ガールズ&パンツァー劇場版がめっさ面白かったよ話


昨日見に行ってきたガルパン劇場版が大変面白かったのでちょっと語りたくなったの巻。
元々テレビアニメ本編の方は放映終了後に遅れてではあるけど一応全話見て、
「美少女部活ものの最高傑作クラスだわ!」と思ったくらいには楽しんでいたんですが、
あんまり映画館に行かないタイプなのもあって、まあ円盤出てからレンタル視聴でいいかなーくらいの心持ちでいまして。

しかし方々から絶賛の声が日々聞こえてくるものだから、
「そんなに評判いいなら行ってみるかー」と軽〜い気持ちで足を運んでみたら……いやもう期待を遥かに上回るものが見れてテンション振り切れちゃいました。
劇場まで自転車で片道30分弱の道中、行きは全然違う考え事をボケーっとしてたんですが、
帰りはひたすら「やべー、すげーもん見たわー」と映画の内容をプレイバックしながら幸せに浸ってましたわ。

※以下ネタバレ全開で語り散らすので、未視聴の方はご注意ください

ド迫力!

まず、おそらくあちこちで言われてるだろうけど戦車バトルの迫力が凄かったですね!
冒頭のデフォルメキャラ解説とかも相まって、ハリウッドの大作とかじゃなく所詮美少女アニメの映画とまっとりした気持ちで臨んでいたら、
開幕早々の轟音でいきなりビクッ!てなって、そっからはもうずっと王道少年漫画的なノリと迫力とロマンに溢れたバトルに、少年の心で夢中になってました。
TVアニメのときもバトルの内容自体は非常に面白かったとはいえ、
そこまで映像的視覚的迫力に圧倒されていたような印象はなかったので、
これはやっぱり映画館の大スクリーンと音響ならではの効果なんでしょうねー。
絶対映画館で見るべき映画!と力説して、基本BD鑑賞でいいや派の自分をその気にさせてくれた人達に感謝です。

王道!

大半が戦車でドンパチやってる映画なのであんまりストーリー性について語るところは無い感じだったけど、
本編同様青春部活ものの王道をキッチリ抑えた展開で気持ちよく楽しめて、障害なくスッキリメインディッシュのバトルを味わえました。
テンポよく話が展開されていって、
2時間の尺に不必要なシーン無く、ひたすら高濃度でエンタメが押し寄せてくる感じでしたね。
強いて言えば序盤のエキシビション辺りをもうちょい削って、イマイチドラマの薄い敵の掘り下げに尺使っても良かったんじゃないかなーという気はするけど、
エキシビション自体は戦車道バトルの感覚を思い出させてくれる、メインバトルの前座としてちょうどいい感じだったし、
その後の日常シーンは息抜き+助っ人参戦で見せ場減っちゃう大洗チームメイト成分の供給として作用してたし、
メインバトルはあれだけやっても全く冗長感無かったし、概ねよいバランスだったんじゃないかと。

本編で解決してたはずの廃校問題をまた持ち出してくるのはぶっちゃけ後付け感満点だったけど、
学校救うために一人頑張る会長と、不在の間懸命に働く桃ちゃんのところでちょいウルッときたし、
大洗を救うためにライバル達が集結して大学選抜と戦うという展開が単純に熱いのでまあいっかーとw
ちゃんと面白い展開に繋がるなら、多少のご都合主義は許せるタイプなので…。
あとはこの作品の場合、あんま細かいこと気にすんなよっていう雰囲気作りに成功してるのが大きいかな。

ドリームチーム!

自然と入ってきた前情報でそういう展開になるのは知ってたんだけど、
全国大会で凌ぎを削った猛者達がチームメイトになるっていう部活ものの王道展開はたまんないっすね!
王道部活もの大好き人間として絶対楽しいだろうなーと思ってはいたけれど、
いざ各校が集結して、リーダー達が作戦名はビーフストロガノフだのピザだのすき焼きだのと議論してる光景を見るのは思ってた以上にワクワクしちゃいました。
アニメ一周しただけでもちゃんと覚えてたくらい皆しっかりキャラ立ってたのが良かったですね。

そんなワクワクチームの面々をしっかり描く上で、アニメでずっとやってたフラッグ戦じゃなく、全車両が倒れるまでやる殲滅戦ってのもいい判断だったんじゃないかと。
フラッグ戦だとフラッグ車に出番偏りそう+より戦略が複雑になってゴチャゴチャしすぎてついていけなさそうだし、
前座のエキシビションはあんまりにもフラッグ車のあんこうが回避性能高すぎて、流石に強すぎじゃねってちょっと思ってたので…w
それにフラッグ車以外の戦車も倒す意義があることで、
味方側が敵戦車を倒すシーンのカタルシスもより大きくなりますものね。

あとはやっぱりラストのみほまほ姉妹タッグが熱かった!王道万歳!
中盤の回想シーンで補強してからの、満を持して感に素直にワクワクしてました。
まほさんはなんか本編でそんなに凄い印象残ってなかったので、
今回頼もしさを存分に見せてくれたのは嬉しかったですね。

でも30vs30の戦闘は流石に目まぐるしすぎて、
特に情報量が多くなる遊園地が戦場になってからは、
ミリタリー知識0でパッと戦車の見分けがつかないのも相まって、何がなんだか戦況を把握できていないうちに気が付けば姉妹だけの最終決戦に突入しちゃってた感じだったんですが、
それでも大洗の各チーム・各ライバル校がどういう活躍をしたのかは概ね思い出せて。
あの忙しさの中で、キッチリそれぞれに印象的な見せ場が作れていたのは偉いと思います。
記憶を頼りに書いてみると、

あんこう…花畑で敵撃破+中ボスラスボス撃破*1
・生徒会…でっかいの撃破+花畑で敵撃破
・バレー部…でっかいの撃破アシスト+知波単と組んで敵撃破
歴女…あんまり覚えてない
・一年生…観覧車破壊で攪乱+ジェットコースター上の敵撃破
・風紀委員…アンツィオと組んで敵撃破
・自動車部…カチューシャとエリカを運んで中ボス撃破に貢献
ネトゲ…鍛えた腕力による高速装填からの敵撃破
・黒森峰…エリカが中ボス撃破に貢献、まほが中ボスラスボス撃破アシスト
プラウダ…劇的な自己犠牲展開+カチューシャが中ボス撃破*2
・聖グロ…サンダースと組んでなんか強そうな奴を倒してた
・サンダース…砲手のナオミさんがちょくちょくいい仕事してた
アンツィオ…偵察等いろいろ動き回ってた
・知波単…水遁したりぬいぐるみに隠れたりバレー部と組んだりしてけっこう敵倒してた
・継続…でっかい奴の護衛軍団を引き剥がして撃破

こうして見ると、歴女だけ思い出せるシーンがなかったのと、サンダース校だけちょっと見せ場不足だった感あるかなー。
ポッと出の継続が活躍しまくりだったので、もうちょいこの辺に見せ場譲ってあげればって気もするけど、
新キャラが活躍しなかったらそれこそこいつら何のために出したの?ってなるかな。
そもそも既存だけで十分濃いのに新勢力出す必要あったのかってのもあるけど、
それぞれのモデルになってる国の戦車が好きなミリオタ層とかにはやっぱり最高のサービスだったりするのかしら。
まあ知波単が日本モデルってのは知識無い自分にも流石に何となく伝わってきたし、
知波単のポンコツっぷりからの成長とか、継続の弦楽器鳴らしながらの戦闘とか凄い楽しかったので概ね良かったとは思いますが。

そういえばあんこうのチームメイト達もバトルではちょっと見せ場不足感あったけど、
まあ戦車内部の活躍まで描ききるのは難しいだろうし、そこはまあしゃーないかなーと。

※12/8追記
戦闘の流れを大変綺麗にまとめてくれてる画像を発見したので追記。
歴女チームはセットに隠れて敵倒してたんですねー。
そういえばそんなのあった気もするけど、どうやら情報量過多すぎて頭に入ってきてなかったようです。
あと、中ボスA改めルミさんを倒したのはカチューシャじゃなくてエリカだったんですね。
ぶっちゃけどっちだったのか覚えてなかったんですけど、シナリオの流れ的になんとなくいいところ持っていったのはカチューシャだろうと思い込んでましたw
にしてもこうしてみると、中盤頃はかなりのワンサイドゲームだったんですねえ…。

荒唐無稽!

映画見てる最中ずっと感じてたのが、この荒唐無稽すぎる世界観を成立させてるのが凄いなあということで。
本編のときも、船の上の学校とか安全すぎる装甲とかどう見ても危険すぎる西住殿の顔出しとか大概だったけど、
今回の、美少女の乗る戦車60両がハチャメチャバトル繰り広げる光景はホント強烈だったわけで。
最初の馬鹿でかい戦車を、味方を踏み台にしたフライングで撃破する辺りからもう面白すぎるし、
特に遊園地に舞台を移してからは、
ジェットコースターに戦車で乗り付けて偵察したり、
観覧車を転がして攪乱したり、
ファンシーなマスコットに隠れて攻撃・移動したり、
空砲で味方を吹っ飛ばしてクライマックス飾ったり、
終始遊び心満載の愉快な光景が続いていてワクワクが止まりませんでした。

何よりこんなコミカルな戦いを、臨場感溢れる音響によるごっつい戦車のドンパチで見れるっていうギャップがたまらんよねと。
リアリティから逃れられるアニメの土壌と、
美少女達の部活アニメっていう緩い空気の中だからこそ、こんな独自性溢れるものを見せられるんだろうなあと。
それでいてちゃんと根底では王道のツボを抑えてるから、楽しさだけじゃなく熱さもきっちり味わえるのがまた良い。
おかげで他のアニメでは無いような、全然見たことないけどおそらく普通の戦争・戦車映画とかでも見られないであろう、
唯一無二のエンターテイメントを見せ付けてくれる夢の映画感が凄かったです。
TVシリーズのライバル達とドリームチーム結成!」なんて展開なんだから当然原作知識あった方が楽しめるに違いない作品なんだけど、
きっと予備知識が全くなくても十分な満足感を得られるだろうと思えるくらいに、
映像ものとしてのエンタメ度が突き抜けてるんじゃないかなーと。
映画見終わったあと、熱いとか楽しいとかいろいろ差し置いて最初に浮かんだ感想が「もの凄い視聴体験したわー…」でしたしね。

惜しかった点とか

上述のような廃校展開蒸し返しはまあいいんじゃないかなーって感じだったけど、
大学選抜が大したこと無かったのはちょっと気になったかな。
元々TVシリーズのときから、「敵校の強さ=戦車の数とスペック」みたいな感じで、
それを毎回西住殿の奇策でひっくり返す展開だったから相対的に敵の指揮官と乗組員が大したことないように見えてしまう節があって。
今回は、素人目には作戦上だと一進一退って感じだったからあんまり敵の大将の株が落ちた感はなかったし、
本編と比べてあんまり戦車のスペック差が強調されてる感じも無かったんだけど、*3
その分純粋に個々の力量勝負って感じが強く出るから、
他校の主力勢はまだしも弱小知波単や素人上がりの大洗の面子に、面白いようにやられてるのはこいつら全然大したこないなーと思ってしまった。
その辺の違和感を軽減するために何でもありな遊園地ステージが選ばれたんだろうけど、
ああいうところの戦いも普通に受け止められてる世界観だから、どのみちあんま擁護出来ないなあとw
中ボストリオもかませ感満載だったけど、終盤にトリオアタックでサンダースのトップ3を一蹴したのはカッコよかったですね。
ラスボスの島田さんはそんなわけで選手としての株はわりとしっかり保ってたけど、
お祭り重視だからある程度仕方ないとはいえ、ちょっとドラマ面が薄かったのはライバルとして残念だったかな。
名門お家対決というシチュ自体は好みなので、もうちょっと盛り上げられたんじゃないか感も。

それから、みほとお母さんが会話交わして正式に和解するシーンやってほしかったなーと。
中盤にまほが勝手にハンコ持ち出してサイン代筆したのは、ラストでちゃんと2人が向き合って会話するための前振りだと思って期待してたのでちょっと肩透かし感。
姉妹で握手交わして〆るのは本編でも一度やってたわけだし、やっぱり今度はそこに母親も混ざって欲しかったなあ。
まあ、また続編作るためにあえて引っ張ってるのかもしれませんけど…。

あと、戦車知識全く無いわりには概ねちゃんと楽しめてたんじゃないかと思うけど、
最初の馬鹿でかい奴のインパクトに隠れちゃったのもあって、
遊園地で出てきた強そうな奴*4の恐ろしさがイマイチ伝わってこなかったのはもったいない感あった。
でかい奴といえば本編で黒森峰が使ってた奴(マウスだっけ?)はけっこう絶望感あったので、
アイツが味方サイドにつく展開も見てみたかったけど、流石に持て余すか…w

ともかく、戦車知識ゼロでもこんだけ楽しめるわけだから、
ミリオタも兼ねてる人にとってはもっともっと珠玉の作品なんでしょうねー。
映画が終わったあと、そういう人種な空気を漂わせてるおっさん達が幸せそうな顔してたのが印象的でした。
本当にいい作品だったと思います、うん。今年見たアニメの中では間違いなく一番。

*1:中ボスの2体はみほとまほどっちが倒したのか覚えてない

*2:もしかした倒したのエリカだったかも

*3:たぶん大洗と知波単の戦車はだいぶ劣るんだろうなーとは思いながら見てたけど

*4:ダージリンさん達が戦ってた奴