました。
大体はちょっと善戦するけど、敵が「フフ、やるな…」とか余裕をかましてる……くらいの流れで済むイメージなので。
しかも個々があまり強くないとはいえⅦ組9人がかりっていうシチュエーションでしたからね。
「もしかしてこの人、執行者連中よりももう一段強いくらいなのでは……!?」と唖然としました。まあ正体を考えるとそのくらいの設定でもおかしくないのかな?
幕間
「敵の巨大戦艦に連れて行かれる→仲間にならないかと誘いを受ける→敵組織のキーキャラクターから過去話を聞かされる→探し求めていた人物と再会して一緒に脱出」というセルフパロディ全開っぷり。
ここまででは無いにせよ、ちょくちょく既視感あるシチュエーションが出てくるのはやっぱりある程度狙ってやってる部分もあるのかな。
思ったより早くに明かされたクロウの過去は、思ってたほどハードなものではなかったけれど、
それだけにリアリティを感じられる部分もあり、まあ理由付けとしては十分な感じじゃないかなと。
本人もあくまでオズボーンを憎悪し復讐に狂っていたわけではなく、半ば自棄的にこの道を選んで引き返せなくなっただけだと冷静に振り返ってることだし。
併合時のゴタゴタで両親だの親友だのを殺された……みたいなのを想像してたんだけど、
オズボーンはあくまで豪腕すぎる政治家であり単純な“悪”にすべき人物じゃないってことを思うとこういう形の方がいいのかな。
にしてもやっぱりこの話を聞いた後、特別実習でジュライに行った時のクロウの心情を思うと何ともやるせないものがありますね。
それと、ジュライ併合に向かうきっかけとしてノーザンブリアの件が出てきたのが、シリーズのいろんな場所や出来事がひと続きになってるんだってのを実感してゾクゾクしました。
時系列的にもかなり前の方のはずだし、実はあの塩の杭の件がシリーズのいろんな事件の発端になってるんじゃないかと疑ってみたり……。
他の敵ともひと通り会話出来たけれど、
話してみるとどいつもこいつもわりと好感の持てるキャラクターだったのがよかったです。
特に西風コンビのフィーへの親バカっぷりには和みました。殺伐としてる星座と対照になってていいですね。
ここで好感度上がってたから、終章でぶちのめせなくてもそこまでモヤモヤせずに済んだ気がする。
碧の敵が数名下衆だったり小物だったりで嫌いだったから余計にそう感じました。
下衆や小物も物語を盛り上げるうえで必要だと思うしそれはそれで必要だと思うんだけど、碧の場合プレイヤー視点でそう映るキャラがシナリオ上ではさも素敵な人物かのように描かれてるからダメだったのよね。
ただ、リィンがあくまで親しみのない敵であるはずのアルティナやデュバリイにまでナデナデイチャイチャし始めたのは気持ち悪くて引いちゃったなあ……。
アルフィン殿下のお説教からリィン覚醒に至る流れもよかったですね。
というか序章のエリゼ説教や一部での7組との感動のご対面が先にあって、
そしてここでようやくリィンが本当の意味で自分が周りの人たちに愛されていることを実感して、
だからこそ彼らのために自分を捨てるのではなく、彼らのためにも自分を大切にしなきゃいけないんだって風に精神面の問題がスッキリ解決するという流れが凄く良く出来ていて。
これまでの閃の物語、特に閃Ⅱに入ってから積み上げてきたリィンの物語はこのシーンのためにあったんだなーってカタルシスを感じていました。
んで、そういう精神的な描写でのカタルシスを迎えたあとに、今度はアクション的な描写で存分に盛り上げてくれるから尚更熱いのよね。
まずはまさかまさかのアルフィンのパーティインでビックリかつテンションが上がるわけで。なんといっても今回唯一の前情報なしの完全サプライズ枠*1ですからね。
序章でアーツの才能が〜とか言ってたし、エリゼもプレイアブルになったからもしかしたらとは思いつつ、
でも武器を振り回すイメージが全く湧かないのでまあ無いだろうって思ってたんですが、なるほどアーツ限定という形で参戦するとはなあ。
さらにその衝撃も冷めやらぬまま、さらに痛快なまでの神気合一リィン無双が続くわけで。
アルフィンを守りつつ、結社コンビを真正面から押し切り、西風コンビとアルティナの障害も交わしていく。
おそらく軌跡シリーズでここまで主人公がド派手に活躍することは未だかつて無かったでしょう。
エステルやロイドのように、パーティ内で真ん中以下くらいの戦闘力の普通の子が主人公ってのは軌跡の良さとして受け取っていますが、
かといって最強主人公が嫌いというわけでもないので、たまにはこういうのも気持よくていいよなあと。
(というかリィンも騎神除けば一人で何とでも出来るほど強いわけじゃないしね。)
そして最後は待ってましたなクロウとのタイマンバトルが待ち構えてるわけですよ。
クロウとは騎神バトルだけじゃなく生身のバトルでも決着つけたいなーと思っていたけど、まさかリィンとタイマンって形になるとは想定してなかったです。
まあよく考えたらⅠの6章で一回倒しちゃってるわけだし、こういう形の方がリィンとのライバル関係をより際立てるうえでよかったのでしょうね。一応他のⅦ組メンバーでも終章でまたやり合えたし。
アドレナリン全開のままクロウ撃破までやり終えた後も、
まだ恒例の援軍展開で大人組+7組のリベンジからついに待ちに待ったオリビエ登場という熱い展開を残していて
さらにカレイジャス離脱時にはトワとジョルジュのボイスも聞こえてきて、ホント徹頭徹尾盛り上がりっぱなしの章だったなあ。
碧のピークが序中盤の2章だったように、閃Ⅱもこの幕間がピークだったような気がしないでもないですね。
プレイ時間はほんの1,2時間程度のはずなのにこれだけ書くことがいろいろあるわけだし……w
第二部①②
二部が始まって、まず最初に行動方針を決める話し合いがきちんと挿入されるのが良かった。
とりあえずオリビエの意志も継いで、第三勢力として内戦下で苦しむ民を助けよう。
でもそれ以上に大きな最終目的として、トリスタと士官学院の奪還を目指そう。
そのためにも、各地に散らばっている学院生達を集めて助力を請おう。
RPGで飛行乗り物を手に入れたときって一気に行けるところやできる事が増えすぎて戸惑うことがけっこうあるんだけど、
こうしてきちんとした説得力ある行動指針を定めてくれることでプレイヤーとしてもキャラを動かしやすくなるのよね。
加えて、新しい目標ができる事で、ここから新しい物語が動き出すんだなというワクワク感も生じてきましたし。
いつもの1章〜終章じゃなく、
Ⅶ組の再会を第一部、幕間を挟んで学院生集め+トールズ奪還を第二部、帝都決戦を終章っていう大きな区切りにしたのは今回のシナリオ構造を考えると良い判断だったと思います。
学生+教官だけで一大勢力としてカレイジャスを運用していくというのはそれはそれでワクワクするものもあったけれど、
一方でアルセイユの魂を継ぐカレイジャスはオリビエの船というイメージもあったので、
それが学院生達のものになり、カレイジャスを駆って活躍するオリビエが見れないというのが残念でもありましたね。
まあ帝国の問題自体はまだまだ終わってませんし、今後のシリーズでそういうオリビエとカレイジャスの姿が見られるかもしれませんが。
第二部の面白さは帝国各地で同時進行しているNPCの物語を帝国マラソンしながら追うのと、
これまたやはり前作のトリスタマラソンで魅力を培ってきた学院生達をコレクションしていくことにあると思うんですが、
NPC会話に興味なくてメインシナリオだけ追ってるタイプの人には展開ワンパターンだしⅦ組メンバー全然活躍しないしで、退屈で中弛みしてるように感じるだろうなーと。
そんな時間がおそらくプレイ時間の一番多くを占めてるわけだから、
総評でも書いたように、NPCの物語にどれほどのめりこめるかが閃Ⅱの評価の一番の分かれ目なんじゃないかと思います。
一回目のメインシナリオイベントであるフィオナさんの救出は、
エリオットが固定化ということで、「碧の反省を活かして、ライバル不在のキャラにもこうやって見せ場作るようにしたのね」と見直してたのに、
いざ進めてみたら特に活躍もなくただ付いてくるだけでガッカリでした。
反面ナイトハルト教官とフィオナさんがいい感じの雰囲気になってたのは、そうそう軌跡ってこういうゲームだったよなあとちょっと懐かしく嬉しい気持ちに。
何だかんだ空のガンガン男女をくっつけていくスタイルが好きみたいで、自分はいわゆるカプ厨的な人種なのかもなあと。
まあ少なくとも、零以降の出てくる若い女みんながみんな主人公のハーレム要員みたいなのより良いのは間違いないけど。
二回目のメインシナリオイベントであるルーレ潜入&イリーナ救出は、
アリサパートかと思いきやアンゼリカ先輩の方が断然目立ってましたね。
父親との確執絡みで多少何かあるかなーとは思っていたけれど、ここまでしっかりした見せ場用意されてるとは思わなんだ。
ユーシスもだけど、権力や地位のある立場だとシナリオに介入しやすいのが強みだなあと。
父親との喧嘩を生身の殴り合いじゃなくロボ対決にしたのは、アクション演出のまずさを誤魔化しつつロボの迫力で魅せられるから二度美味しいとか思いながら見てました。
断然生身バトルの方が燃えるんだけど、閃のグラフィックでやったらガッカリイベントになること間違い無しだもんね。
ロボ戦といえば、Ⅰのときにもう終わったキャラだと思ってたヴァルカンが想定外にいい役どころで盛り上げてくれたなと。
帝国解放戦線の2人は続編まで引っ張る価値あるんだろうかと疑ってたんだけど、なるほど騎神戦の中ボスポジションという使い方があったかと。
執行者や西風の猟兵がロボット操縦するのは何かガッカリだし、かといってクロウ戦までずっとモブ領邦軍ばっかりというのもなーって感じだったから凄く納得でした。
最早死ぬために存在している燃えカスみたいなものだったから、きっちり爆死してくれたのも好印象。
敵を死なせちゃった主人公がウジウジ悩む展開は嫌う人もいるでしょうが、
個人的にはまじめな正義漢系主人公には真っ当な課題だと思うから嫌いじゃないし、
その後「もう誰も死なせない」って決めてスカーレットを助けることが、クロウを救えない悲劇性をより高める事にもなりますしね。
第二部③
先輩学院生2人が活躍するハイジャック事件のクエストが素晴らしかった。
一部を除いて自分のことで精一杯な一年生と違って、二年生はレジスタンス活動とかしててすげーなーと思っていたけれど、
中でもこのイベントの先輩2人は情報収集・作戦立案・連携行動・戦闘と具体的な形で主人公たちに負けず劣らず大活躍してて、
Ⅶ組以外の生徒達も皆優秀なエリート達なんだってのがよく分かったし、彼らが仲間として加わる頼もしさを実感できて良かったです。
クレイン先輩とか閃Ⅰだと家族愛キャラだったから戦うイメージがあんま無かったけど、こうしてみるとたくましい水泳部部長だしバリバリの有望軍人候補生なのよね。
ハイベル先輩の方は文化系だからもっと軍人とイメージが結びつかなかったけど、こういうキャラでも魔法杖持たせとけば不自然さ軽減できるのが都合いいなぁと。
エリオットやエマ、エーデル部長にアルフィン殿下に至るまで、
武器を振り回しそうにもないキャラにも戦闘参加させられる魔導杖はシナリオ的に凄く便利な発想だなーと改めて。
空の時にこれがあったら、クローゼかオリビエ辺りは武術の心得が無い杖キャラになってた可能性もあったりして。
中盤の山場であるケルディック襲撃イベントはなかなか衝撃的なものでしたね。
街が襲われ焼かれるイベントは空のラヴェンヌ村や碧のクロスベルもあったけれど、このケルディック焼き討ちが一番ショッキングだったように思えます。
その理由のまず一つ目として、幕間で前振りしていた機甲兵の迫力が作用して、打ちのめされている住民たちの悲壮感が見事に伝わってくること。
二つ目に、苦しい重税の中でも何とか頑張っているケルディックの様子を序盤から丁寧に描いていて、領邦軍撤退で希望を見出していて矢先にこの試練をぶつけてきたこと。
そして三つ目に、その流れの中心にいたオットー元締めの死。
「戦争なんて言ってるのに、ケルディックが焼かれて一人死ぬのが限度なのは温い、子供だましだ」みたいなレビューを見かけたけれど、
僕としてはこれだけでも十分厳しさが表現できていたように感じる。そのくらいこのイベントにダメージ受けちゃったのよね。
やっぱりそれはNPC一人一人の物語を作りこんでて彼らの生活感を感じられる軌跡だからこそであって、
これだけモブキャラ達の不幸に大して真剣に悲しむことが出来る軌跡の素晴らしさ、
そしてⅠの監視塔兵士といい、そこに死のドラマを組み込むようになった閃の素晴らしさを改めて感じました。
まあモブといっても、オットー元締めは碧までのインターフェイスなら専用顔グラフィックがあってもおかしくないくらいのポジションですけど。
ケルティックイベントについてもう一ついうと、ここでベッキーが駆けつけてくる小イベントを挟むのが素晴らしいのよ。
この街が襲撃されたってときに、Ⅶ組の誰よりも彼女がショック受けるだろうなと思ってたら、
ちゃんとメインシナリオの中でこういう描写入れてくれるもんだからちょっと感動した。
サブキャラ達の物語に入れ込んでいただけに、それがすごく大事にされてることが分かると嬉しくなるのよ。
相方のヒューゴが付き添いで一緒に来るのもよかったですね。
ユミル襲撃・フィオナ誘拐と来て3度目の正直なアルバレア公逮捕イベントは、
流石にこれまでの家族救出イベントと違ってユーシスがちゃんと前面に出て活躍してくれるのが良かったです。
散々悩みぬいてる描写を続けてきたのに、ここでリィンについてくるだけの仲間A扱いじゃああまりに納得いかないもの。
とはいえ突入早々のサラ教官無双イベントにちょっと持って行かれた感あるし、
父と対峙するシーンでは障害がギャグキャラのデュバリィでちょっと締まらなくなっちゃった気もするけど。
まあ完全に小者と化していたアルバレア公では、どういう形にしてもあんまり熱く盛り上がる感じにはならなかったかもしれませんが。
イベント終了後の休息日にあった、マキアスがオットー元締めに献花する絆イベントが物凄く良かったんだけれど、
同時に所詮絆イベントだから、これがあってもなくても零れ話程度のものに収まってしまっているのが残念でもあって。
以下勝手な妄想話を繰り広げますが、
例えばケルディックに縁のある代表みたいになっていたマキアスと、
バリアハート・アルバレア側のユーシスとが焼き討ちの件でちょっと気まずくなりつつ、
でもここまで友情を育んできたが故にお互いの気持ちを分かり合って、一緒にアルバレア公逮捕に動こうと決意しあう。
そしてこの2人を中心にオーロックス峠のイベントが進行して、
解決後にマキアスがユーシスを誘って、一緒にオットー元締めへの献花を行う。
……なんて形でメインシナリオを進めてくれれば、個人的には好ましかったなあと。
そうすればユーシスとマキアスの友情劇をもっと大々的にメインシナリオに組み込めるし、
マキアスの見せ場を作って、貴族平民云々に関する彼の成長をアピールすることも出来ますから。
やっぱりそれぞれしっかり意志を持ち物語があるのにそれが絆イベントだけで昇華されて本編で役割を持てないのが勿体無いし、
それにこの2人の場合、
お互いの物語にとって大きな存在である両者の関係を、それこそSC5章のアガット&ティータくらい派手に見せて欲しかったなあというもどかしさが残ってますね。
第二部④
ケルディックの演奏会クエストは素直にジーンときた。
前作での教会の演奏会に関連付けての導入も自然だし、
吹奏楽部員だけでなくフィオナやモブNPCのアンドレまで巻き込んでいく展開も素晴らしい。
音楽の力で怪我人が目覚めました、街が活気づき始めました、とかベタではあるけど、
ケルディックの惨状に本気で心痛めたからこそ凄く沁みましたわ。
それに戦争の中でどう役立てるんだろうって思ってたエリオットの音楽要素をちゃんと拾ってくれるのが嬉しいよね。
このクエストがあるからこそ、音楽の力を信じてそっちの道に進みますっていう結論にもきちんとした裏付けが出来るわけだし、
戦闘面での見せ場はさっぱりでも一貫した話が作られてる分まだエリオットは良かった方だよなあと。
精霊窟巡りは聖地感満点のBGMが素晴らしくて最初は楽しかったんだけど、
4回もあるとだんだん億劫になってくるし、一周目で試練の箱取り尽くせない仕様にイラッとさせられる。
というかぶっちゃけ固定されてるラウラが邪魔なのよね。
各キャラ一回必ず固定されるのは、全員を使わせようっていう意図故だろうしそれはむしろ大歓迎なんだけど、
ここはエマも固定になっちゃうわけだし、ローエングリン城のクエスト終わった時点で一区切りつけて外せるようになるとかもうちょっと考えて欲しかったなあ。
んで、ついに肝心のトリスタ解放イベントに移行するわけですが。
まずトワ会長がここでパーティインして先陣切っていくのがいいのよね。
OPではリィンの号令で鬨上げてたけど、やっぱり設定的にはこの人が生徒代表ポジションの方がしっくり来るわけで。
それから、突入後にトリスタ住人が集まってきて声かけてくるのがグッと来ました。
今作では終盤からの登場で存在感薄いけど、やっぱり前作通してずっと会話してたここのNPCが一番思い入れ深いですからね。
ただ、メインディッシュの戦闘シーンはちょっと何だかなあという感じ。
パトリック達貴族生徒と戦うというのはそれはそれで熱くもあるんだけれど、
結局のところ茶番なわけだし、実質学院解放が騎神戦勝利の時点で終わっちゃってるというのは凄く肩透かしな感じが。
どっちかといえば、やっぱり領邦軍やら猟兵団やらの警備を外のリィン達と内の貴族生徒達が協力して打ち破るみたいな展開の方が見てみたかったですね。
学院の物語、としては全編通して高く評価してる今作の中で、唯一引っかかっちゃったのがこの重大な局面というのはちょっと痛かったなあ。
終章
絆イベントについては……また批判するのもなんだし何も言うまい。
碧で登場が示唆されていた「吼天獅子」はやっぱりガイウスの回想に出てきた神父だったわけだけれど、結局顔出ししないままってのはちょっと肩透かし感。
まあ一応別の守護騎士の方は判明したわけだし、別に守護騎士も執行者も完結までに全員登場させなきゃいけないとも思ってないからそこまで気にならないけど。
でも今の調子だと、1シリーズに1,2人程度で小出ししながら全員判明するまでひたすら引っ張り続けるとかやりかねないなぁw
本編は、このタイミングで内戦を収めにかかる理由がクロスベルの動乱終了ってのが痺れましたね。
内戦でゴタゴタやってるうちに共和国がクロスベル占領してさらに攻めてくるかもしれないから、っていう理由付けも説得力あるし、
「クロスベルの幻をもって帝国の焔を云々…」という幻焔計画の意味合いを改めて実感させられてなるほどなあと。
クロスベル独立国宣言が内戦の引き金になって、碧の大樹消滅が内戦集結を促す……始まりも終わりもクロスベルの動きともろ連動してるわけですよね。
閃Ⅰに引き続き、この碧のシナリオとリンクした仕掛けは凄く楽しい試みでしたわ。
んで、離宮に囚われている王族を解放しに行くというこれまたどこかで見たような展開。
突入後遠くからも、リアルタイムで闘っている学院の仲間たちの姿が視認できるのはちょっと感動しました。そのせいでロード重くなってたけど。
碧までに比べたらやっぱりショボいんだけど、閃Ⅰに比べたら頑張ってるなあってところどころで感じられたかな。
あと細かいことなんだけど、アルティナとの戦闘後にリィンが指示してフィーとミリアムが退路を塞ぐシーンが良かった。
こういう仲間それぞれが自分の能力を活かした役割につくのは見ていて楽しいし、
やっぱりリィンが一人でなんとかするばかりじゃなくもっと周りを活かす・頼るところを見たかったなあ。まあ結局例のごとく逃しちゃったけど。
こっからすぐラスダン突入に移るのは、碧の終章がくっそ長かったこともあって「え!? もう終わり?」とちょっとビックリ。
まあその後まだクロスベル組の話とか残ってるの知ってたんでそれほどガッカリって感じでは無かったですけれど。
そして恒例の途中で中ボス戦が順番に挟まる展開でしたが、まさかラスダンでまで敵に余裕かまされたままとは……。
閃の敵勢は割りと好感の持てる作りだったから別にぶちのめしたいとかは無いんだけれど、
にしても最後まで余裕で格下扱いされたままってのは何かスッキリしないよなあと。
アリオスとかシグムントとか化け物を真っ向から倒してた碧の後だから余計にそう感じますね。
そりゃまあリィンサラ以外はエリートとはいえ所詮学生レベルの閃メンバーが空や碧のパーティほど強くないのはわかりますけど、
にしても人数差もだいぶあるわけだしマクバーンはともかく、結社コンビと西風コンビくらいは倒してほしかった。
お決まりの援軍駆けつけ展開に繋げたかったのはわかるしそれは好きなんだけど、
それやるにしても、こちらの勝利で勝負が決しかけた後、まだしつこく粘ってくる敵を助っ人が食い止める……くらいの魅せ方にするとか、もうちょっと考えて欲しかったなあと。
結局閃でちゃんと倒せた強者ってこの後のクロチルダとクロウ(前作で既に撃破済み)だけで、
後はずっとモブや小物とばかりだったから、「強い敵を倒した!」っていうカタルシスが致命的と言ってもいいほど欠けてるのよね。
ラストの決戦は、クロウとの闘いに全員を連れて行けて、
ラスボスとのバトルではシステム上でもⅦ組全員参加ってのがよかったですね。
やっぱりラストでお留守番してるだけのキャラがいるのは寂しいし、特に閃はあれだけⅦ組皆で一つみたいなノリだったから尚更ねえ。
トリスタ解放イベントといい、ここぞのところでちゃんと全員動かしてくれたのは閃Ⅱの評価すべき点だと思います。
やっぱりこれからもラスト、特に後編作品の時には全キャラが動いてくれるようにしてほしいですね。空3rdのラスダンとか凄く理想的でした。
クロウ&クロチルダとの闘いは、やっぱりもう一度Ⅶ組全員でちゃんと生身のクロウと決着つけられるってのがうれしかったですね。
あと、戦術リンク使ってきたり3年間の思い出話をちらっと覗かせたり、敵2人の意外と深そうな関係がちょっと興味深くて面白かったです。
おそらく最大のメインディッシュのつもりであろう騎神戦は、
まあやっぱりシステム的に4人パーティの通常バトルよりも面白さでは劣るんだけれど、
こういうドストレートなライバルとの1vs1決戦って逆に新鮮だったのでシチュエーション的には中々熱いものもありました。
ヴァリマールがだんだん武器強化して強くなる過程を描いてたから、オルディーネとやり合えて勝つことにもそれなりに達成感覚えられたかな。
ラスボスのEOV生身戦は、まあこういう怪物系ラスボスは毎回シナリオ的な熱さとはあまり結びつかないんだけど、
今回は二段階に分けて仲間全員を参加させられるっていう仕組みのおかげでちょっとテンション上がってましたね。これからも是非この仕様は採用してほしいものだ。
その後の騎神戦は、やっぱり待ってましたなクロウとの共闘展開で流石に燃えましたね。
やっぱり今回一番一緒に闘ってみたかったのは彼だったわけで、ロボ戦とはいえ嬉しさが溢れ出るようでした。
専用のコンビSクラなんて憎いサービスもあったし、ラスボスを倒す瞬間なら今までのシリーズで一番盛り上がったんじゃないかと。
そしてラスボス撃破後の怒涛の展開へ。
案の定クロウが死亡、ジーンとくる遺言イベント。
……からの、ルーファスがアイアンブリード筆頭でした!
オズボーン生きてました!
クロチルダを怯ませて幻焔計画乗っ取ります宣言!
そしてトドメのリィンパパはオズボーンでしたオチ!
ポカーンと口明けさせられたままクロウ惜別のボーカルEDへ……。
いや、正直言うとクロウが死ぬのはもちろん、ルーファスの正体もオズボーン父親説も発売前から予想してた範疇の展開ではあるんですよね。
ただ、それらの並べ方が凄いというか、畳み掛け方が恐ろしいというか…w
やっぱり、オズボーン暗殺達成で燃え尽きてたクロウの、満を持しての死でしんみりしてるところに、一連の内戦舞台裏ネタバレが来るのが憎いのよね。
オズボーンの結局全部自分の手のひらの上だよ的な余裕の態度、さらには結社まで敵に回す宣言をする大胆不敵っぷりが実に憎たらしくて。
政治的な怨恨からとはいえテロを仕掛けていったのはクロウの方だし、振りかかる火の粉を利用したにすぎないオズボーンが悪と言いがたいのもわかってるけれど、
やっぱりここまでのリィン視点の物語を見てきていると、
「なぜお前が生きてるんだ、クロウの人生は何だったんだ」とやり場の無い怒りをオズボーンにぶつけるリィンに感情移入度MAXで、
そしてそこに、回想でオズボーンの善人的な一面を覗かせつつの父親判明展開が来て、一方現在のオズボーンは「英雄のお前を利用させてもらうぞ」と黒さ全開。
そりゃもう作中のリィンと同じく、頭のなかグッチャグチャで整理のつかないままEDに突入しちゃうわと。
ただ一つ、何だか物凄い体験をさせられたぞとゾクゾクしていたことだけは鮮明に覚えていますね。
その最中にまた、クロウとの思い出だの惜別だのをガンガン推してくるEDが流れだすのがいろいろと卑怯なわけで。
ホントもうどんな顔してこれを見ればいいのか、聴けばいいのかと。
事前に予想はできていても、感情の整理が全く追いつかない展開ということで、
空FCのEDとはまた別のベクトルで、個人的なゲーム体験史に残る衝撃的な幕切れになったと思います。まあ閃Ⅱはこの後にもまだ正規のEDを残してるわけだけれど。
外伝
終章の衝撃冷めやらぬまま舞台はクロスベルへ。
あの終章EDの後、いきなり帝国軍に味方してるリィンやらルーファスの総督府就任やら見せられるのは「なんか凄いことになってきた…」感あって楽しかったです。
で、それに対して最初にリアクションとって動き出すクロスベル人としてマスコミ一行の描写が挟まるのがまた熱くて。
グレイスさんはそんなに好きなキャラでもなかったんだけど、ちょっとテンション上がっちゃいました。
空からの伝統であるマスコミ枠の存在は軌跡の持ち味の一つで、戦闘員ではない彼らも一緒に闘ってるって感じがとても好きなんですよね。
(その点閃は、帝国時報の立ち位置上仕方ないとはいえそういう味が薄かったのはちょっと残念だったかな。)
レインズとR&Aリサーチの裏の繋がりとか、細かいネタを拾ってくれるのもニヤリとさせられましたね。
クロスベル勢はそんな好きでもないけど、それでもやっぱり旧作のパーティキャラが閃の等身でモデルリメイクされて動かせるってのはちょっと感慨深いものがあったし、
戦闘に入ると零のときの戦闘BGMが流れだすとやっぱりしびれちゃいました。
ただ、リーシャの格好は前々から気づいてはいたけれど、閃の等身にすると露骨すぎるサービス過剰っぷりが際立っててちょっと引いちゃいました。
露出度だけでいったらフィーとかもけっこうなものだけど、リーシャのは最早そういう次元じゃないというかなんというか…。
あくまでちびキャラの碧だからこそああいうデザインだったんであって、流石に今後の新登場キャラであそこまで頭悪いものは出てこない……と思いたい。
というかリーシャって、防御力低そうなエロ装備+大剣を軽々と振り回す美少女で、おまけに厨二的な設定持ちとよく揶揄されてるJRPGの要素全開なキャラなんだなぁと今更ながらw
あと、最初は素直にファンサービス感を楽しんでたんだけど、長々とダンジョン攻略やってるうちにだんだんダレてきたなぁという感じもあって。もうちょいダンジョン短くしてくれた方がよかったなぁとか。
ラストがリィンとのバトルになるのは予想通りだったけど、やっぱり新旧主人公対決の構図は少なからず燃えるものがありましたね。
相方がアルティナだったのも、まぁ内戦中の敵と協力してる画の大事さと、それほど遺恨なく組めそうな相手というのを考えたら妥当かな。
共にお人好しで根っからの善人って感じの新旧主人公がぶつかるってのは、
碧と閃を通じて描いてきた視点の違いによって生じる異なる認識だとか正義だとかってものを象徴しているようでした。
それでいて、リィンに「ロイドが羨ましい」って言わせたのは、
似たもの同士に見える2人の重要な違いを上手く際立たせていたし、リィンの心情を思うとグッと来るものがありました。
「己の信じる正義に向かって真っ直ぐ、仲間と一緒に進んでいく姿」ってそりゃあリィンにはめちゃくちゃ眩しいだろうなあと。
あと、あんまり他人の感じ方にケチをつけるのは良くないですが、
この一連の下りに対して「零碧(ロイド)が好きだからリィンのことが嫌いになった」みたいな感想を少なからず見かけたのは、
碧〜閃Ⅱまでの物語を見てきた上でそういう感想が出てきちゃうのかぁってちょっと残念な気持ちになりました。
後日譚
Ⅶ組の物語として大きな区切りをつけるなら「卒業」という形がベストだろうと予想しつつ、
でもそうしたら一年分時間経過させなきゃいけないんだよなあ……と首をひねっていたんですが、まさか全員中退という形にするとはw
物語の都合上無理やり止める道を選ばされた感のある子も一部いたけど、まあ概ね納得のいく感じにはなっていたかな。ユーシスとかはもう学生やってる場合じゃないって感じだし。
リィンは終章以後ずっとモヤモヤを引きずったままって感じでこっちももどかしかったけど、
トワ会長に心情を吐露するエピソードでちょっとだけ安心できたかな。だからこういうのをⅦ組相手に(ryって思わなくもないけど。
一応既に作中最大の騒動にはケリがついていて、あくまで平穏な日常の中での物語だったから、
これまでにはないED後の世界を歩きまわってるみたいな感覚がしてなかなか楽しかったです。
世界やそこの住人に触れるのが何より楽しいゲームなので、
平和になった後の街や人に触れられるってのはやっぱり凄く嬉しいものがあるんですよね。
空SCみたいにラスボス攻略の余韻そのまま大円団ってのももちろんいいんですけど、
空FCみたいにじっくり余韻を堪能できるのも好きだったので、その拡張版みたいなのを満喫できたのは凄く楽しい時間になりました。
それからなんといっても素晴らしいのは、2年生全員の進路を聞き出せたことでしょう。
意外にもなかなかの人数が軍関係の道に進んでいて、でも内戦下の頼もしい姿を見てきたからちゃんと説得力もあるのよね。
一番衝撃だったのは写真部のフィデリオ部長がフューリッツア賞獲って帝国時報に就職決めたことかなあ。
帝国のマスコミ枠と思われたノートンさんはナイアル・グレイス枠にしてはキャラ弱いなあと思っていたけれど、
なるほどこの人が実はその枠に収まるキャラだったのかもしれないな!と驚きつつ頷いてました。
後々のシリーズで帝国記者枠の代表者としてこの人が引き続き出てきてくれたらまたニヤリとさせられそうです。
他のキャラも皆納得の行く面白い道を選びとっていて、
閃Ⅰでは入学・入部からの物語を追っていける1年生の方が印象的だったけれど、
今作では内戦下の振る舞いから進路を決めるまでの物語が綴られた2年生の方が印象的だった気がしますね。
終章をプレイし終えた時、
碧よりは平穏な状況で終わりそうだし、プレイアブルキャラ多い上に掘り下げ不足なのが何人かいるから、
空3rdみたいな設定ゆるゆるの外伝エピソード集枠出して欲しいなーと考えていたんですが、
まさかⅡに3rdと同じご都合主義不思議なダンジョンがくっついていようとは……w
嬉しさ半分、これだけで終わっちゃう残念さ半分って感じでしたね。
皆中退で正規の卒業式を迎えられない代わりに、ラスボス戦を卒業式みたいなノリにするっていう展開にもちょっとビックリ。
前作の学院祭を守るために戦うっていうのもなかなかアレだったけど、今回に至ってはボス自らが「俺を倒しても何もないぞ」って言っちゃいますからね。いっそ清々しかったです。
でも個人的にはこのボス戦の雰囲気凄く好きでした。
いつもの壮大だったり熱苦しかったりするBGMじゃなくて、未来への希望を感じさせる祝福って感じのBGMが流れるのが凄くにくいのよね。
ラスボス戦というのは毎度「ああ、これ倒したら終わっちゃうんだなあ」という一抹の寂しさを感じさせるものですが、
今回は登場人物達もそういう気持ちの中で闘ってるもんだから、よりそういった感情が強調されて何とも切ない雰囲気に浸ってました。
毎度ピークを過ぎた後デカブツをぶちのめしてる印象のラスボス戦で、ある意味今回が一番味わい深かったような気すらします。
そして撃破後の惜別ムードの中、ミリアムが最初に泣き始めて堰を切るのがベタだけどいいのよねえ。
絆イベントで「泣いたことがない」っていう前振りがあったからこその感動で、同時にそれを見ていない人のことを思うと勿体無いなあとも。
というかミリアム自体、掘り下げようによってはかなりドラマチックな展開を作れそうなキャラなのに持て余しちゃった感がするような……。
あとは駅でのお見送りシーンで、サラ教官を泣かせるところもベタだけどやっぱりグッと来ちゃった。
閃は未熟な若者たちの集団を見守る大人たちに魅力を感じていたので、その代表たるサラ教官でこういう描写あるとやっぱ嬉しいです。
EDでは毎度お馴染みの写真演出でやっぱりニヤリとする。
一緒に戦った仲間たちがそれぞれ離れ離れで活躍してる……ってのが凄く好きだから、毎回これがホント沁みるんですよね。特に今回は終始みんな一緒だったからなあ。
共に帝都の学校に映ったマキアスエリオットが仲良くやってるのとか、ユーシスの背景にバリアハートのモブ姉弟がいるのとかもよかったけど
一番気になったのはサラ・トヴァルと一緒に行動していたフィーかしら。
一人だけ帰る場所が無いし、サラとの繋がりもあって遊撃士になるんじゃないかなーと予想していたんだけど、本当にそうだったりするのかしら。
土地の縛りがない分、今後の作品で一番出しやすいかもしれませんね。人気がある女の子キャラだから制作側にも贔屓されそうだしw
青春チックなお別れイベントして、皆笑顔でそれぞれ新しい道を進んでいって、
なんとなく綺麗に終った風ではあるんだけれど、やっぱりリィンの物語に綺麗な決着がついてないから、もやっとした気持ちがどこか晴れないままでした。
空は文句なしの大団円だし、碧も闘いは続くとはいえロイド達の進む道はハッキリしてましたからね。
しかも今回は他の仲間達がそれぞれ新たな場所で元気にやってる分、
「道を見つけること」にこだわっていたリィンが一人進路をハッキリさせられないまま、学院に残るってのがより切ないのよね。
もちろん意図的にこういう終わり方にしたんでしょうし、
リィンの問題はオズボーンとの件を含めるとシリーズに長く関わる根深い話になるってのがあるんでしょうけど、
空のときアレだけ気になっていたレンの件が、零に持ち越されていざ解決したときあまり感動できなかったのが凄くショックだったので、
それ以来主要キャラの問題はなるべくそのシリーズ内で解決してほしいっていう思いが強いんですよね。
リィンの件が他の主人公の話の中で消化されたとき、レンの件の再来にならず素直に感動できることを願います。
とりあえず各章についての感想はこんな感じで。
あとは全体通して気になったことをいろいろ書いていこうかな―と思ってたんですが、
学院生徒達の描写が素晴らしいとか、Ⅶ組メンバーの活躍が不足気味とか既にいろいろ書いていたので、
その他大きく気になったことを3つほどだけ。
①各所同時進行するNPCの物語
「NPCの描写が生活感あふれていて、かつ一人ひとりに物語があって素晴らしい」というのはいつもの事ですが、
それに加えて今作では、
第二部からカレイジャスで各所を回れるようになることで、いろんな場所・角度で同時進行している物語の様子を並行して眺められるのが凄く楽しかったです。
空や閃Ⅰではバラエティ豊かな町を取り揃えつつも、基本一つの章の間では一つの町の中でしか動けなかったし、
零碧は区画ごとの生活様式の違い等はありつつも、周辺の村や病院も含めて全体でクロスベルという一つの町の物語を一緒に進めているという感じだった。
それに対して今回は、内戦という緊急時の中、一枚岩ではない帝国の各町々で全然様子が違っているんですよね。
象徴的なのはやっぱり商人町ケルディックと貴族色の強いバリアハートの対比なわけですが、
それ以外にも、例えば戦火から遠く離れたノルドは緊張に備えつつも、子供が馬に乗れるようになる過程みたいなほのぼのストーリーが進んでいたし、
あとはユミルも、カイエン公の不干渉宣言後は同じ帝国内とは思えないほどのんびりほのぼのムードだったり、
バリアハートと同じ四大名門の勢力下でも、RFグループ関係者ばかりで工業に誇りを持ってるルーレは平民的気色が強かったり、
全体として内戦という大きな物語が進んでいる中でも町ごとに空気が全然違っていて、それらは全部一緒に追っていけるのが凄く興味深いし楽しいのよね。
ボロボロになって必死なケルディックを見て回った後に、ノルドの美しさ長閑さに触れたときのギャップとか、もうたまらないものがありましたわ。
帝国の一部しか行けないし、至宝やら霊獣やらも出てこないしで物語全体のスケールは小っちゃかったかもしれないけれど、
ずっと続けて全ての町と住人の様子を見続けられた分、帝国東部の物語としての密度は凄く濃かったんじゃないかと思います。
②勿体無いヒロイントリオ
今回いろいろと精神的な脆さを露呈していたリィンを叱咤激励するなどヒロインらしい姿を見せていたキャラといえば、
序章のエリゼであり、幕間のアルフィンであり、後日譚のトワ会長なわけで。
一方Ⅶ組の女性陣といえば絆イベントでイチャイチャしていただけで、この3人に比べてメインシナリオ中で彼女らのヒロインらしさを感じさせるシーンは無かったように思えます。
でも、ホントにただの同僚でしか無くてどうしようもないエリィさんと違って、
Ⅶ組女子陣のうちリィンと年齢の近い三人は、それぞれ主人公に対するヒロインとしての面白い要素を持っていると思うんですよね。
・ロボット操縦者のリィンに対して、メカニック系女子であるアリサ。
・ドライケルス帝ポジションのリィンに対する、槍の聖女ポジションとなる可能性を持つラウラ。
・言わずもがな、ライザーに対する導き手の魔女であるエマ。
でも実際は、アリサのメカ知識はほとんど掘り下げられることなく、騎神のサポート関連は全てジョルジュに持って行かれて、
ラウラのアルゼイド家の事情や槍の聖女とドライケルスの関係もあまり語られず、
エマの超おいしいポジションも、ほとんどセリーヌの方に役割が移ってイマイチ存在感を発揮できなかったわけです。
またケチつけるようだけど、やっぱり絆イベントの関係で誰かを突出させることが出来ないから、メインシナリオで特定のキャラにそういう振る舞いをさせることが出来ないんじゃないかなぁーと邪推してしまうわけで。
もし誰か特定のキャラクターにヒロインを絞って、その子にリィンに対してこういう働きかけをさせて恋愛につなげていけば、
空のエステルとヨシュア程ではないにせよ、それなりに厚みがあって説得力もある展開に出来ると思うんですよね。
結局みんな平等に拘って特定のキャラクターに大きな役割を背負わせないことは、
恋愛イベントが薄っぺらくなるのはもちろんのこと、さらにそのキャラからヒロインらしい役割を奪うことでキャラの魅力そのものも奪っちゃってるんでないかなあと。
③勢力争いの渦に呑まれる結社
リィンの覚醒とかクロウとの共闘とかも胸熱でしたが、
今回一番震えたシーンといえば、間違いなくオズボーンの幻焔計画乗っとり宣言だったと思います。
碧から単純な勧善懲悪を離れて、勢力間の利害対立や異なる正義の衝突なんかが取り上げられるようになって、
同じ時系列を敵国視点から追う閃でさらにそういった面白みが強調されてきましたが、
今作のこのシーンでついに、今まで裏で糸を引いて高笑いしていた結社すらもが他勢力と同じ土俵に引き釣り降ろされてきたわけですよ。
前々から碧の感想でよく見る「使徒や執行者が減らない…どころか増えるとかふざけんな!」って怒りの感想にどこか違和感を覚えてたんだけど、
なるほど既に「毎回結社の構成員を倒して計画阻止して、最終的に大ボスを倒してめでたしめでたし」っていう作品では無くなっているのではないかと気づきました。
空でもろ主な敵の一味として立ちふさがって、碧でもメインではなくなるけど裏で糸を引いてるみたいな立ち位置、
加えて最初の登場作品でワイスマンが凄く分かりやすくゲスな悪を演じてくれちゃったせいで勘違いしそうになるけど、
たぶん結社もシリーズ通して常に物語を牽引する主要な・倒すべき最大の敵ってわけじゃなく、
あくまで激動の時代の中で、いろいろ動きまわってる一勢力にすぎないって扱いになったんじゃないかなと。
今シナリオライターが描こうとしているのは、悪の結社の計画に立ち向かう話じゃなく、
激動の時代を生きる人々それぞれの物語であり、最早結社云々はシリーズ最大の至上命題ってわけでもないと思うんですよね。
だから今回、リィンの問題等に決着がつかなかったこと等は別として、
至宝やら霊獣やらが出てきて結社が計画を食い止める……っていう空パターンの終わり方をしなかったことに対しては、僕はあまり気にせず不満に感じていないのかなあと。
まあ何にせよこの先、空のような分かりやすい悪を倒して大団円ハッピーエンド!って終わり方はもう無いんじゃないかと考えてる今日このごろです。
キャラクター語り
閃Ⅰのときみたいに一通り主要人物達についてコメントしていこうかと思ったんですが、
改めて語り直したいというキャラもそんなにいなかったので、気になった一部のキャラにだけ語っておきます。
・リィン
繰り返すようですが、リィンはホント今作でよくキャラ立ちしたなーと思います。
前作では鬼の力だのライザーだの派手な設定をつけつつも、内面はロイドのコンパチみたいなイメージでしたからね。
それが今作で人間的特徴がいろいろ明確に描かれることで感情移入しやすくなったし、
背負い込んだ大層な設定も、エステルやロイドとは違う形の主人公の物語を味あわせてくれて、これはこれでよかったかなと。
そのせいで仲間の個性が死んじゃった感もあるけど、まあそれはリィンの魅力どうこうとはまた別の話だし。
しかしまあ、いろいろ引っ張るシリーズだとはわかっていても、まさか主人公の物語がこんなアヤフヤな形で終わるとは…w
100時間以上動かしてきてそれなりに思い入れはあるキャラだし、やっぱりある程度ハッキリ決着を与えてあげて欲しいですね。
そのとき、Ⅶ組やクロウの存在がちゃんと活きてくるような形になっているといいなあ。
・ユーシス
全体的に残念だったⅦ組メンバーの中で一番(というか唯一?)熱の入った物語を見せてくれたなあと。
ルーファスとの関係はあやふやになっちゃったけど、父親との件はちゃんと主体的に決着つけてくれたしね。
戦闘面でもノーブルとプラチナムで大活躍だし、どっちにおいても男性陣の中で唯一気を吐いてました。
おそらく今回のパーティはリィン・ユーシスと後全員女子って風になる人かなり多いはず。
というか今回、ユミル襲撃・フィオナ誘拐・ケルディック焼き討ちで三度も自責の念にかられて、
自らの手で父親を逮捕して、最後は兄もあんなことになって領地運営を背負わざるを得なくなるとか、終始苛められすぎだよなあと。
出来ればマキアスと一番の親友って感じになってほしかったんだけど、
閃Ⅰ時点でもリィンとお互い出自に影のある貴族同士だったのに加え、
今作では身内に化け物がいたり、身内の存在や行動で苦しんだりとさらに共通点が出来て、リィンの存在の大きさの方がどんどん膨らんでいっちゃってるのよね。
腐女子じゃないですけど、絆イベントは最終的にユーシスのルートに行くのが一番しっくり来た気がしますね。
・サラ教官
大人組で唯一レギュラーメンバー化してⅦ組の物語に組み込まれるという美味しいポジションでもあり、
逆にそのせいで、助っ人頼みの弱いⅦ組と一緒に苦戦させられる要員になって最年少A級遊撃士設定が泣いていた気もする。
まあでも、一応会う強敵皆から高く買われていたし、昔の同僚との大立ち回りなんていう見どころもあって、やっぱりⅦ組外では一番恵まれていたのかな。
ノーザンブリア出身で北の猟兵→遊撃士→教官っていう複雑な経歴から醸し出る人生経験の豊かさや、
大人としての頼もしさカッコよさが感じられて、やっぱり閃シリーズではこの人が一番好きなキャラじゃないかなーと思います。
猟兵時代の話は結局詳細に語られなかったけど、後はご想像にお任せしますみたいな感じでお蔵入りしちゃうんですかね。
空のシェラ姉とかも3rdで未熟な準遊撃士時代を見て一気に株が上がったりしたし、サラも猟兵時代のやんちゃっぷりとかを見せられたらもっと好きになれると思うんで、ちょっぴり期待してます。
・トヴァル
男性のプレイアブル追加キャラがこの人だけってのは凄くガッカリしたけど、
その分大人の男ポジションを一手に背負ったこの人の描写は凄くよかったなーと。
とにかくリィンが一番心細い最序盤を支えるポジションってのが美味しすぎました。
レクターやオリビエみたく飄々とした態度で問題解決していくタイプなのも、これまでの遊撃士にはあまりいなかったタイプで魅力的に映りました。
遊撃士という動かしやすいポジションだし、セルナートとの因縁(?)もあるしで、今後の再登場にも是非期待したいキャラクターです。
・ナイトハルト教官
閃Ⅱでのプレイアブル昇格候補最右翼と思っていたら、公式のキャラ紹介に上がりすらしなくて不遇。
……と思いきや、助っ人登場にはじまりフィオナさんと恋愛フラグ立てたり、
機甲兵動かしてみたり、ミュラーとの共闘シーンもあったりでけっこう活躍してましたね。
学院の教官としての見せ場は少なかったけど、軍人ポジションとしては悪くない扱いだったかなと。
軌跡シリーズの軍人キャラは基本皆好きなので、やっぱりこの人もカッコいいなと思わされましたね。
・クロウ
レーヴェやアリオスみたいな高みにいる達人ではなく、近しい位置のライバルっていうベタだけどシリーズでは新鮮な立ち位置に加えて、
既に目的達成済みなこともあり、心情的にはずっと主人公たちの味方って感じでリィンの兄貴分的な役割も担っていたのが面白かったです。
生身・ロボでの二段階決戦に最後は共闘という王道の立ち振舞をしてくれましたし、
なんだかんだ死ぬシーンは歴代の中で一番胸に迫るものようなものがあったように思います。
(といっても、比較対象がレーヴェ以外モブか悪役しかいない気がしますが……w)
死の直後に人生を無価値にされるような展開が訪れるという最期も含めて、なかなかに味わい深いキャラクターでした。
功罪入り乱れる閃シナリオの要素の中で、クロウの存在は素直に賞賛できる部分ではないかと。
強いて言えば、最後までⅦ組よりトワ達との方が断然結びつきが強いイメージで、しかしⅡでは彼らとあんまり絡まないまま逝っちゃったのがちょっと残念だったかな。
・クロチルダ
閃Ⅰラストのウキウキ実況中継っぷりからやっぱり危ない人なのかと思っていたら、予想よりもずっと良識のありそうなキャラでした。
ド外道の教授・マッドサイエンティストのノバルティス、いろいろと超越してる感あるアリアンとか他の使徒と比べると良くも悪くもマトモすぎるような。
若干設定が執行者のルシオラと被ってるのとかもそう思わせる要素かも。
不快感は無かったけど、その分あまり手強そうなオーラも感じなかったかなってキャラでしたね。
・オズボーン
空3rdで大物感溢れる登場をして、碧でその豪腕っぷりを存分に見せつけて、
そして閃Ⅱでは結社敵に回す宣言でまた更に株が上がったなあと。
ここまで凄くうまい具合に格を保っているキャラだと思うんだけど、それだけにこの先落っこちないか心配でもありますね。
偽装死の真相はリィンの鬼の力と関係有るような異能の何かなのかもしれませんが、
政治家として凄さを保っているキャラだから、安易に戦闘に持ち込ませるのとかは避けてほしいなあ。
・トマス&ロジーヌ
予想通り守護騎士&従騎士でしたが、トマスがNo.2っていう立ち位置だったのはちょっと意外だったかな。
ロジーヌはもう最初っからずっと疑いの目で見てたので、
普通の話で人物ノートが埋まって、何もないままEDに突入しちゃって「あれ、ミスリードだったのかな…?」と思っていたら、
ネットで2周目イベントの存在とネタバレを見ちゃって「あーやっぱりそうなのかー」と、驚くよりも冷めたリアクションを取ってしまいました。
これが1周目の後日譚で何も知らないままイベントを見れていたら、「やっぱりそうじゃねーかw」って素直にテンション高い反応をしていたと思うんですがね。ホントこういうのはもうやめて欲しいですわ…。
まあそれはさておき、結局2人とも真価を見せないまま終わっちゃったので、今後正体を表し大手を振って動くシーンが見られるのが待ち遠しいなあと。特にロジーヌさんが戦闘するところは見てみたい。
ちなみに、空〜閃Ⅱまでのお気に入りキャラクターを今パッと20人ほど選んでみたところ、
1.エステル(空零碧)
2.クローゼ(空碧)
3.オリビエ(空碧閃)
4.ヨシュア(空零碧)
5.ランディ(零碧)
6.アガット(空)
7.サラ(閃)
8.トヴァル(閃)
9.レン(空零碧)
10.オズボーン(空碧閃)
11.シェラザード(空)
12.クロウ(閃)
13.ミュラー(空)
14.ユーシス(閃)
15.リィン(閃)
16.リシャール(空)
17.カシウス(空)
18.ナイアル(空)
19.ケビン(空碧)
20.フィー(閃)
という風になりました。
Ⅶ組のメンバーは全体的にみんなそこそこ好きって程度で、好感は持てるんだけど飛び抜けて好きって子はいない感じかな。
閃組だとサラ・トヴァルの2人が一番高くなったのは、
波瀾万丈な経歴から遊撃士に・主人公に対して頼れる年上ポジション、という同じ立ち位置のアガットとシェラが好きだったので納得の結果かな。
次回作妄想とか
帝国の話自体が終わってないし、リィン自身にも決着がハッキリついてないから、
引き続き「閃Ⅲ」になるんじゃないかっていう意見もチラホラ見かけたんですけど、
絆イベントでリィンと特定のキャラが恋人に……なんてところまでやっちゃったから、リィンとⅦ組の物語は流石にこれで終わりでしょう。*2
もしリィン続投で絆関係一切排した話やるとしたら、新キャラでまた絆シナリオ見せられるよりはよっぽど歓迎できるかもしれませんが…w
次の舞台が再び帝国か、もしくは他国かについては、やっぱり帝国続投の可能性の方が高い気がしますね。
空のときは3rdでけっこう露骨にクロスベルフラグ立てていて、零碧はそれ自体が帝国編への回り道だったし士官学院のフリもあったけど、
今回はほとんど帝国内の話に終始して、他国については共和国と、後は流石にもう無いだろうクロスベルくらいしか関わりなかったですからね。
加えて何度も話に上がりながら一切行けなかった帝国西部が露骨にまるごと未知のままで、
西に行ったらしい守護騎士バルクホルン、結局出てこなかった結社使徒の破戒や帝国の至宝等のフラグ、
閃ではまだ顔みせるだけって感じもあったオーレリア・ウォレス・アルティナ等の存在もあって、順当に行けば次は帝国西部編じゃないでしょうか。
一旦共和国編を挟んで、敵国視点からオズボーン無双中の帝国を見るってのもそれはそれで面白いかもしれませんが、
何れにせよ、帝国を舞台にした作品をもう一度はプレイしてみたいって思いが強いですね。
閃は学生達の話としてはそれなりに高く評価しているけれど、空3rdの時にワクワクしながら思い描いてた帝国編とはやっぱり違うんですよね。
それに、やっぱり閃で未回収のままになってる帝国のキャラクター達の話をちゃんと回収してもらわなきゃ困りますしね。
ミリアムアルティナと黒の工房の詳細、クレアのリーヴェルト姓、シャロンの過去とか。シャロンは次の主人公の立場によっては難しそうだけど…。
あとは主人公の職業だけど、これはもうさっぱり見当がつかないですね。
そろそろ軍人の主人公とかも見たいなーと思うんですが、軌跡の主人公は皆遊撃士のまね事しなきゃいけないっていう縛りがあるから難しいよね。
というか閃の士官学院生ってのが軍関係者を主人公にする落とし所って感じがしますし。
まあ警察に遊撃士の真似事する部署を、とか学院生に実習で遊撃士の真似事を、とか毎回なんだかんだ理由こじつけてるんで、どんな立場でもどうにかしちゃいそうな気もしますが。
閃の発売前は、碧最大のガッカリ要素だった絆システムの続投+学生パーティ+微妙なグラフィックでネガりまくっていたんですが、
蓋を開けてみると十分に楽しめる出来だったということもあるので、
次の作品はもうちょっとどっしり構えて待っていたいなーと思います。
と言いつつ、絆システムという単語を見かけたらやっぱり気落ちしちゃいそうですが……w