「英雄伝説 閃の軌跡Ⅲ」感想②(シナリオ振り返り)

前の記事で作品全体に対する感想はだいたい書き尽くしたので、
後はシナリオ振り返ったりキャラについて語ったり、適当にダラダラ書きなぐっていこうかなと。
文字ばっかで読みづらいのでスクショ挟んでいくべきかと思いましたが、
書くだけで疲れてめんどくさくなったので割愛しましたすいません。

では以下、シナリオの進行に合わせて序章から順にツッコんでいきます。
(※以下ネタバレ含みます)

・序章
零以降前編作品で恒例になってる、中後半の盛り上がるシーンを先にOPで見せる手法ですが、
これ全然必要だと思えないんだよなー。
零の時はまだキーアの力で改変されてた仕掛けっていう意義もあったし、閃Ⅰも同じように解釈できなくもないけど
今作だと流石にもう無い(と思いたい)から、新Ⅶ組班にアンゼリカが居ないのもメタ的な都合でしかなくて不自然だし。
そういうシナリオ的な違和感とか抜きにしても、そもそもここで展開先見せすること自体が別に面白いとも思えないし……

仕切りなおして物語の始まり、
リィンとパトリックの組み合わせから始まるのはとても良かったと思います。
閃Ⅱ〜閃Ⅲ間の空白の一年で、おそらくリィンに最も近しい存在だったのがパトリック、もしくはこの後出てくるアルティナ辺りでしょうからね。
2人が並ぶ姿は、級友として過ごしてきた時間を想起させるし、
過去の因縁の陰もなく穏やかに話す2人の姿には成長の跡も見える。
あぁ、これから学生じゃない・大人になったリィンの物語が始まるんだなあと感じられました。

アガットにティータ、ランディとのっけからどんどん過去のメインキャラが出てくるので、
「うおっ、ホントに今回オールスターなんだなあ」と。思えば閃Ⅱはわりと過去作キャラ渋ってましたもんね。
しかも皆お気に入りどころなのでテンション上がりました。

作中でも確かツッコまれていたとはいえ、
リィンが職場や担当生徒のこともろくに把握しないままぶっつけ本番なのは、教官としてどうなのよと思わずにはいられないスタート。

閃Ⅰのリバイバル描写でユウナとクルトのお色気ハプニング描写がありましたけど、
こういうサービスを主人公以外のキャラが享受しているのって閃…どころか零まで遡ってもあんま記憶にないような。
これ見ると、ユウナはリィンハーレムに組み込まれることないのかなと思ってちょっと嬉しくなりました。
でもこの手のお決まりシーンってよく指摘されますけど、男側に全く非がなくても悪者扱いになっちゃうのちょっとアレよね。
まあ後でユウナが全面的に謝ってたからいいですけど。

CPの消費量が厳しく設定されてたり、
小要塞の最初のボスが鉄心のオーダー使わないとけっこう危なかったりで、
「お、今作けっこういい具合にバランス調整できてるんじゃね?」と期待したり。
オーダーとブレイクシステムに慣れてしまえば過去最悪のバランス崩壊クソゲーだとは、この時はまだ知らなかったのであった…。

・1章
最初に学院巡回してた時は生徒一人一人覚えるのに苦労してましたけど、
気づいたら全員の出身・部活から寮の部屋割りに人間関係まで頭に入ってたので、やっぱこの辺は流石だなあと。
総評の記事でも書きましたけど、今回は寮や移動中の列車内等でキャラ間の交流を増やしたのが良かったですね。

オライオン姉妹が人造人間でしたっていう設定が物凄くサラッと開示されてちょっとビックリ。
2章のシャロンの過去話といい、今回結構そういうのありましたよね。
畳に入ってくれるのはいいんだけど、閃Ⅱの時点で勿体ぶらずにもういくらか明かしておいてもよかったんじゃないかって気も。

学生が機甲兵を動かす訓練してたり、
過去作ではそういうのと無縁だったランディも乗り回したりしてるの見ると、
あぁ、本格的にロボットで戦う世界観になっちゃったんだなあ…とちょっと複雑。
果てはアリアンロードやオズボーンまでロボット持ち出してきちゃいましたしね。
騎神=帝国の至宝ってことが判明したから、
帝国編が終わればロボット推しが落ち着くかなという望みもあれば、
ここまで来ちゃった以上、次のシリーズではさらに進行するんじゃないかっていう恐れもあり…。

1〜2章演習の生徒3人+教官の4人チームで探索任務しているところ、
初期のNARUTOみたいな雰囲気で味があってけっこう気に入ってます。
閃Ⅰと同じシチュエーションでも、
学生オンリーのチームから一人指導役が入るだけでけっこう変わるもんだなあと。

総評でも書いたけれど、この辺はとにかく序盤から再会・再登場ラッシュでたまんなかったですね。
しかもただ出てくるだけじゃなくて、皆2年分の成長ドラマを上乗せしてきてるからイチイチ楽しくてもう。

それから、演習2日目の展開がまた胸熱すぎてね。
「リィンを支えるために動く」という閃Ⅱの時に待ちわびてた言葉からの旧Ⅶ組パーティ結成に、
同時進行で新Ⅶ組メンバーが絆を育んでいく描写もあり、
そしてなんといってもハーメル、ハーメル訪問ですよ!
村へと続く道のりまで含めて、自分の足でハーメルを訪れることが出来るなんて、
空の軌跡ファンとしてはそれだけで物凄く感慨深いものがありましたよ。
空SCでも墓の周辺だけは描写されてたけど、閃だとグラフィックの等身が上がってるからまた違った趣がありますしね。

しかも、同行するのがアガットで、彼の口からハーメル事件の顛末が語られるってのがまた…。
エステルヨシュアの兄貴分でもあり、レーヴェとの因縁もあり、
何より自身がハーメルを発端とする百日戦役の被害者でもあり……とまさに打ってつけの人材であり、
この配役のおかげでこのシーンのドラマチックっぷりがさらに引き上がったなあと。
アガット参戦の報を聞いたときは、
「まあ彼も帝国に因縁あるキャラだしなー」くらいにしか思ってなかったけど、ここまで上手く絡めてくれたのは素晴らしいですね。

シリーズ恒例・バトル後の達人同士の褒め合いになると、
その輪に入れない普通の子(閃だとアリサ・エリオット・マキアス辺り)がちょっと居た堪れない感じになるので、
シャーリィが「楽士のお兄さんの支援もいい」とかエリオットへのフォローも拾ってくれると、
お、こいついい奴だなとちょっと嬉しくなってしまう。こういうフォロー大事にして欲しい

両勢力が白兵戦で白熱しているところで、
騎神バトルが差し込まれて急に敵味方が傍観者になっちゃうのは水差し感強くてゲンナリ
一方で、こんだけ強い奴らだらけのお祭り騒ぎになってきた中で、
実力的に劣る新Ⅶ組メンバーをバトル方面で目立たせようとしたら、
周りを置いてけぼりに出来るロボットバトルくらいしか方法ないのかなあとも。
その章でスポット当たったキャラとリィンのタッグ(トリオ)で締める展開自体は嫌いじゃないです。

あとここのシーン、元々アッシュがロボットを駆っていたのに、
どこからかいきなりクルト用の大剣2つがいきなり出てきたのは凄く不自然だった。
軌跡の武器どこにしまったんだ問題は今に始まった話ではないですが、
ロボットサイズでそれやられると尚更視覚的に違和感強いですね。
というかそもそも、愛用武器のロボットサイズ版が生徒全員に用意されていること自体が違和感ある。
独自性が強いアッシュやユウナの武器とか明らかに特注品だろうし、
そこまで柔軟に対応できる開発体制やらコスト面やら、細かいところがどうにも気になっちゃう。
その方がモーション作成の手間とかが楽だったんだろうけど、
機甲兵戦闘は普通に機甲兵用の汎用武器で戦わせた方が良かったんじゃないかと思う。
ヴァリマールも最初は刀以外の武器で戦ってたしね。

・2章
1章でハーメルを訪れて空のドラマを持ち出すという反則的な盛り上げ方をしちゃったから、
最初からここまで飛ばしちゃって大丈夫かな…と思ってたら、
今度はクロスベル訪問で零碧のドラマを持ち出してくるというアクセル全開っぷり。
空と比べれば零碧にそこまでの思い入れは無いですけれど、
それでもやっぱり、100時間超駆け回ったあのクロスベルを閃のグラフィックで再訪出来るのというのは、
テンション上がらずにはいられなかったですね。
何だかんだでそれなりに記憶に残ってたモブも多かったし、二年後の彼らとの再会も嬉しかった。
特に、支援課の帰還を待ちつつコッペの世話をしている中央広場のモモちゃんと、
それぞれ就職してる旧市街の両不良グループ出身コンビ辺りはドラマ性感じて良かったです。
でもヴァルドさんとかいうクズの帰りは待たなくていいよ。

ユウナの信者っぷりにリィン自身の卑下もあって「"灰色の騎士"よりもロイド達こそ真の英雄!」的な話になるのは、
零碧ファンへの配慮とリィンの性格的な問題もあるんでしょうけど、
実際今回、リィンの視点で見てみると、強メンタルでブレないロイドって確かに英雄然として映るんですよね
零碧でプレイヤーとして動かしてたときはそんなに思わないというか、
むしろ終盤のアレさで不信感を抱いてたような節すらあったのに、
視点を変えてみるとこう印象が変わるのは面白いなあと。
よりイケメンに進化した姿をチラ見せしたとはいえ、特に今作の中で何かしたわけでもないのに、
リィン視点で追っているとなんか勝手にロイドの株が上がっていって、
次回作での共闘展開への期待が膨らんでいくのだから不思議なものです。

一方で、NPCのクロスベル市民も皆一様に、
支援課は持ち上げ、ディーター勢力(というかほぼディーター一人)は悪者扱いって感じだったのはなんだかなーとも。
それまでの積み上げで支援課が信頼を得てるのはまあ分かるし、
ディーターも猟兵にクロスベル襲わせたのがやりすぎで擁護し難いとしても、
ディーター達がやらかさずとも、遅かれ早かれどうせクロスベルは二大国に飲み込まれる運命だったし、
彼の行動にはそれに対抗する意図もあった点にもっと言及があっても良かったよなあと。
「クロスベルにとって正しい選択なのかは分からないけれど、自分達の正義とエゴを貫く」っていうジレンマが碧終盤の一つの醍醐味だったように記憶してるので、
その辺をあっさり片付けられちゃってるのは勿体無い気がします。
でも、クロスベル民が帝国の支配にそこまで露骨に反発的じゃないというか、
ナチュラルに受け入れているような空気も合ったのはリアル感あって良かったと思います。
ユウナがやたら併合前のクロスベルを美化しまくるからちょっと不安だったんですが、
あくまでユウナの性格上の問題だったと分かって安心したし、
逆にその価値観の差に面白みを見いだせて良かったなあと。

発売前の宣伝で印象的だったユウナの絶叫、
「あたしたちのクロスベルを返してよおおおお!」は、
絶対これ帝国vs共和国の戦場になってクロスベル炎上する展開やろなあ…と予想しちゃってたので、
ああいう形での言葉だったのはちょっと肩透かし感。
でも、誇りを折られるまでの前フリがしっかりしてたから、ちゃんと説得力は感じられましたし、
英雄達の代わりに自分がクロスベルを救うんだ! って展開に繋がるのは熱くて良かったです。
そのせいでランディが全然活躍できなかったのは残念ですが。

ラストのロイドの間接グータッチは、
まあシナリオ通りにリィン(+その他全員)に向けた「感謝+お互い頑張ろうぜ」的な意図なんでしょうけど、
普通に考えれば近しい存在であるランディかユウナへのメッセージが真っ先に優先されると思うので、
その2人に向けたメッセージを、リィンが勝手に自分宛だと捉えて返したら凄く恥ずかしいな……とか考えちゃってちょっと感動に水刺されてしまいました。

・3章
予定調和的にアッシュとミュゼがⅦ組に加入。
2人ともキャラとしては好きだし、
1章から協力関係にあったから仲間として馴染んでないとも思わないけれど、
ユウナ・クルト・アルティナの少数グループとしての空気が気に入ってたからちょっと残念さもあり。
でも、ミュゼのリィン誘惑を嗜めるユウナのお約束とか、
クルトをお坊ちゃん呼ばわりするアッシュとか、
ユウナとクルトのために新参2人に目を光らせるアルティナとか、人間関係的に広がり出てきて良かったですね。
それに、この2人いないとだいぶクソ真面目な感じになっちゃいますしね。

師匠の手紙に出てくる「無明の闇に刹那の閃きを〜」的なフレーズ、
ここに来てようやくタイトル回収感があってグッときました。
あと、初めて帝国東部についての話題が出てきたのも興味深い。
この後アンゼリカとの会話でも東部の話を出しつつ閃勢の介入フラグも示唆してたし、
このプッシュの仕方は、やっぱり帝国編の次のシリーズへの布石じゃないかと思わずにはいられないですね。
西ゼムリアが舞台ってこと自体は外さないと思いますけど、
無難に考えればやっぱり共和国が次の舞台で、国の背景事情として東部の問題が絡んでくるってとこでしょうか。

オルディスは貴族最大の本拠地に相応しい煌びやかがあって気に入りました。
帝国編をさらに東部編(ⅠⅡ)と西部編(ⅢⅣ)の2つに分けたことで、
リベールより広大な帝国の主要都市の大半を訪れることが出来たのは、
引き伸ばしと言われつつここまで帝国編を引っ張ったことによる一つの成果ですね。
閃Ⅰで演習地として名前だけ出してた西部の都市に、Ⅲになってから行けるようになるっていう仕掛けも好き。
そういえば閃Ⅰの3章でリィン達がガイウス一家に歓迎されてノルドを満喫して頃、
もう一つの班はあのつまんなさそうなブリオニア島で演習してたんだなと思うと格差感じますね…w

1日目ラストの、大人オンリーで夜の歓楽街で情報収集するところは凄く楽しかった。
プロの大人4人が夜の街で行動してる空気も好きだし、
学生という立場故に、エステルやロイドよりもこういう描写に馴染みづらかったリィンで…というのが、
閃Ⅱからの成長・新鮮みを感じさせて余計に面白いですね。
学生物語が続いてるだけに、余計にこういうのに対する飢えが強くなってるような。

1章からずっと似たような展開が続くから流石にマンネリ気味というか、
「その必要はない!」をユーシスやサラがかましたときはもう失笑ものになっちゃってたんですが、
大トリを飾ったガイウスの助っ人登場は、状況やフラグの積み上げもあって素直に熱いと思えましたね。
ここからクライマックスまでずっと回想話引っ張られ続けるとは思わなんだけど……w

海上要塞の攻略展開、
新Ⅶ組班と旧Ⅶ組班に分けて同時攻略させてくれるのは燃えました。
ようやく章終盤の局面で新Ⅶ組を、しかもリィンとは別働隊で動かせる喜びもあったし、
こういう盛り上がりどころでキャラを余らせないってのが何より嬉しかったですね。
新Ⅶ組班に何故か入ったアンゼリカが浮きまくってるのは気になったけど、
後の展開を考えれば、ここで彼女と新Ⅶ組の接点作っておくことにちゃんと意義あったんですね。

北の猟兵の復讐にオルディス砲撃のピンチ、
海上要塞で黄金のオーレリアと白銀のアリアンロードの女将軍がぶつかるシュチュエーションとか、
ガワの展開は1章、2章よりも確かに盛り上げてきてるんだけど、
空や零碧の物語を引っ張り出してきた前2章ほどはテンション上がんなかったなあと。
そんなわけで少しガッカリ感を覚えていたところに、
最後サプライズ展開を持ってきたのはいい意味で凄く不意をつかれた感じ。
あそこのシーン、深夜に一人で墓を掘り返すって状況もそうだけれど、
このゲームプレイ中で始めて「録画禁止エリア」の警告が出てきたのが、
「あ、これ絶対衝撃展開来るやん…」とゾクゾクさせてくれる演出になりました。そこまで狙ってたのかは分からんけど…w

・4章
閃Ⅰの時もそうだったけど、
学力試験でネームドキャラ全員の順位が見れるのは、
NPCも含めた皆の学力レベルとか知れてとても楽しい。
アッシュとミュゼの高スペックっぷりに押され気味だったクルトが、
なんやかんや分校トップ、セドリックに並ぶ代表として名目保ってたのは嬉しかったです。
まあ本気出したらたぶんミュゼの方が上なんでしょうけど。

マンネリ気味だった小要塞攻略、
リィン外して生徒だけで…ってシチュでちょっと嬉しかったし、代わりにティータ参戦でさらにテンション上がる。
ティータとレンが良き友達やってる回想は空ファンとしてはちょっと感慨深すぎますね…。
平和な日常サイドの象徴みたいなティータとそういう関係築けてることが、
レンが心の安息を手に入れられたってことを物語ってくれてて、こっちまで幸せな気分になるし、
ただ仲良しなだけじゃなく、お互いに与えられるものがある特別な友人同士なんだってことが伝わって来るのが尚の事嬉しい。
空本編の時点だと、レンにとってのティータって正直まだそこまで大きな存在にも見えなかったので、
零の後、友達として一緒に時間を過ごす中でこういう関係にたどり着いたんだなあと空白の期間を思うと滾るものがあります。
ところでレンってあのゴスロリ服のイメージしか無くて、数年後の姿って思い描きづらかったので、
王立学園の制服を持ってきたのは衝撃受けつつ納得でした。後ティータと身長差かなりついてたのもビックリした。

そしてその後にまさかのvs分校長&アルゼイド父。
敵の格的には3rdの剣帝剣聖コンビ戦にも引けを取らない状況なんだけど、
サラのオーダーが強すぎるからブレイク→タコ殴り安定で圧勝してしまって何の感慨も得られなかった…。
ところでここ、味方がラウラ・フィー・サラなのはまあ納得の人選なんだけど、
改めて見ると、閃はこういう味方サイドの強者ポジションが女性ばっかりなのがちょっと寂しいですね。
今作ラストでガイウスがようやくそこに名乗りを挙げてきましたが。

ロボット展開の是非自体はともかく、
閃Ⅱで登場した各汎用機に新Ⅶ組メンバーが割り振られるのはけっこう興味深く見ていたので、
最後に残ったアルティナがまさかのゴライアス担当だったのは面白かったです。
戦術殻を使ってるから馴染むっていう理由付けもちゃんとしてますし。
1〜3章の展開からして4章ラストは当然、
ゴライアスをモノにしたアルティナとロボ共闘展開になるのだろうと思っていたのですが、予想外されましたね。
次回作で改めてその展開来たらなかなか熱いかもしれません。

ヘイムダルでメインキャラであるクルトの実家に行けるだけでなく、
トワや分校生徒のウェイン、
さらには閃ⅠⅡで登場したエミリー先輩の実家まであったりして、こういうとこ流石だなあと。
家族との相違点で血の繋がりだったり、そのキャラの生い立ちだったりが見えてくるのが楽しんですよねえ。
民家の一つ一つにまでこういうドラマ性もたせられるのはホントこのシリーズの凄いとこだよなあと。

今作の一つのピーク的な扱いだった旧Ⅶ組の集結シーンですが、
既に個々との再会は済ませた後だったから、ぶっちゃけそんなに感動無かったですね。
むしろこの期に及んでガイウスの話まだ引っ張るのか、とかの方が…w
別々の道に進み、それぞれ力をつけたメンバーが、
改めて集まって進むべき道を決める…的なシチュエーション自体はけっこう気に入ってます。
というかこの案を持ち出したのがユーシスってところがいいですね。
Ⅶ組って対等なクラスメイト同士なのに、何でもかんでもリィン中心で物事が動きすぎてるのがあんま好きじゃないので、
リィン以外のキャラがリーダーシップ取ってる描写はけっこう嬉しいものがあります。

それまでのvs茶番結社から解放されて、
4章はvs共和国の工作員って展開にはけっこうワクワクしてたんですが、
その辺やや消化不良気味なうえ、伝説の暗黒竜との戦いって展開に突入したのは正直なんだかなーと。
伏線はあったとはいえ若干唐突に感じたし、
ここまでずっと人・組織を相手取る展開が続いていた中で、こういう生物との戦いってあんまり熱くなれないしね。
新旧Ⅶ組の共闘という展開もここで解禁されますが、
こんな感じでテンション上がりきってなかった上、新旧Ⅶ組でパーティ組むのもあんま楽しくなくて……。
3チーム同時攻略で余り物出さなかったのは凄く良かったんですが、
空3rdのラスダンとかと比べると、今回のⅦ組パーティってあんま組み合わせ考えるのにロマンがなかったんですよね
旧Ⅶ組同士のプッシュされてるペアがあんま多くないってのもそうなんだけど、
せっかくの新⇔旧Ⅶ組キャラ間の組み合わせに面白みないのが痛かった。
合格ラインに達してるのはオライオン姉妹だけで、
あとはラウラ&クルト、ユーシス&ミュゼ、サラ&アッシュが辛うじて繋がりあるかなー、ってくらいだもんね。
敵も味方も微妙で1〜3章の終盤よりもどうにも盛り上がりにかけて、
まさかこれラスダンだったらどうしよう……って危惧してたんですが、黒キ聖杯さんが残されててホッとしました。
でも暗黒竜さんは戦闘バランス的にはブレイク戦法でタコ殴りできる劫炎やら聖女やらなんかよりもだいぶ手強くて、
本作で唯一歯ごたえ感じられた大ボスだったので、そこは良かったかなと思います。
まあ、舐めくさっってて2組目のパーティが火力足りてなかったせいなだけかもしれませんが。

地下道の探索クエストでアガット・ティオらゲストキャラクターが勢ぞろいする展開、
強引だなあと思いつつもやっぱり嬉しいファンサービスでした。
ここのメンツ、因縁豊富でいろんな組み合わせが楽しめるので、
それぞれのリンクリザルト見るためにダラダラ地下道駆け回ってましたね。
アガットとオリビエが「同窓会でもするかい?」みたいな会話してるのとか感慨深かった。
あとはレクターが使えるのも嬉しいサプライズでしたね。

組み合わせが楽しめるといえば、この後の祝賀会のシーンも良かったですね。
武人・才媛・趣味繋がりとかいろんな括りでの会話が面白かったし、
リィンの関わらないところでキャラ同士の関係が広がっていくのはやっぱりいいなあと。
パトリックがガイウスに閃Ⅰ時代の暴言を謝罪する下りとか嬉しかったですね。

その後皇帝との話で出てくる帝国編の核心「呪い」の話は、うーんなんだかなーって感じですね。
まだ全貌が明かされたわけではないですが、
こういう物語の課題を便利な「洗脳」で片付けちゃうのってあんま面白くないと思ってて。
ダンガンロンパのアニメとかホント陳腐だったし…。閃はあそこまで酷くはなさそうだけど。
まあ、思い返せば空FCの頃から"ヨシュアの暗示"という似たようなものを使ってはいたけれど、
帝国編は物語全体に対する「呪い」の影響の大きさが段違いだしね。
確かにそんな裏付けでもないと過去回想の残虐な行動に違和感が残る面もあるとか、
開戦の口実のために自国民虐殺とか割に合わなすぎ…とか言われてみればそうなんだけど。
でもそういうやりすぎ感も含めて、純粋に人の業による出来事だったからこそ、
「ハーメルの悲劇」が物語上における巨大な闇として意味合いを持っていたんじゃないかなあ
とか。
実はもう一人生存者がいましたー展開よりも、こっちの方が後付けで泥塗られた感あるやもしれん。
一方、ここまで明かされてきたクレア、レクター、そしてオズボーンの悲劇的な過去が、
"呪い"の被害者という点で結びついたのは、謎が収束するようなカタルシスがあって良かったとも思います。

そして衝撃のアッシュによる皇帝銃殺〆ですが、
なんか「長年の苦しみから解き放たれるが良い」とか聞こえのいいこと言ってる皇帝が、
むしろ責任丸なげで自分が解放されたがっているように見えてしまいました。
いや、この人もたぶん"呪い"になんとか対抗しようと試行錯誤した経緯があったんだろうし、
最高権力者でありながら、諸々の犠牲に目を瞑ってオズボーンの野望を容認し、
自らの命を使ってでも彼の策にのっかることで打倒呪いを成し遂げる所存なのかもしれませんけど、
今のところの描写を見てるとどうもそこまでの覚悟が感じられないというか。
セドリックがあまりにアレすぎてそっちばっかり目立つけど、
なんかこの皇帝もどうなんだろうなーって感じですね。
結局一命を取り留めたとしても、
意図はどうあれオズボーンの策を黙認してた時点で皇帝の座に戻すのもあんまり気のいいものじゃないし、
かといってセドリックはもう取り返しのつかないところまでいっちゃったし、
今回の件が片付いた後の帝国の政治体制どうするんでしょうかね。
生きていたオリビエをトップに据えるのが一番無難なところですが、オリビエは今の脇で支えるポジションの方がらしくて良いよなー……。

・終章

アッシュ・アルティナとⅢのメインが2人も、クライマックスを前に抜けてしまうのはちょっとビックリでした。
賛否分かれそうですが、
個人的にはゲーム的な都合よりもシナリオの流れを優先するのは賛成です。
ただぞろぞろと一緒についてくるだけよりも、
別行動で己の役割を果たす方が存在感も出てきましね。
まあ、シリーズ全体のクライマックスになる次作では、
やっぱり皆揃って大団円にしてほしいなあとかまた話が違ってくるんですが…w

演習地から出るのも、帝都に入るのもエマの魔女パワーで万事解決。
こういうとこに細かい作戦描写があったりするのがけっこう好みなので、こういう荒業はあんまり楽しくなかったり。
ところで、教会に辿りつくまでの流れはガイウスとエマのコンビが結託して主導してましたが、
ガイウスが教会サイドの人間になったことで、
旧Ⅶ組メンバー内に今までになかった新しい繋がりが生まれたのは面白いなあと。
それこそ学生時代からこの2人のペアをプッシュしてれば、もっとドラマチックだったかもなあ。

ようやくガイウスの正体発表の後、長々と語られる帝国の至宝史。
焔だけじゃなく大地の至宝も絡んでいて、その融合体が今回の元凶というのはやや驚きでしたが、
空や零碧の2倍の尺を費やしてるシリーズなんだから、
至宝の数も、立ち塞がるものの大きさも2倍
というのは然るべきだよなあと納得感。
両至宝の関係者が魔女と地精というのも、勢力図が分かりやすく整理された感じで腑に落ちましたね。
ここまで至宝や聖獣の話も出ず、いろんな勢力出しすぎで帝国編に収拾つく気が全然してなかったのですが、
ここに来て、思ってたよりもわかりやすい状況になり、終わりも見えてきてホッとしました。

そしてさらに状況を整理するために、まさかの結社地精タッグ成立からの敵役大集合展開。
ここのシーン、一度にサプライズ描写を盛り込みすぎてかえって1つ1つが潰されちゃってるんですよね。
ユーザーにとってはそこまででもないですけど、
リィンたち登場人物の視点からしたら驚愕ポイントが多すぎて、一気に明かしすぎじゃね?と戸惑いました。
・黒キ聖杯が発動している光景
・鉄血・地精・西風・結社・星座らが敵としてみんな並び立ってる図式
・アルティナが敵の手に落ちている
・ミリアムが鉄血の一員としてその場にいる
シャロンが結社側についている
・ジョルジュが何故か敵サイドにいる
・地精の親玉がルーグマン教授=フランツ=死んだはずのアリサ父
こんだけのポイントに対して驚きのリアクションを返さなきゃいけないから、かえって一つ一つが軽く流されすぎなんですよね。
この瞬間まで良き先輩だったはずのジョルジュとか本来なら閃Ⅰのクロウみたいに衝撃を持って迎えられるはずなのに、
あまりにもサラッと流されすぎちゃって、このシナリオ構成はもうちょいどうにかならんかったのかなあと。

その後、帝都に幻獣が大量出現しちゃうのもちょっと戸惑いましたね。
せっかく上手いこと民意を対共和国意識へと扇動してたのに、
こんなに街をめちゃくちゃにしちゃったらそれどころじゃなさそうだし、
オズボーン陣営の仕業だってバレたら信用失墜しそうだしどうなのよこれ…と。
まあでも、ラスト見る限り最終的にはこれも共和国の所業に擦り付けられたし、
呪いの洗脳パワーでどうにかなるからオッケーって腹積もりだったんでしょうか。それはそれでなんだかなーって感じだけど…。

ラスダンでの中ボス一斉処分セール三連戦、
三戦目の子供たちカルテットはそれなりにワクワクしたし、
初戦の結社ツートップもまあいいかなって感じですが、
二戦目の猟兵王、シャーリィ、シャロン、クロウの抱き合わせは残り物まとめて詰め込んだみたいであんまり面白くないですね。
というか重要ポジションだと思ってたジークフリードさんがこんな雑に処理されるとは思わなんだ
まあ、今更またクロウとの一大決戦みたいなのを繰り返されても…って感じだからこんなもんでもいいんですけど。

味方サイドにしても、
三戦目のマキアスとエリオットは完全に処理に困ったおまけ感が拭えなかったですね。
Ⅱまでは似たような枠だったガイウスとアリサが救済されただけに、この2人ももうちょいどうにかしてほしかった。
一方、初戦のラウラ・エマ・ガイウスのトリオなんかは現状の旧Ⅶ組トップスリー感あって面白かったです。
こう言うと、かつてラウラとツートップ扱いだったフィーがちょっと不憫ですが。
あと、対幹部足止め用に仲間が少しずつ抜けていく展開自体は熱かったですね。
最終決戦で出番の無い仲間が出てくるくらいなら、
こういう手法の方がみんなに見せ場が出来ていいよなあと。
最終作でもなく、敵との決着もまだつけなくていい今回だから出来た演出なんでしょうけど。

裏切り者続々、敵組織うじゃうじゃ、
帝都はハチャメチャとただでさえ敵サイドのやりたい放題感に混乱していたところに、
頼みのカレイジャス登場→即爆破退場というコントみたいな敗北展開は、
どうせ生きてるんでしょとは思いつつもトドメ刺されたような絶望感あって、そういう意味では上手いこと機能した展開だったかなと。
その流れでアルティナの首が絞まったら流石にコントローラーぶん投げたくなるところですが、
仲間達への想いで目覚めてセドリックを振り払うシーンは、
やられたい放題な中でようやく一つ抵抗できた感じがあって、アルティナの成長とも合わせてグッときました
…まあその後、ミリアムは死ぬわ、リィンは暴走して自ら至宝発動させちゃうわ、
騎神4人がかりで羽交い締めにされ見下されたままEDに突入するわで、胸糞の極み状態で終わっちゃったわけですがw
この辺のネガ話は先の感想でも書いたからもういいかな。
あ、そういえばEDの「嘆きのリフレイン」はけっこう気に入ってます。
デモムービーで聞き込んでたせいもあるだろうけど、OPよりも馴染み深くてお気に入り。
しかし、既に知っていたフレーズとはいえ、
あの展開の後に「踊れ狂ってしまえ」とか言われると乾いた笑いが出ちゃいますね。

ED後の話(次回作の予想)とかも一度書いたしもういいかなー。

というわけでこんなところでシナリオの振り返りは終わり。
あとはこのままの流れで、キャラ語りを同じように書き連ねていく予定でしたが、
ダラダラ書いてたらウッカリ文字制限に引っかかっちゃたので分割しました